猫や犬の足の裏にあるピンクの肉球って、なんとも可愛らしいですよね。
やわらかくて、そしてほんのりあたたかくて、独特の感触で癒し効果も抜群です。
猫だけでなく、犬の肉球なんかも、ペットのチャームポイントだったりしますよね。
では、そんな肉球には実際にはどういった機能や役割があるのでしょうか。
肉球には足の裏の保護の役割がある
肉球をもっている動物というのは、主に陸上で生活している肉食動物です。
ペットとして飼われる犬や猫以外にも、さまざまな動物で見ることができます。
こうした動物の多くは、古くから獲物を走って捉えるような生活をしています。
ペットのイメージが強い犬や猫も、元を辿れば立派な肉食動物の仲間です。
人に飼われる前には、ネズミや小さな小動物などを追いかけて生活していたのです。
そうした動物の肉球は、その弾力で、ごつごつした岩場や地面から足を守っています。
そのため、小さい頃は可愛いピンク色の肉球も、だんだんと黒く硬くなってしまいます。
しかし、そうなるのも、裸足で歩く動物たちにとって、肉球はなくてはならないものだという証拠といえるでしょう。
滑らずに歩くため肉球がある
肉球には足の裏を守る以外にも、いろいろな役割があります。
もう一つの大きな役割は、歩いたり走ったりするときの滑り止めとしての役割です。
最近では室内で多くの時間を過ごすペットも増えています。
しかし、私たちにとっては何でもないフローリングも、ペットにとっては一大事です。
つるつると滑って怪我をしてしまったり、足腰に負担をかけてしまったりすることがあります。
肉球は、そうした滑りやすい場所では、滑り止めの役割を果たしています。
私たち人間でも、靴下で歩くとツルツルした床で足を滑らせてしまうことがあったりします。
動物の毛むくじゃらな足では、肉球がなければ、さぞ大変なのではないでしょうか。
衝撃を緩和するため肉球がある
弾力に富んだ肉球には、足の裏に加わった衝撃を和らげる効果もあります。
猫が高いところから飛び降りたり、犬がジャンプしたりする光景はよく見ますよね。
こういうときには、足の骨や筋肉に大きな衝撃が加わります。
私たちも、階段を一段踏み外しただけでかかとの骨を骨折してしまったりすることがあります。
野生で生きる動物にとって、骨折や足の怪我はすぐに命の危険に繋がるものです。
そうした怪我をしないように、足裏の肉球がしっかりと緩衝材の役割をしています。
足を守ったり、滑らないようにしたり、さらには衝撃を吸収したり…まるで、とても高性能なスパイクを履いているようなイメージですね。
足音を消すため肉球がある
足を守る以外にも、動物にとって大きな意味をもつ機能があります。
それは、自分の足音を隠すということです。
多くの動物は獲物を定め、近くまでひっそりと近付いてから、一気に走って追い詰めます。
この時に、足音を隠す役割をするのが肉球です。
ヒールや硬い底の靴は、気を付けていないと思いがけずカツカツと音がなってしまうことがあります。
もし、狩りのシーンならば、これでは当然目の前の獲物に気が付かれてしまいます。
先に触れたように、犬も猫も元々は肉食動物でした。
そのため、足音を隠すための肉球は、やはりなくてはならないものだったのでしょう。
センサーの役割
当然では?と思うかもしれませんが、肉球には不思議と毛が生えていません。
かといって、剥き出しの皮膚でもなく、硬いけど温かいし、血が通っている部分なんだとわかると思います。
この肉球の内側にはもちろん神経があって、足の裏がセンサーの役割を果たしています。
怪我は生えていないのは、足の着くポイントの感覚をダイレクトに伝えるためです。
「熱い」「冷たい」「ゴツゴツしている」といった感覚を肉球を通して察知しています。
おっかなびっくりな様子で水に足を入れる犬を見たことはありませんか?そういった姿を見ると、やはり肉球で温度や感触を確かめているのがわかりますよね。
ですので、真夏の熱いアスファルトも、ペットにとってはしんどいものです。
体温を調節するため肉球がある
一般的な犬や猫には、皮膚に汗をかくための汗腺がありません。
ちょっとぴんと来ないかもしれませんが、私たち人間には身体中から汗をかくことができますよね。
しかし、犬や猫は、汗腺が肉球の部分に集中しており、そこからしか汗をかけないのです。
そのため、肉球は体の体温調節の役割も果たしているといえます。
暑かったり緊張しているときには、汗をかいて体温を下げようとします。
また肉球の部分に汗腺があるのは、もう一つ重要な意味があります。
肉球を汗で湿らせることで、肉球が水分を含み、しっとりとやわらかくなります。
こうすることで、摩擦が大きくなり滑りにくくなるという恩恵も生んでいるのです。
肉球が果たす役割を知ろう
可愛いペットの肉球ですが、思いがけずいろいろな機能が備わっています。
こうした機能の多くは足や体を守ったり、危険を回避するための自衛のための進化ともいえるでしょう。
また、足音を消して静かに相手に忍び寄る術は、生きていくために必要なのは容易に想像がつきます。
あんなに可愛らしい肉球が、こんなに多機能だとは驚きますよね。
肉球のマッサージはとてもペットが喜ぶので、ぜひときどき優しくほぐしてあげるようにしてくださいね。