丹頂は流金と同じく、美しさと飼育のしやすさを両立した金魚として人気があります。
縁日でおなじみの和金は、飼いやすい金魚の代表格と言えます。
一方らんちゅうという品種は、その独特の美しさから金魚愛好家の方々に人気ですが、飼育は上級者向けであると言えます。
以下に、丹頂ならではの魅力と、飼育する上での注意点をご紹介します。
人懐っこい性格
環境を整えて世話をすれば、すぐに懐いてくれる品種の一つです。
泳ぎ方はらんちゅうなどの丸い品種より速く、和金などのフナ型の品種より遅いです。
人慣れしてくると、絹がゆったり流れていくような、丹頂独特の泳ぎ方で近寄ってきてくれます。
複数の金魚を飼っているとケンカが起きることがありますが、丹頂は同型で同じくらいの大きさの金魚であればケンカすることはほぼないと言ってよいでしょう。
春秋の繁殖期にはオスがメスを追いかけることがあります。
大きめの水槽で数匹の丹頂を飼うと、群れを作って泳ぐ姿が見れます。
観賞魚としての丹頂
名前の由来が丹頂鶴であるように、頭部の赤、胴体の白の二色のコントラストが美しい品種です。
また、顔や体型が丸みを帯びているので、「可愛らしい」と評されることもあります。
丹頂の一番の特徴としては、頭部の赤い肉瘤があります。
大きく、より濃い赤色であることが美しい丹頂の特徴です。
品評会に出される丹頂は瘤の色や形がしっかりしていて、全体のバランスが良い個体が出されます。
胴体の白は真珠のような柔らかい白色のため、赤い色をより引き立たせています。
このため、上から眺めて良いのはもちろんのこと、横からの眺めも美しい品種です。
水槽に緑の濃い水草や、流木などの暗い色のアクアインテリアを置くと、さらに丹頂の色が映えます。
混泳について
まず、和金やコメットなどの、泳ぎの速い金魚との混泳は避けてください。
エサを与えたときに素早い金魚にほとんどのエサをとられてしまう他、いじめられて尾やヒレが欠けてしまうことがあります。
また、和金と並び、金魚の代表となっているのが流金です。
ペットショップの観賞魚コーナーにはほぼ必ずいる品種です。
和金の突然変異が品種の起源で、ヨット型の体が特徴です。
丹頂と流金の混泳につて問題があるかどうかは意見が分かれるところです。
全く問題ない場合もあれば、個人宅で使われるようなやや小ぶりの水槽では流金が丹頂をいじめてしまう例もあります。
流金は和金ほどではありませんが、縄張り意識が強い個体が多いので、混泳させる場合は、大きめの水槽に飼う、または一度同じ水槽に入れてみて、ケンカをするようであれば別々の水槽に分けて飼う方が無難です。
一方で、出目金や頂点眼、水泡眼といった体形が特徴的な金魚はエサを食べるのが下手なので、丹頂と同じ水槽に入れた場合、丹頂がエサを独占してしまうことがあります。
別品種の中で丹頂と混泳しても問題ないのは、体系が似ているオランダ獅子頭や青文魚、もしくは丹頂より大きすぎない小ぶりの流金でしょう。
初めて丹頂を飼う場合
他の金魚にも言えることですが、新しく手に入れた丹頂をそのまま家の水槽に入れることは避けてください。
水質や水温が違う水槽にいきなり入れられると金魚が弱ってしまうだけでなく、外からの水が原因で病原菌が持ち込まれてしまいます。
新しい金魚は別の容器に移し、水槽の水を加えて古い水を捨てるといったことを少しずつ繰り返して新しい環境に慣れさせてください。
水槽に金魚を入れるときは、直に手で触るよりも金魚用のネットを使うと負担を減らせます。
また、エサは浮遊性、沈殿性のどちらでもよいです。
浮遊性は食べ残しを取り除きやすく、水質が悪くなるのを遅らせることができます。
沈殿性はエサを食べるのが下手な個体でも食べやすいものが多いです。
最近は金魚のエサの種類も増えており、肉瘤が発達しやすいもの、発色が良くなるものなど様々な種類があります。
複数の種類のエサを組み合わせたり、飼っている丹頂に合わせてエサを選ぶこともできます。
外見、性格、入手のしやすさが魅力の丹頂
丹頂の魅力についてまとめましたが、泳いでいる姿を実際に見たいという方は、近くのペットショップか観賞魚の販売店を覗いてみてください。
最近は金魚のコーナーをある程度確保しているところであれば、ほぼ必ずいる金魚の一つになってきました。
どのように飼っていいか分からないという方は、店員さんに積極的に聞いてみてください。
最近ではインターネットや本にとても詳しい飼育方法が書かれています。
また、より良い丹頂や丹頂をとりいれたアクアリウムに興味がある方は、品評会や金魚の展示会をご覧になるとよいでしょう。
金魚好きの交流会もインターネット上で様々なものがあるので、美しい丹頂の特徴や、丹頂ならではの楽しみ方を学ぶことができます。