活発に動く金魚

鮮やかな見た目と比較的整えやすい飼育環境のおかげで、広い年代に人気の金魚ですが、慣れていないとその行動に驚かされることも多いです。

飼い始めたばかりの飼い主の中には思っていたよりも活発に動き、逆に心配になってしまうようなことはありませんか。

では金魚が活発に動く原因として、例えばどんなものが考えられるでしょうか。

人間に驚いている

水槽を人通りの多い玄関やリビングに置いている場合、金魚は人間の気配や動きに驚いている可能性があります。

配慮のない明かりや音は金魚にとってストレスとなりえます。

遊んであげようとして水槽を叩いたり、かまいすぎるのも良くありません。

飼い始めの慣れない時期などには、落ちつけるような空間に安置して、そっとしておくことを心がけてください。

時間が経って人間に驚かないのを確認してから、生活スタイルに合わせてもらうようにしましょう。

またこの最初の期間に、金魚にどういった特徴があるのかも観察しておきましょう。

大人しい性格なのか、わんぱくな動きをするのか、普段の動きを把握しておくことで、何か異変があったときすぐに対応できるようになります。

エサの催促

金魚は飼い主に慣れてくれば、人の手によってエサがもらえると学習し、気配を察知すると水面に上がってきたり、動き回ってエサを催促したりする行動を見せるようになります。

他にも口をパクパクと動かしていたりすれば、エサを欲しがっているのかもしれません。

催促する姿は可愛らしく見えますが、希望通りにエサをあげるのは程々にしましょう。

食事は決まったリズムを守る方が、金魚は長生きします。

金魚はもらえる限りはいくらでもエサを食べます。

五分くらいを目安にして与えすぎに気をつけましょう。

食べきれなかったエサは水に溶けてしまい、水質を低下させて金魚の健康に関わります。

またあまりにも水面で口を開く行為が目立つなら、エサではなく酸素を求めている可能性があります。

水面近くは酸素濃度が高く、それを取り込むための応急処置である場合があります。

もし動きに不自然な点が見られたら、速やかに水槽内の環境を見直してください。

必要ならばエアーレーションや水換えをして、金魚の酸欠対策を行いましょう。

発情期

金魚を一つの水槽で複数飼育している場合、泳いで追いかけるような行動をすることがあります。

追いかけられているのがメス、追っている方がオスな場合、発情による繁殖行動が考えられます。

オスの求愛があまりに激しくメスが疲弊しているようなら、怪我をしないうちに一度金魚を隔離することも考えてみてください。

また単純に、攻撃的な金魚が縄張り争いをしていることもあります。

飼育している数に対して水槽が小さすぎると、ストレスによって別の金魚を追いかけ回すこともあります。

気性の荒い性格の金魚がいる場合、普段から注意して観察し、仲良くできないようなら分けて飼うようにしましょう。

病気の前兆

普段とは違う動きを続けたり、おかしな行動が頻繁に起きるとき、病気を疑う必要があります。

少しでも変だと思ったら、時間をかけて金魚の行動を見直してみてください。

体を水槽のあちこちに擦り付けたり、痙攣したりはしていませんか。

いずれにせよ、長時間の異常があるなら何か対策を考える必要があるでしょう。

あまりにも暴れる頻度が多い場合、飛び出していかないように水槽に蓋をしたり、金魚の体を傷つけそうなものを取り除いたりことも忘れないようにしてください。

動きの他にも、金魚の体そのものに異変がないかどうかもチェックしましょう。

鱗や鰓に飼った頃と比べて何かおかしい部分はありませんか。

効果的な治療を行うためにも、普段から正確に金魚の症状を把握するよう努めてください。

寄生虫の仕業

飼育環境が悪いと、水道水を使用していても水槽内に寄生虫が生息してしまい、金魚の体内に侵入してしまう可能性があります。

動きに異常があり、金魚の体に見慣れない色や物体が付着していれば寄生虫による被害を疑いましょう。

放置していては命に関わることも考えられるので、寄生虫の存在を確認したら速やかに投薬での治療と水質の改善に全力を尽くしてください。

その場合、自己判断に頼らず、できるなら専門家へ相談しましょう。

また、寄生虫がどこから侵入したのかを知っておく必要もあります。

エサや水草、新しく飼った他の金魚など、何か心当たりがあるのならすぐに対策をとって、先の被害を防いでください。

毎日の観察で、金魚へ素早い対策を

金魚の美しい姿は見るだけでもうっとりとしてしまい、飼い主として至福の時間とも言えます。

動き回る様子も絵になるでしょう。

ですが、その動きには理由があり、ことによっては金魚からのサインである可能性もあります。

ただなんとなく見ているだけでなく、日頃からしっかりと観察し、金魚の健康管理に注意を向けるようにしましょう。

環境維持と早めの治療ができれば、金魚は長い時間あなたと一緒に過ごしてくれます。