ペットとして飼われている半分以上の成猫は、歯にトラブルを抱えていると言われています。

歯のトラブルは、悪化すれば食欲の低下や内臓の病気にも繋がります。

ここでご紹介する猫の歯のケア方法で猫の歯を健康に保ってあげましょう。

1.猫用歯ブラシを使う

猫の歯のケアは、市販の猫用歯ブラシを使うと簡単です。

猫用歯ブラシは色々なタイプのものがありますが、基本的にはブラシ部分が人間のものより小さく、猫の小さな口にちょうど良いサイズに作られています。

他にも猫用歯ブラシには、360度ブラシが付いていてブラシを回転させて磨くことができる歯ブラシや、指サックのように指にはめて磨ける布状のものなどがあります。

それぞれの猫の好みに合わせて選びましょう。

初めのうち、ほとんどの猫は歯ブラシを嫌がります。

無理に最初から磨こうとせずにまずは歯ブラシに慣れさせることから始めましょう。

マタタビやペースト状のおやつを歯ブラシにつけて、口の中に歯ブラシがある状態に慣れさせてください。

慣れるまでは、猫にブラシ部分を噛ませるだけでも良いでしょう。

猫が歯ブラシに慣れたら、歯を磨いていきましょう。

歯茎にブラシを当て、優しくなでるように細かく動かして磨きます。

歯垢は2~3日そのままにしておくと歯磨きをしてもなかなか落とせなくなってしまいます。

歯石になる前にこまめに磨いてあげましょう。

2.デンタルケアのキャットフードを与える

デンタルケア効果のあるキャットフードやおやつなら、猫にストレスをかけずに歯のケアをすることができます。

ドライフードのパッケージを確認すると「歯の健康を維持」や「オーラルケア」と書かれたものがいくつかあります。

これらのフードは一般的なフードより固めにできており、歯の表面をこするようにして歯垢を落としてくれます。

デンタルケア効果のあるキャットフードは、主にフードをかみ砕く奥歯にのみ効果があります。

メインの歯のケアには効果的とは言えませんが、こまめに歯を磨くことができないなら、歯磨きと合わせて利用すると頼りになる助人になります。

反対に人の食べ物を分け与えたり、人のヨダレのついた食べかけの食べ物を与えると猫が虫歯になりやすくなります。

食べかけの食べ物から人のヨダレが猫の口に入ると、ヨダレに含まれる虫歯の原因菌が猫に感染してしまうからです。

また、人の食べ物にはキャットフードには含まれていない砂糖や調味料がたくさん含まれているため、より虫歯になりやすくなります。

猫の歯の健康を保つためにも猫用の食べ物以外を与える事はやめましょう。

3.ガーゼで磨く

猫の歯をケアするための専用の歯ブラシが手に入らない場合は、医療用のガーゼを使って猫の歯を磨いてあげましょう。

布を噛ませたり、歯の生え際をガーゼで拭くだけでも効果的です。

猫が口に物が入る事を嫌がるなら、布でできた薄手の手袋を使って人差し指で歯をなぞるように磨く方法もオススメです。

指を使って歯のケアをするときは、猫に噛まれないよう十分注意してください。

ウエットフードのような柔らかいエサを好んで食べる猫は、ドライフードを食べる猫に比べて虫歯になりやすくなっています。

歯のケアをしながら口内の状態をチェックしてあげましょう。

歯の根元に歯垢が溜まっていないか、歯茎は健康的なピンク色をしているか、チェックしましょう。

痛がって口を触らせなかったり、口が臭くないか、歯は折れていないかもあわせてチェックする必要があります。

歯石があったり、歯茎が赤くなっているなど不審な点を見つけた時は、獣医さんでしっかりとケアしてもらいましょう。

4.獣医さんにお願いする

日々のケアの他に年に1~2回獣医さんで歯のチェックをしてもらえばさらに安心です。

猫の歯のトラブルは、奥歯や歯の裏など飼い主にはわかりにくい部分に虫歯ができてしまう事も多々あります。

正しい歯磨きの仕方や健康な歯茎の色など、わからない部分は獣医さんに教えてもらいましょう。

普段の健康診断と一緒に歯石や歯槽膿漏がないかチェックしてもらいましょう。

症状が悪化すれば、そのぶん治療費も高くなってしまいます。

場合によっては麻酔を使うほどの手術になってしまう事もあります。

飼い主にも猫にも大きな負担にならないよう、定期的な検査で虫歯や歯周病を予防しましょう。

歯の治療にかかる費用は、一般的に数千円~4万円程度になります。

抜歯ということになれば、一本当たり1~2万円以上かかってしまいます。

費用の心配があるときは、予め獣医さんに相談してみてください。

猫の歯はこまめなケアが大切

猫の歯のトラブルは人の虫歯以上に大きな問題です。

抜歯や手術という事になれば、高額な医療費がかかるだけでなく、術後何日も猫の食欲が落ちてしまう等、猫にも大きな負担がかかります。

大きなトラブルになる前にこまめなケアと定期的な検査を心がけましょう。

歯を失わずに済むように子猫のうちから歯のケアを習慣にすることが大切です。