水槽と金魚鉢のどちらを使って金魚を飼うか、飼い主としては悩んでしまいますね。
しかし金魚に大きな負担をかける前に、二つの飼育環境にどのような違いがあるのか理解しておかなければなりません。
二つに見られる違いとは、具体的にどういうものがあるのでしょうか。
適した金魚のサイズの違い
水槽は金魚の活動スペースを大きく取り、多頭飼いやサイズが大きめの金魚にも対応できます。
一方金魚鉢では、大きすぎる個体は十分に運動ができず、複数で飼うことが難しくなります。
飼育予定数がどれくらいなのか、金魚は大きくなりやすい種類なのかを考慮し、どちらを選択するのか決めましょう。
金魚鉢で飼育できる大きさの目安としては、だいたい5センチくらいを考えてください。
数も二匹までを限度とし、それ以上となるようなら水槽での飼育を優先しましょう。
例え最初は小さい金魚だったとしても、成長するにつれて思っていた以上に大きくなることはあります。
その場合は金魚鉢での飼育は諦め、大きな水槽に移してあげてください。
そういった作業が面倒に感じるなら、最初から水槽で飼育することをオススメします。
必要な水換えの頻度の違い
水槽はその見た目通り大量の水が入り、酸素量が豊富です。
ですが金魚鉢は大きなものでも1リットルから3リットル程度の容量しかなく、金魚が利用できるスペースが限られます。
必然として金魚鉢は水槽と比べて酸素量が少なくなり、数匹だけでもすぐに酸欠になってしまいます。
金魚鉢での飼育を考えるなら、予定よりも大きめのものを用意する方がいいでしょう。
水槽の水換えはそれほど頻繁でなくてもかまいませんが、上記の理由から金魚鉢で飼う場合には毎日の水換えが欠かせなくなってきます。
酸素量の少なさをカバーするには、毎日3分の1程度の水を入れ替え、新鮮に保ってあげましょう。
水換えの際には金魚のストレスを考慮し、静かに刺激の少ない方法でゆっくりと行いましょう。
酸素を無駄に消費しないためにも、金魚鉢の水換えは水槽での飼育以上に慎重で繊細な心配りが必要となります。
水質の変化の違い
生きている金魚を飼う以上、水の中は常に汚れていきます。
水槽はエアレーションやろ過装置などの機材を取りつけることもでき、水質の変化にある程度の対処が可能です。
しかし金魚鉢はその小ささと特殊な形状から、そういった機材を取りつけることが難しく、どうしても水質の汚染が目立ちます。
毎日の水換えで手間をかけているのにも関わらず、水質を保つためにはさらに大変な労力が必要となるでしょう。
金魚鉢でも使える水質改善のアイテムとしては、水草が一般的でしょう。
金魚が身を隠すのにも使えますし、いざというときの食料にもなります。
入れておくだけで見た目にもアクセントがつき、水質の安定にもつながるので、金魚鉢での飼育を考えているのならぜひ用意しておきましょう。
その際は金魚鉢内の水温管理や、光を当てる工夫も忘れないようにしましょう。
水草への適切なフォローをして、水の悪化を抑えるようにしたいですね。
インテリアとして価値の違い
水槽はどれも似たような長方形をしていて、見た目にはそれほど種類がありません。
それゆえに飼育しやすく便利ですが、面白みがかけるともいえるかもしれません。
金魚鉢はその点見た目に個性があり、一種のインテリアとしての価値を見いだすこともできます。
コンセプトを持ったものも多く、室内にこだわりを持つ人なら、金魚鉢の方が趣味に合うということもあるでしょう。
好きな色や形を選ぶことができれば、飼育のモチベーションアップにもつながります。
ただし見た目にばかりこだわって、機能性が失われているようなもの、掃除や水換えがやりにくく設計されているものは注意しましょう。
本当にその金魚鉢を毎日水換えし、掃除できるのかを考え、無責任な飼育をしないように気をつけてください。
両方の良さを体験する
水槽の扱いやすさは初心者に適していて、金魚の健康や繁殖にも大きな恩恵を与えます。
金魚鉢も観賞用として優れていて、少数の金魚を美しく見せることができます。
それぞれにメリットがあり、金魚を飼育する家庭環境によってはどっちが良いと断言することは難しいでしょう。
どちらを使うにしろ、きちんと金魚の世話をして、毎日一生懸命面倒をみる覚悟が必要であることに変わりはありません。
用途と使用方法を把握したら、両方のタイプを常備しておくことをオススメします。
普段は片方しか使わなくても、水槽の大掃除などで金魚を一時的に移す受け皿にすることもできますし、急な破損や異常があったときに、予備のものがあれば慌てずにすみます。
金魚が小さいときは金魚鉢を使い、大きくなりはじめたら水槽に移すようにすれば、二つの特徴を上手に活かすことができるかもしれません。
金魚鉢と水槽のそれぞれの特徴を理解しよう
水槽にしろ金魚鉢にしろ、一番に考えるべきことは金魚の生活です。
間違いのない飼育方法でこまめなチェックを欠かさないことを忘れなければ、水槽でも金魚鉢でも上手に飼育していくことはできます。
双方の違いを理解してから、自分の扱いやすい方、気にいった方を選ぶのがいいでしょう。