初心者でも飼いやすい魚と言えば、金魚と言われる方が多いと思います。
縁日での金魚すくいや、ホームセンターなどのペットコーナーでも手軽に購入することができます。
今回は、金魚たちにとってエアーポンプは必要なのかご紹介します。
金魚たちに当然空気は必要
水中で優雅に泳ぐ金魚たちを見ていると、この子たちはどうやって空気を取り込んでいるのか、ふと疑問になることはありませんか?
水中の生き物だから空気は必要ない、また水面にやってきて口パクパクさせている時に十分な空気を吸っている、と考える方もいるかもしれません。
しかし、この考え方は間違いで、金魚たちにも空気は必要ですし、水面にやってきて口パクパクさせる動作は、本来ならばする必要のない行動です。
この水面で口をパクパクする行動は鼻上げと呼ばれるもので、水中の空気が薄く過ごしていけないので、わざわざ水面まで上がってきて空気を吸っているのです。
金魚たちは通常、水中に溶け込んでいる空気を、エラで取り入れています。
ですので、ただ水を入れただけの水槽では生きていけません。
そこで必要になってくるのがエアーポンプです。
水槽の外にある本体から絶えず空気を送り込むことで、水中の空気の量を適切に保つことができます。
水草などの植物ではダメ
よく水槽内に水草を入れる方がいます。
水草は植物なので、太陽などの光があれば光合成により水中の空気の量が満たされる、そう考える方もいるでしょう。
しかし、答えは「ノー」です。
多くの方が水槽に入れる、水草の代表的存在に「アナカリス」というものがあります。
これを入れる理由は、金魚たちにとっておやつ代わりになり、さらに産卵場所にもなるからです。
この他の水草を入れる理由も空気の量を保つ意味ではなく、金魚たちの遊び場的存在です。
ですので、空気は別に準備する必要があるのです。
あと、水草は水中に溶けている二酸化炭素の量では、十分な光合成を行うことができません。
エアーポンプは必ずしも必要ではない
空気が必要な金魚に、このタイトルは驚く方もいるのではないでしょうか。
そこには理由があるのです。
最近、金魚などの魚を飼う場合、ほとんどの方が昔ながらの金魚鉢ではなく、水槽を準備されると思います。
また、初心者の方は手軽な水槽のセット品を購入されると思います。
この時に使用するフィルター装置(水の循環装置)ですが、お店では水槽のふちにかけて使用する、外掛け式と呼ばれるタイプが多く売られています。
フィルター装置は水を循環させて不要なゴミや糞、あげ過ぎたエサを取り除き、キレイな水にする役割がありますが、もう一つ、このタイプならではの効果があるのです。
水がまるで滝のように流れ込む外掛け式のフィルターは、水槽に水が戻る時に空気を含ませることができているのです。
これは、高価なタイプのフィルターで上部式フィルターという、水槽の上に蓋のように設置するタイプでも同じ効果が得られます。
金魚の場合、このわずかな空気で元気に過ごすことができるので、水の流れ落ちる音が気になる方以外は、この外掛け式と呼ばれるフィルターを使うと、エアーポンプを準備する必要はありません。
タブレットもある
外掛け式のフィルターを使わない場合でも、エアーポンプを使わずに育てる方法もあります。
最近では、錠剤タイプの酸素を出す薬が販売されています。
1錠あたりおおよそ1ヶ月もち、1箱15錠くらい入ったものが1,000円程度で販売されています。
この錠剤、ゆっくりと酸素が溶け出し、水槽内を適度な状態に保つものです。
金魚鉢程度の小さな水槽であればこちらを利用するのも良いでしょう。
ただし、この方法を使う場合は、金魚の数は1~2匹程度で、なおかつ鼻上げを金魚たちが頻繁にしないか、観察する必要がありますので注意してください。
特に、タブレットを入れてから3週間くらい経つと、水槽の大きさによっては空気が薄くなることがあるようです。
エアーポンプの使い方は
大きめの水槽を使う場合や、水中フィルターや底面フィルターを使う場合には、エアーポンプは必要になってきます。
水中フィルターや底面フィルターの場合には、エアーポンプを使う事を前提として作られているので、これらを使う場合はエアーポンプがないと水中が空気不足になるばかりか、フィルターの水を循環させる役割もできない場合があるからです。
また、大きめの水槽の場合、外掛け式フィルターで水を循環させても、水中の空気の量は足りません。
さらに、金魚の数が多くなると、あっという間に水中の空気が薄くなってしまいますので、この場合はエアーポンプを準備する必要があります。
金魚数匹ならエアーポンプは必須ではない
金魚たちも生きていくうえで大事な空気ですが、愛好家の方のようにたくさんの金魚を飼うのでなければ、エアーポンプは必要ありません。
エアーポンプがなければ静かですし、わずかですが電気代もかかりませんので、管理も楽になります。
水槽や金魚たちの状況に合わせて、エアーポンプを準備するとよいでしょう。