コメット

金魚すくいに行くと、稀にコメットを見かける事があります。

流金の様な長い尾びれと、コイの様な鮮やかな体色は是非手に入れたいと思う価値のある魚です。

しかし、和金や流金などといった一般的な金魚ならばいざ知らず、コメットは金魚の中では中々馴染みが少ないタイプになるでしょう。

一体どうやって育てていけばいいのか、不安になりますよね。

そんな方の為に、コメットの飼育のポイント、値段、寿命についてご紹介します。

水作りをしっかり行う

コメットは金魚の仲間です。

故に身体が丈夫で飼育もし易く、初心者向けの魚だと言えます。

しっかりとした機材や知識が無くても飼えますが、その手軽さゆえに基本的な作業を怠ってしまうと、いくら丈夫なコメットでも弱らせてしまいますし、最悪死んでしまいます。

水作りをする際、水道水を用いるならばカルキ抜きを施すのは元より、バクテリアを繁殖させることは必須になります。

1~2週間は魚を入れずに空の水槽でろ過フィルターを循環させ、魚が住める環境を作りましょう。

丈夫だからと言って手を抜くと、折角のコメットを駄目にしてしまいます。

水合わせもしっかりと行う

これも水槽で魚を飼う場合の基本的作業になりますが、水合わせをしっかり行う事が大切です。

コメットは水質の悪化や水温変化に比較的強い魚ですが、いきなり水温・水質の違う環境に放り込んではいけません。

コメットを購入したら、まず袋のまま水槽に浮かべて1~2時間は放置しておきます。

そうして袋の水と水槽の水の温度が同じ位になったら、今度は袋の中に水槽の水を少しずつ入れていきます。

袋の水を3~4分の1程捨てて、水槽の水を足す、という作業を10~30分毎に行ってください。

袋の中の水が、水槽の水とほとんど同じくらいの水温水質になってからコメットを投入します。

面倒くさいと思う方もいるかもしれませんが、魚にとって3℃の温度差は、人間にとっての10℃に相当する変化だと言われています。

人間でもいきなり20~30℃も気温が違う場所に放り込まれたら大変ですよね。

水合わせはコメットを飼育するために重要なポイントだと思って間違いありません。

コメットは和金との混泳はさせない

同じ金魚同士であれば混泳させても大丈夫だと思う方も多いと思いますが、実は金魚同士にも相性の良し悪しがあり、それによっては混泳出来ない場合もあります。

コメットの長い尾びれは品種改良によって得られたものなので、素早く泳ぐことを苦手とします。

それに対して和金はフナに最も近い品種なので、ヒレも固く、動きも早い傾向にあり、一緒の水槽で飼育するとコメットを傷つけてしまう可能性が高いです。

同じような尾びれを持つ流金ならば混泳は可能ですが、その場合は逆にコメットが流金を傷つけてしまう事もありますので、十分注意してください。

違う種類の金魚とコメットを混泳させれば水槽内がより一層華やかになりますが、コメットの事を考えれば、コメット同士で飼育した方が無難でしょう。

最初は小型水槽でコメットを飼育する

魚は大きな水槽で飼育した方が良さそうだと思われるかもしれませんが、コメットなら最初は小型水槽で飼育を始めた方が良いです。

確かに大きな水槽で飼育をした方が魚に余計なストレスを与えないのですが、コメットは水槽に合わせて大きくなる魚です。

そのため最初から大きな水槽で飼育すると、あっという間に大きくなって、もっと大きな水槽で飼育しなければならなくなります。

最初は30㎝水槽で飼育を開始して、大きくなったら60㎝水槽に移行する、という形で飼育すれば大きくなり過ぎる事はありません。

また、急激に大きくなったコメットは身体が弱くなりやすいので、それを防ぐ為にも最初は小型水槽で飼育を始めると良いでしょう。

コメットの値段と寿命

コメットは金魚の中では比較的安価な部類に入ります。

小型のコメットであれば200円前後、安くて100円から、高くても300円程度が相場です。

しかし、大型の個体や質の良い質の良い個体になりますと、1,000円前後するものもあります。

またコメットを飼育する上で大切な寿命の話なのですが、コメットの平均寿命は大よそ7~8年と言われています。

ですが、元々は和金同様に丈夫で長寿な金魚ですので、上手いこと飼育をすれば10~20年以上生きる事も珍しくはありません。

ギネスでの最高記録では43年生きたコメットがいるそうですので、飼育次第ではかなり長生きする事が伺えます。

きちんとした環境と知識さえあれば、少なくとも10年以上は生きる魚であると言う事を踏まえた上で飼うようにしましょう。

コメットは丈夫だけど大切に飼育することが大切

コメットは金魚の中でも和金系の魚に当たりますので、他の金魚と比べても飼育がし易く、非常に丈夫で長生きする魚です。

しかし、コメットを飼っていたら短期間で死んでしまった、という声もよく聞きます。

コメットはその飼育の安易さから、ずさんに扱われることも多いので、弱った個体を飼ってしまう事が多いです。

ですが、きちんとした知識を持って、健康な個体を育てれば、上記したようにコメットはとても長生きですので、あなたと生涯付き合えるペットとなる事でしょう。