金魚は美しい姿をもち、見ているだけでも十分心躍るペットです。
ですが飼い主として世話をしていると、なついてほしいという願望が出てきてしまうでしょう。
人間とはまったく別の生活スタイルを要する金魚ですが、なつかせる方法はあるのでしょうか。
飼い主の手でエサをあげる
金魚の世話を長く続けていると、オートフィーダーによる自動エサやりは便利な存在になると思います。
長期間家を空けなくてはならないときや、体調不良の際には飼い主にとって非常に助かるでしょう。
ですが、できるなら普段のエサやりは、飼い主の手で直接行うようにしましょう。
金魚にとって食事のタイミングとは、水槽の外で生活している飼い主との数少ない接触の時間になります。
その食事をオートフィーダーに任せっぱなしになると、金魚は飼い主の存在を忘れ、なつくことは難しくなります。
一日一回、数分でもいいので、まずは金魚のためだけに使う時間を確保してみましょう。
手を使ってのコミュニケーションは、金魚にとっても温かみが伝わる大事な時間になりえます。
水槽を軽く叩いて気づかせる
金魚は繊細で外からの刺激に敏感な生きものです。
飼い始めは静かな場所に移し、できるだけ安心させてあげる必要があります。
そこからある程度時間がたち、新しい生活に順応していると思えたら、今度は水槽を軽くタップしてこちらの存在を伝えてみましょう。
危害を加える意思がないことをわかってもらえれば、金魚はよりのびのびとした生活ができるようになります。
このとき注意してほしいのが、水槽を強く叩きすぎたり、頻繁に叩いて金魚を驚かせたりしないようにしましょう。
金魚には側線という音を感知する器官があり、あまりに強い衝撃は負担となってしまいます。
あくまで軽いタップを心がけましょう。
エサやりと併用すれば、金魚はよりあなたの存在を覚えやすくなり、なついてくれるようになるはずです。
ライトをつけて光でアピール
水槽内を照らすため、常時ライトをつけて明るくしている飼い主の方もいるでしょう。
金魚は光がなくても生きることはできますが、日光浴をさせたり夜になったら水槽をライトアップして飾ることも飼育の楽しみの一つです。
今後はそれに加えて、ライトの光をエサやりや飼い主の帰宅時と関連させてみてください。
ライトがつくタイミングには近くに人間がいる、という図式を金魚に植え付ければ、水槽に近づいてコミュニケーションをとりやすくなります。
光の刺激は多少なりとも金魚のストレスになりえるので、体調や性格を把握し、金魚にとって害となるようなら控えるようにしてください。
金魚には個体差があるので、その金魚にとって一番いい方法で接することが重要となります。
その金魚にとって光の発生が意味あることになるなら、より親しみを持って接してくれるようになるでしょう。
声をかけながら近づく
金魚にとって外界は未知の世界です。
水槽の外から突然やってくるものは恐怖の対象となることもあります。
飼い主とはいえ、いきなり手をつっこんだり、走って水槽に近づいたりしては金魚の信頼を得ることは難しいでしょう。
金魚との距離を縮めるためには、声をかけることを習慣としてみましょう。
水槽に近づく前には必ず一声かけ、金魚に身構える時間を与えてからにするとよいでしょう。
あなたの声が危険とは無関係であることを学習すれば、金魚の警戒心も徐々に解け、心を開いてくれるようになります。
犬や猫と違い、金魚は鳴き声を出して意思を伝えることはありません。
なのでつい忘れがちですが、声による接触はお互いの存在を確かめ合うために必要なツールとなります。
積極的に声をかけることで仲良くなっていくのは、金魚相手でも人間相手でも同じことです。
時間をかけて根気よく接する
人間から見た金魚は小さく、かわいがってあげたくなるような存在です。
しかし反対に金魚から人間を見れば、何が何だかわからないほど巨大で未知数な存在となります。
まったく別の生活様式を持つ人間と金魚がわかりあい、なついてもらうためには、長い時間と人間の根気が必要となることを覚えておいてください。
私たちはつい自分の都合ばかりを考え、すぐになついてくれないペットに不満を感じます。
ですがそこは金魚の側に立ち、どうしてなつかないのかを真剣に考えてみましょう。
金魚にとって危険がなく、安心して暮らせる環境を作って維持することが、金魚の信頼を得るための一番の近道であることがわかるはずです。
そしてその信頼を金魚が理解してくれるには時間がかかります。
なついてもらうために世話をするのもいいですが、まずは何よりも目の前にいる金魚に全力を尽くしましょう。
金魚になついてもらう方法として、時間をかけるというのは、基本であり一番大事なことです。
金魚との信頼関係は、毎日の積み重ねによって生まれる
毎日エサをやり、水槽の掃除をし、水温や体調管理に気を配る。
金魚を飼うことは思っていたよりも大変です。
ですがその積み重ねは、間違いなく金魚に伝わり、信頼関係を少しずつ構築していきます。
金魚になついてもらう方法とは、少しつずつの工夫と、長い時間が何よりも近道となるでしょう。