水槽にいる金魚

金魚の水替えは慣れた人にとっては単純な作業ですが、やり方を知らないとなかなかとっつきにくいものです。

気を付けるべき点もいくつかありますし、適当にやると金魚を弱らせてしまいかねません。

そこで今回、金魚の水替え方法の手順をご紹介します。

水替え用の水を準備

まずは、水替えに必要な量の水を用意します。

だいたい飼育水槽の1/3~1/4程度の水が必要になります。

入れ物はバケツやポリタンクなど何でも構いませんが、大きさ的に余裕のある容器のほうが水もこぼれにくく、作業がしやすいと思います。

但し、20Lを超えてくると重くて持ち運びが大変ですので、10L程度に小分けにするのもいいかもしれません。

もちろん持ち運びする必要がなければ大きな器でかまいません。

水は水道水を用いるのが一般的です。

水質的にもほぼ中性であり、ミネラルも含まれています。

井戸水や川の水などを使う人もいるかと思いますが、水質的に問題となることが多いため、熟練者以外は避けた方が無難です。

初心者の方などは人間が飲んでも平気な水道水を使うのが、一番簡単かつ安全です。

なお水替えに際しては、金魚の温度ショックをなくすため水槽内の水と温度を合わせておく必要があります。

塩素を抜く

水道水には消毒用として塩素が含まれています。

人間には無害ですが、金魚にとっては有害であるため、水道水を用いる場合には塩素を取り除かなければなりません。

塩素を除去するためには、汲み置きする、中和剤を使う、の2つの方法があります。

まず汲み置きですが、これは水を容器に入れて置いておくだけです。

塩素は光に反応し分解されていくため、汲み置いておくだけで自然に塩素は抜けてゆきます。

明るい場所のほうが塩素は抜けやすく、晴れの日に外に置いておけば6時間ほどで塩素はなくなります。

逆に屋内では2~3日ほどかかると言われています。

薬品や化学物を使いたくないという場合は、汲み置きが良いのですが、ちょっと時間がかかるのが難点です。

これに対し塩素の中和剤を使うと一瞬で飼育水を作ることができます。

すぐに水を作って使いたい場合は断然こちらが便利といえます。

いずれどちらの方法でも問題はないので、飼育環境や状況に応じて使い分ければよいでしょう。

水草などを取り出す

古い飼育水を取り出す前に、水槽内にある水草やアクセサリーなどを水槽から取り出します。

水替えは底砂利の掃除と兼ねて行なうため、水槽内には余計なものがない方が作業がしやすいです。

このとき水草は、必要に応じて洗ったりトリミングをしたりするのがよいです。

その他汚れているものはキレイに洗っておきましょう。

それから水を吸い出す前にガラス面についたコケなどもキレイに掃除しておきましょう。

古い水を取り出す

水槽内を一通りキレイにしたら、いよいよ古い飼育水を交換していきます。

古い水は底砂利掃除用のホースを使って水槽外へ吸い出していきます。

専用のホースがなければ、灯油用のハンドポンプなどでも構いませんが、できれば専用の掃除用ホースが作業が楽に行なえるのでオススメです。

このホースで底砂利の中の汚れを吸い出しながら飼育水は排出していきます。

一度にたくさんの量の水を替えてしまうと、ろ過バクテリアも減ってしまい、水質も大きく変化しかねません。

こうなると、金魚にとっても負担になるので、だいたい全体の1/3~1/4程度の水を交換するのが一般的です。

こうして取り出した古い飼育水はろ過槽の掃除にも使うので、すぐに捨てずに取っておきます。

新しい水を入れる

古い飼育水を取り出したら、塩素を抜いてあらかじめ用意しておいた新しい水を水槽へ入れていきます。

底砂をキレイにならしたら、静かに水槽へ注ぎ入れます。

水を入れる際には水流で底砂が舞わないように注意しながら注いでいきます。

底にコップなどを置いて注いでも良いですし、ジョウロのようなシャワー口で注ぎ入れても構いません。

この時にあまり急激に水を入れると、水位も急激に変化してしまいます。

急な水位変化は急な水圧変化をもたらし、金魚の浮き袋の調整機能に影響を与える可能性があります。

このため、水を注ぎ入れる際はできるだけゆっくり時間をかけて入れるように心がける必要があります。

間違ってもお風呂ポンプなどで一気に入れてはいけません。

ろ過槽を掃除する

水替え、ろ過槽の掃除を同時に行なってしまうとバクテリアも減少し、水槽内の環境が大きく変わってしまう可能性があります。

ですので一般的にはろ過槽の掃除は、水替えとは別の日に行なうほうがいいと言われています。

とはいえ必ずしもこの限りではないので、ろ過槽の掃除についても触れておきます。

まずろ過槽の掃除で大事なことは、とにかくキレイにし過ぎないということです。

水槽内がキレイに保たれるのは、その裏にあるろ過槽内に汚れをトラップしているからです。

ろ過槽内にはこうした汚れをエサにしているろ過バクテリアがたくさん棲んでいます。

ろ過槽を掃除するということは、汚れとともにろ過バクテリアも捨ててしまうことになります。

ですので、最低限の汚れを落とすレベルに留めるのが望ましいです。

また、ろ材などは水道水で直接洗ってしまうと、大切なろ過バクテリアが死んでしまいます。

ですので水槽水ではなく、必ず水槽内から取り出した飼育水で洗うようにします。

金魚の水槽の水替えは定期的に行おう

金魚の水替えは面倒な作業ではありますが、定期的に行わなないと金魚の健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。

水替えで大事なことは、水温・水質の変動を抑え、金魚へストレスを極力与えないようにすることです。

慣れてくればそれほど時間をかけずにできるようになりますし、こうした作業を通じて金魚への愛着も深まっていくものです。