縁日などではお馴染みの金魚は観賞魚の代名詞的な存在です。
金魚すくい等で取ってきた金魚を飼育したいという方もいれば、普通に熱帯魚ショップなどで購入してくる方もいるでしょう。
何事も初めが肝心で、金魚が我が家にやってきた日には気を付けなければならないポイントが幾つかあります。
そこで今回は金魚を迎え入れる際のポイントをご紹介します。
金魚をタライ等の容器に入れておく
まずは水槽に入れる前にタライ等の不透明な容器に入れて暫く置いておくようにします。
特に金魚すくいで入手した金魚は、出店の桶の中でたくさんの金魚と共にぎゅうぎゅう詰めにされていたり、小さなビニール袋に入れられて長時間持ち歩かれたりしています。
この状態のまま水槽に入れてしまうと、新しい環境に馴染めずに体調を壊してしまうことが多いです。
ですからまずは金魚が落ち着くまで、周囲からは見えない不透明な桶やタライ等に入れて2~3日か、出来れば1週間ほど構わないであげて下さい。
タライ等に入れている間はエサを与えなくてもかまいませんし、むしろその方が金魚の体には良いです。
水槽と金魚が入っている水との水温を合わせておく
入手した金魚を家に持ち帰ったら、いきなり水槽に入れてしまうのではなく、まず「水温合わせ」をするようにします。
急激な水温や水質の変化は、金魚の身体に大変な負担をかけます。
入手した金魚は大抵の場合は透明のビニール袋などに入れられていると思いますので、袋ごと水槽に1~2時間ほど浮かべておいてください。
こうすることでビニール袋の中の水の温度と水槽の中の水の温度を同一にします。
魚に取って水温1度の変化は、人間にとって気温4~5度の変化に相当すると言います。
金魚に余計な負担をかけない為にも、入念な水温合わせが必要となってきますので気を付けるようにします。
水合わせをする
水温合わせが終了したら、今度は「水合わせ」をします。
プラスチック容器やバケツなどに袋の水ごと金魚を移し、ほんの少量ずつ水槽の水を入れていくのです。
急に新しい水槽に金魚を入れてしまうと「PHショック(ペーハーショック)」というショック症状を起こしてしまう可能性が非常に高いです。
PHショックとはPHの違う水に魚を入れることで起こる現象で、最悪の場合はそのまま死亡してしまう可能性さえあります。
特に淡水魚の場合はこのPHショックを起こし易く、時間をかけた水合わせが必要となってきます。
先を細めたチューブ等を用いて点滴のように少しずつ水を注ぎ、30分から1時間以上かけて金魚が入っている容器の水量が2倍になるペースで行うと良いでしょう。
水合わせが終わっていざ金魚を水槽に入れる際には、容器の水ごと水槽に入れるのが最も金魚に負担の掛からない方法です。
しかし、この方法だと古い水も一緒に水槽に入ってしまう為、病原菌やウィルス等を持ち込んでしまう可能性があります。
心配なようでしたら、容器から金魚だけを救い取って水槽に入れるようにしてみて下さい。
病気を持ち込まないようにする
あまり良くない環境で飼育されていた金魚を家に迎える際に気を付けなければならないのが「病気を持ち込まないようにする事」です。
きちんと設備や環境が整った熱帯魚ショップで購入した金魚にはあまり心配はありません。
そうでない環境で飼育されていた金魚の中には、病気に掛かっている個体やウィルスを持っている個体もいます。
そういった個体を我が家の水槽に迎えてしまうと、先にいた健康な金魚に病気が移ってしまったり、水槽内に病原菌が蔓延して魚が飼えなくなってしまう可能性があります。
アクアリストの中には新しく迎えた金魚に薬品を用いてトリートメントを行う人もいますが、これは上級者向けの方法ですのであまりオススメしません。
初心者の方はまず別水槽で暫く飼育して様子を見るか、上記したように古い水を水槽内に持ち込まないようにする等の方法を取った方が良いでしょう。
金魚を迎えたその日は放っておく
金魚を我が家に迎えると、やはりどうしても眺めたりエサをあげたりと構いたくなってしまいますが、迎えたその日は構わないようにします。
金魚からすればいきなり新しい水槽に引っ越してきて疲れているのに、あれこれと構われると余計に疲れてしまいます。
少なくとも家に迎えたその日はあまり近づかないようにして、エサをあげるのも控えた方が良いでしょう。
金魚は半年絶食しても死なないと言われるほど強いので、数日の間エサを与えなかったとしても問題はありません。
むしろ新しい環境に慣れるまではエサを与えず、放っておいた方が金魚の健康にはいいと言えるでしょう。
金魚を我が家に迎える準備をしよう
金魚を我が家に迎える日というのは喜びと興奮に溢れた日です。
しかし最初に書いた通り何事も初めが肝心であり、この日に気を付けるべきポイントをしっかり押さえておくか否かでその後の飼育難易度は変わっていきます。
金魚は観賞魚の中でもかなり丈夫な種類に分類されるので、これらのポイントに気を付けて、日々の健康管理を怠らなければ健康に金魚を飼育していける事でしょう。