夏祭りの金魚すくいや学校での飼育など、どこかで私たちの生活に関わりがあることの多いのが金魚です。
しかし「金魚」と一概に言っても、その種類は100種類とも言われています。
種類の特徴によって飼育方法が変わってきますので、今回は「コメット」の特徴をご紹介していきます。
コメットとはどういった金魚か
コメットは、アメリカに輸出された日本の琉金(丸い体に長い尾の金魚)が突然変異を起こし、淘汰の過程でフナと交雑して誕生した品種であると言われています。
そのためアメリカ産の金魚ということになります。
体型はフナに近い胴長の「和金型」に属していますが、元になった琉金の長い尾も受け継いでいます。
そのスマートな体と尾で俊敏に泳ぎ回る様子が彗星に似ていることから「コメット(彗星)」と名付けられたと言われています。
体色は多くは紅白模様の更紗ですが、まれに黄色の個体も存在しています。
コメットの入手方法
コメットは一般的に流通されている品種になりますので、ほとんどの金魚屋で購入することができます。
値段は300円から500円程度になります。
大型の個体や珍しい体色の個体になりますと1,000円を超えてきます。
購入する際の選び方は、元気に泳ぎ回っている個体が好ましいです。
水槽の隅でじっとしている個体は弱りかけています。
また元気な個体がいたとしても、同じ水槽に白い斑点がうろこに浮かび上がっている個体がいる場合は、その水槽での購入は避けましょう。
なぜなら、一匹病気に罹っている個体がいる場合、元気に見える個体も感染している可能性があるからです。
コメットを飼育する上での注意事項
コメットの泳ぎはとても俊敏なため、飼育する上でいくつか注意点があります。
まずは水槽です。
金魚は金魚鉢で泳いでいるイメージがありますが、コメットの場合ですと、泳ぎの勢いが余って金魚鉢から飛び出してしまうことがあります。
そのためコメットを飼育する際は、ふたの付いた水槽で泳がせることをオススメします。
次に同じ水槽で複数匹の金魚を飼育する場合です。
コメットは素早く泳ぐ品種になりますので、らんちゅうや琉金のようなゆっくり泳ぐ品種と一緒に飼育することは避けたほうが良いです。
これはらんちゅうたちがエサにありつく前にコメットがエサを食べてしまい、全ての金魚にエサが平等に行き届かないことがあるためです。
また泳ぐスピードが異なると金魚同士がぶつかってしまい、怪我を負い、弱っていく可能性が高くなります。
そのため同じ水槽で複数匹飼育する場合は、コメットのみにするか、コメットと泳ぐペースが近い「和金型」の品種で混浴させるのが良いとされています。
コメットの飼育方法
コメットは基本的に丈夫な品種とされており、適切な飼育下であれば10年は生きると言われています。
適切な飼育とは以下の通りとなります。
・水道水のカルキを抜いた水で、定期的に水換えを行うこと
・フィルターを入れて水槽内のろ過をすること
・エアポンプで水槽内の酸素量を適量にしておくこと
・金魚をあまり入れすぎないこと
・エサは1日2回、量は4分以内に食べられる量を入れること
・毎日金魚の様子や機材の調子を観察すること
以上が飼育方法のまとめとなります。
準備する機材が多いかと思われますが、最近では水槽と必要機材がセットで販売されていますので、揃えることは大変ではありません。
コメットの体色管理
コメットの体色は更紗と呼ばれる紅白模様が特徴的です。
しかし、日の当たらない場所で飼育してしまうと赤色の部分が薄くなり、橙色に変色していくことがあります。
日の当たる場所で飼育すれば変色は防げるのですが、夏場になりますと水槽内の水温が上がってしまい、金魚がくたびれてしまいます。
そのため最近では、アスタキサンチンを含むエサを与えることで赤色を保つ方法があります。
アスタキサンチンとは、カニなどの甲殻類や魚類に多く含まれる天然の赤色色素のことです。
金魚は自身でアスタキサンチンを作り出すことはできませんが、体表に蓄えることはできます。
そのためアスタキサンチンが含まれるエサを摂取することで、体色の赤色を保つことができます。
またアスタキサンチンが含まれるエサは一般的に販売されていますので、購入は困難ではありません。
コメットの特徴を知ろう
コメットは私たちになじみ深い金魚ですが、その飼育方法は奥深いものといえます。
やはり生き物を育てるということは容易ではないということでしょうか。
けれども大切に育てていき、その結果コメットが大きく成長し、鮮やかな更紗で優雅に元気に泳ぐ姿を見られたときは、その喜びや感慨深さはより一層深まることでしょう。
金魚は犬や猫と違い鳴き声を出せず、直接触れ合うことはできません。
そのため毎日の様子観察がとても重要になっていきます。
何か変わった様子があれば、その都度対処していき、1日でも長く飼っている金魚が長生きできるよう心掛けていきましょう。