出目金は、日本では最もよく知られている金魚の品種の1つです。
その名のとおり、眼球が大きく飛び出した、独特の風貌が最大の特徴です。
頭を振りながら泳ぐ、可愛らしい姿が人気です。
今回はそんな出目金の特徴についてご紹介します。
出目金の体型、外見について
出目金の体型は、日本では一般的な金魚の一種であるリュウキンとよく似ています。
これは出目金が、病的変異により眼球が飛び出たリュウキンを元にして作られた品種であることと関係があります。
そのため、体型や性格にも、リュウキンと共通した部分が多くなっています。
出目金もリュウキンと同じように、胴体が膨らんだ丸い体型をしています。
尾びれの形も、三つ尾、四つ尾などの、リュウキンによく見られる形をしています。
身体の色は、赤、黒、2色の更紗、三色のキャリコなどが一般的です。
特にサンショク出目金の登場は、その後の金魚の新品種の開発に、大きな影響を与えました。
性格はおっとりしていて、泳ぎ方もワキンなどと比べるとゆったりと優雅です。
出目金特有の眼球は、生まれてすぐの頃はあまり目立ちません。
生後数ヶ月経った頃から、成長とともに徐々に突出し始めます。
成長後の身体の大きさは、最大で18cm程度になることもあります。
出目金の歴史
出目金の誕生した時期ははっきりとは分かっていませんが、日本へ輸入されたのは明治時代のことです。
中国で生まれた最初の出目金は、赤いリュウキンから作られたアカ出目金でした。
その後、更なる突然変異によってクロ出目金、サンショク出目金なども誕生しました。
サンショク出目金はキャリコ出目金とも呼ばれ、三色のキャリコ模様を持った最初の品種となりました。
このサンショク出目金を交配に使い、朱文金、キャリコ琉金、東錦などのキャリコ模様の品種が次々と作られました。
更に東錦とらんちゅうの交配により、三色のらんちゅうである江戸錦が作られました。
朱文金からは、ハート型の尾びれを持ったブリストル朱文金などの新品種が作られています。
サンショク出目金の登場は、金魚の歴史を語る上での、まさに革命となったのでした。
また出目金からは、飛び出した眼球が頭の真上を向き、背びれのなくなったチョウテンガンという品種も誕生しました。
しかし、こちらは出目金やリュウキンのように、近所のペットショップで気軽に購入できるほどには流通していません。
出目金の入手方法
出目金は、金魚を扱うペットショップやホームセンターなどで、容易に入手することのできる品種の1つです。
大きく立派に成長した個体はそれなりに高価ですが、小さな子供の出目金なら、1匹数百円程度で購入できます。
また屋台の金魚すくいのプールにも、沢山の小さなワキンに混じってクロ出目金が泳いでいることがあります。
この場合は、ペットショップより更に安く手に入れることができます。
ただし金魚すくい用の金魚は、ペットショップなどに出荷される前の選別ではねられた金魚がほとんどです。
そのため、同じ出目金でも、先祖返りしてワキン体型になったものなどが含まれる場合があります。
出目金らしい出目金を確実に入手したいなら、ペットショップで購入することをオススメします。
出目金の飼育方法と注意
出目金の飼育方法は、基本的には一般的な金魚と同じです。
水槽は、一般的な金魚を飼う場合に使用する60cm水槽などが良いでしょう。
飼育用の水は、水道水をそのまま使用することは避けます。
ペットショップなどで市販されているカルキ抜きを溶かし、塩素を中和してから使用しましょう。
エサは、春から秋には1日2~4回ほど、冬は1~2日に1回程度与えます。
1回のエサの量は、2~3分で食べ終わるくらいを目安にしましょう。
水質の悪化を防ぐために、残ったエサは必ず取り出すようにすることも大切です。
出目金ならではの注意点としては、その特徴である眼球を傷付けないことです。
網ですくう時などには、特に注意してください。
金魚は全体的に、あまり視力が良くありません。
そのため、エサとおぼしき物を見付けると、突いてみたり口に入れてみたりして、食べられるものかどうかを判断します。
金魚を飼育した経験のある方なら、金魚が自分の糞を口に入れて、また吐きだす姿を見たことがあるでしょう。
出目金はそんな金魚の中でも、特に視力が良くありません。
ほとんど、目は見えていないと考えて良いでしょう。
そのため他の金魚より、エサを見つけることが苦手です。
ですから和金やコメットのように、細長く泳ぎの速い金魚と一緒に飼育すると、エサが充分に食べられず、弱って死んでしまうことがあります。
他の種類の金魚に、飛び出た目玉を突かれることもあります。
出目金は、可能な限り出目金だけで飼育しましょう。
また、水槽の中もできるだけシンプルにして、目をぶつける危険性のある飾りなどは極力排除することをオススメします。
出目金の寿命とかかりやすい病気
出目金の寿命は約5~6年です。
ワキンの寿命が8~15年程度と言われているので、それより若干短めです。
しかし、10年以上生きたという記録もあります。
飼育環境が大きく影響すると言えるでしょう。
出目金は比較的身体の丈夫な品種ではありますが、水質の変化や急激な水温の変化などの影響により、白点病、白雲病などの病気にかかることがあります。
また、ウオジラミ、イカリムシなどの寄生虫による病気や、水カビ病、カラムナリス病などの感染症にかかることもあります。
もしこれらの病気にかかってしまった場合は、専用の治療薬を規定量投薬します。
病気の予防のためには、日頃からの水質の管理と、新しい個体を入れる時に感染症や寄生虫を持っていないか注意することが大切です。
出目金の特徴を知ろう
金魚すくいのクロ出目金が、比較的すぐに死んでしまうことが多いため、「出目金は弱くて、すぐに死んでしまう」と思われている方もいます。
これは、出目金自体が弱いというより、ワキンと混泳させていることによるストレスによるものがほとんどです。
個性的な容貌が人気の出目金ですが、同じようにポピュラーで人気の高い和金やリュウキンに比べると、少々デリケートな品種と考えて間違いはないでしょう。
しかし、穏やかな性格で、人間にも良く慣れる品種です。
飼い主が愛情を持って大切に飼育すれば、ちゃんと飼い主に懐いて、可愛らしい姿を見せてくれるようになります。
少しでも、元気に長生きさせてあげたいですね。