金魚は生き物ですから、元気がないときもあります。
そんなときは、水槽の水底でじっとしています。
何故じっとしているのか、早めに対処してあげることで、もしかしたら寿命を延ばすことができるかもしれません。
そこで今回は、金魚が水槽の底で動かない時に考えられる理由をご紹介します。
転覆病
転覆病は文字通り、金魚がお腹を上にあげて、逆さまになってしまう病気ですが、それだけではなく、沈没してしまうタイプの転覆病もあります。
いずれも浮袋の機能障害で、先天性のもの、消化不良が原因のもの、肥満が原因のもの、ウィルス感染によるものなど、色々な原因が考えられます。
今のところ、これが絶対という治療薬はありません。
消化器が原因で、病気が初期の段階なら、水温を25度から28度に上げて、二、三日絶食させると改善することがあります。
0.5%の塩水浴も一緒に行うと効果的です。
0.5%というのは金魚の浸透圧のことで、体の外側と内側の圧力の差をなくして、金魚にスレレスを与えないようにします。
適当に塩を入れると効果が半減します。
病気の初期症状
金魚の病気で起こりやすいのは白点病、水カビ病、尾ぐされ病、口ぐされ病、松かさ病などです。
いずれも細菌が原因で、身体の各部に症状が現れます。
完全な病的な状態になれば、誰が見てもわかるのですが、病気が現れない初期の段階では、なんとなく元気がないという感じです。
そんなときは体力が低下しているので、水槽の水底でじっとしていることもあります。
病気を治そうと思ったら、このタイミングで対処することが大切です。
病気の判別がついてからでは、治すことが難しくなります。
いずれの病気も原因は同じで、水質の悪化と、魚の体力低下、病原菌です。
ですから、まず水替え、そして水槽を清潔にして0.5%の塩水浴を行います。
同時にヒーターを使って20度以上に加熱し、金魚の代謝を高めましょう。
それでも体調が好転しないときは、症状が出始めるまで待って、病気に合った薬を投入します。
水質が悪化しているかもしれません
ぱっと見、水が汚れていなくても、金魚の排泄物と食べ残しのエサによって、水質が悪化していることが考えられます。
有害物質のアンモニアや亜硝酸が増えてくると、金魚は水槽の底で動かなくなりじっとしています。
そのままにしておくと、命の危険につながりますから、速やかに水替えを行ってください。
とはいえ、有害物質が発生していたとしても、見た目は透明の水のままですから、原因を特定するためにはまず市販の試薬を使って濃度を測定する必要があります。
やり方は簡単です。
飼育水を試験管にとり、試薬を入れ、20分ほど待つと、飼育水に色がつきます。
それをカラーチャートに合わせてみて、最も近い色の値を読み取れば良いのです。
アンモニアは0.25mg/lから、亜硝酸は3.3mg/lから、金魚に弊害が生じます。
原因は色々考えられますが、最も多いのは、ろ過バクテリアの不足でしょう。
生物ろ過がきちんと行われている水槽では、アンモニアは毒性の弱い亜硝酸に変えられ、最終的にはほぼ無害の硝酸塩になります。
アンモニアや亜硝酸が検出されたら、ろ過がうまく働いていないと考えなくてはいけません。
一時的な水替えだけではなく、根本的な飼育の見直しが必要になります。
ろ過の方式、水槽の大きさ、金魚の数、フードの与え方を検討してください。
もっとも、水槽のセット直後は毒物が検出されやすい状態です。
正しい判断をするためには、三週間待たなくてはいけません。
全く新しい水槽、新しい水、買ったばかりの砂、そういう状態から始めるときは市販のろ過バクテリアを入れると良いでしょう。
老化
金魚は5歳を超える頃から、だんだんと動きが少なくなります。
これは加齢によるものなので見守るしかありません。
体色が鈍くなり、そのうち水底でじっとしていることが多くなります。
金魚の飼い方の本には10年は生きると書いてあることが多いのですが、全ての金魚が10年生きられるわけではなく、その魚の持っている資質によるものが大きいと思われます。
浮袋の機能が落ちてしまった魚はエサを食べに水面まで上がってくることができないので、早めに沈むタイプのフードに切り替えましょう。
エサを食べる量も少なくなります。
気温が10度以下なら冬越し
金魚は変温動物ですから、温度によって動きや食欲が変わります。
気温が10度以下になると、金魚は代謝が低下し、冬越しの省エネモードに入っていきます。
水温が5度以下になると、金魚はほとんど動かなくなり、水槽の底の方でじっとしています。
エサも食べません。
室内で飼育している場合でも、エアコンや暖房が切れている早朝や夜間は、金魚が冬越しの状態になっていることが考えられます。
昼間の水温の上昇と夜間の冷え込みによる温度差が金魚のストレスになるので、冬場はヒーターを入れてください。
温度設定は熱帯魚より低めの15度から20度で大丈夫です。
金魚がじっとしている理由を見つけよう
金魚にも個性があって、水槽の中を元気に泳ぎ回るのが好きというのもいれば、実は水底でじっとしているのが好きという大人しいのもいます。
もし後者のタイプだったら、金魚の好きにさせてあげましょう。
泳ぎ回らなくても、それはそれで可愛いものです。