金魚のオスとメスを見分ける方法は、慣れないとなかなか難しいものがあります。
メダカなどは、ヒレの形その他で簡単に判別がつきますが、金魚はそうもいきません。
素人の方が普通に金魚を飼う分には、あまりオスメスを区別する必要もないかと思います。
しかし、これから産卵や繁殖をさせてみたいと考えている人などにとってはまずはオスメスの区別をつけられるようになることが、最低限必要となります。
そこで、今回は金魚のオスとメスを判別する方法をまとめてみました。
追星で判断する
これが初心者にとっては、一番オスメスの判別がしやすい方法ではないでしょうか。
2歳以上の金魚のオスは発情期になると、「追星」と呼ばれる白い突起状の点々が現れます。
追い星はエラぶたや胸びれの前側に現われ、一見すると白点病などと間違えそうにもなります。
しかし追星は同じ場所に出てきますので、一度その出方を見れば白点病とは明らかに違うことがすぐにわかります。
寒い冬が終わって春になると、金魚は水温の上昇によって春そして産卵期の訪れを感じ、オスは発情し追星が現れます。
室内でヒーターをつけて飼っていると、一年中水温が一定なので金魚は発情せず、産卵もしないと言われています。
したがってこの場合は追星も現れてこないので、こうした飼育環境下では追星によるオスメス判別はできないことになります。
ですので、この追星によって判別するためには、しっかりと冬の寒さを経験させなければならない、ということになります。
お尻の穴で判断する
見慣れないとなかなか難しいのですが、お尻の穴(排泄口)の形や大きさなどで判断する方法があります。
まずオスのお尻の穴は少し縦長で細長いような形をしていて、大きさはメスに比べると少し小さく、あまり出っ張っていません。
メスのお尻の穴はオスに比べると丸くて大きく、そして少し出っ張っているような感じです。
オスとメスを並べて見比べて見るのが、一番わかりやすいかと思いますが、別々に見て判断するには、やはりある程度の慣れは必要です。
この判別方法は、追星などと違って季節に関係なく判別できるので、どうしてもオスとメスを見極めたい場合には有効な方法です。
このため金魚の繁殖に従事している人などは、ほぼこの方法で判別しています。
おそらく慣れないと見てもよくわからないと思うので、まずは追星などで確実にオスメスの区別をつけてから両者のお尻の穴の違いを観察するのが、一番わかりやすいと思います。
ちなみにその場合、同じ種類の金魚で見ないとわかりにくいのは言うまでもありません。
お腹を押してみる
これは金魚の扱いになれたベテラン飼育者レベルの判別方法です。
金魚を捕まえて下腹部を軽く押してみると、オスの場合は産卵期だと白い精液が出てきたりします。
メスの場合はお尻の穴から卵管が見えてきたり、抱えている卵が出てきたりします。
あと、押した感触で柔らかい感じがメスで、ちょっと硬い感じがするのがオスとも言われます。
ここまでくるとプロやベテランの域に達する人でないと、ちょっと難しいのではという感じです。
素人レベルでいきなりここまでやって、オスメスを判別する必要もありませんし、力加減もわからない状態でお腹を押したりするのは危険です。
なので、よほど経験があるとか自信があるとかいう人以外は、やらない方がオススメです。
お腹を見る
メスは産卵期になると、お腹がふっくらと膨らんできます。
それから、メスは全体的にオスより身体もお腹も大きめと言われます。
ただし必ずしもこの限りではなく、単に太っているケースもあるので、一概には言い切れません。
しかし産卵期に入って、何となく今までよりお腹が大きくなった、という場合はメスの可能性が高いかもしれません。
オスがメスを追い掛け回す
発情期にはオスがメスを執拗に追い掛け回したりするので、そうした行動を観察していると大体の見当はつけられます。
ただしこれも、これで100%決まりとは言いかねるので、追星の確認なども含め、最終的には他の方法で確認するのが確実です。
知っている人に聞く
ご近所や知り合いに金魚について詳しい人がいれば、その人に見てもらうといいでしょう。
オスなのかメスなのかもわかりますし、せっかくですからオスメスの見分け方を直接伝授してもらえば一石二鳥です。
知り合いにそういう人がいなければ、例えばペットショップで金魚に詳しい人を捕まえて聞いてみるのもひとつの手です。
いずれにせよ、実際の金魚を見ながら詳しい人に教えてもらうのが、一番手っ取り早くて簡単で確実な方法です。
金魚のオスとメスを把握して飼育を楽しくしよう
金魚のオスメスの見分け方は以外と難しく、簡単にはわかりにくいというのが現実ではないでしょうか。
しかし、よーく観察して何度も見ていると、少しずつわかってくるものでもあります。
オスとメスの違いがわかってくれば、卵を産ませて稚魚を育てるという、一段上の楽しみ方もできるようになります。
せっかく金魚を飼っているのですから、少しでも金魚について知識を深めたいところですよね。
そうすることで、今よりずっと金魚の飼育の幅も広がりますし、より飼育も楽しくなっていくのではないでしょうか。