ニホンカナヘビは日本固有種の爬虫類です。
主に草むらを好んで住み、都市部でも草が生えた河原などに行けば見つけられます。
比較的飼いやすいトカゲですが、元気に育てるためにはエサに気をつけてあげる必要があります。
野生のカナヘビが食べているもの
カナヘビは完全に肉食の生き物です。
草が茂っているところを好んで住んでいて、午前中には葉っぱの上で日光浴をしている姿を見ることもあります。
野生のカナヘビが食べているものには様々な種類があります。
クモ、バッタ、コオロギ、ダンゴムシなど、自分の口に入るザイズで目の前で動くものなら、ほとんどの生き物を食べてしまいます。
人間が健康に生きるためにはいろいろな栄養を摂取する必要があるように、カナヘビも様々な種類のエサを食べることで、必要な栄養を取り入れています。
飼育下のカナヘビに与えるエサの種類-野生のもの
カナヘビを飼育する時に、いちばんいいのは捕まえたところからエサも調達することです。
上記のとおり、カナヘビにはできるだけいろいろな種類のエサを与えたほうが栄養のバランスがとれます。
また、それまで住んでいたところにいるいろいろな生き物を与えたほうが、カナヘビが違和感なく食べてくれます。
遠くで捕まえたならば、自宅近くで捕まえてきても構いませんが、ただし農薬や除草剤などがまかれているところのものは避けるようにしましょう。
簡単に捕まえられるエサとしては、ダンゴムシ、オンブバッタ、コオロギなどがいます。
口に入るサイズならば、カタツムリなども食べるようです。
飼育下で与えるエサの種類-購入するもの
野生のエサを捕まえるのが難しい場合は、ペットショップなどで購入します。
爬虫類を専門に扱っているショップには「カナヘビ用」の固形エサが売られていることもあります。
実はこれは外国産の草食カナヘビのためのもので、ニホンカナヘビは食べません。
必ず生きエサを買うようにしましょう。
一般的なのはコオロギです。
専門店ならば、いくつかのサイズのコオロギが売られているので、カナヘビの口に入るサイズのものを購入します。
ただし、コオロギは共食いをすることがあるので、買ってきたらカナヘビに与えるまでは、ケースの中に新聞紙などを丸めて隠れ家にしてあげます。
また、煮干しや青菜などをエサとして与えておくと、カナヘビに与えた時の栄養としてもプラスになります。
カナヘビのエサが入手できない時の緊急食
ペットショップに売られている生きエサとしてもう一つポピュラーなのがミルワームです。
値段的にもコオロギよりも安く、専門店でなくても売っていることがあります。
ただし、ミルワームはカナヘビのための栄養が足りません。
足りない栄養を補うためにふりかけるパウダーなどもありますが、基本的にはやはりエサだけで栄養を補いたいです。
そのため、ミルワームだけで飼育するのはオススメできない方法です。
ただし、その他のエサが入手できなかった時のために、緊急食として用意しておくのはいいでしょう。
ミルワームは常温で置いておくと蛹化を経て甲虫に羽化しますが、冷蔵庫に入れておけば幼虫のままでいます。
他に、生の鶏肉を小さく切って、ピンセットなどでつまんでカナヘビの目の前で動かすと食いつくこともあります。
しかし、これも栄養的に足らないエサなので、ミルワームすら手に入らない緊急時の対応とします。
ミルワームや鶏肉などには極力頼らずに飼育しましょう。
カナヘビへのエサやりの頻度と量、与えないほうがいいもの
人間を始めとした恒温動物は、食物から得たエネルギーで体温を維持しているので、毎日食事をする必要があります。
しかし、変温動物の爬虫類はその必要がないので、エサは毎日与える必要はなく、1週間に2度ほどでかまいません。
1度に与える量は、最初は少し多めにします。
カナヘビは必要なだけ食べるので、与えられただけ食べて消化不良で死んでしまう心配はありません。
何度か与えれば、カナヘビがほしがる量がわかってくるはずです。
カナヘビは大抵の昆虫や節足動物を食べますが、蟻酸を持つアリは食べません。
また、毛虫は毒を持つので与えないようにします。
コオロギを与える時は、必ずカナヘビが食べられるサイズにします。
カナヘビは、食べられないサイズのコオロギは無視しますが、大きいコオロギの場合カナヘビをかじって傷つける危険性があります。
野生では逃げることができても、狭い飼育下では逃げられません。
カナヘビにエサをあげよう
カナヘビはあまり繊細ではないので、捕まえてきたその日から与えたエサを気にせず食べてくれます。
しかし、生き物である以上栄養バランスは大切です。
野生ではいろいろなものを食べることで保っている栄養バランスも、飼育下では飼い主が気をつけてあげなければ崩れてしまいます。
また、エサ以外に日光浴も必要です。
爬虫類は、日光浴で体を暖めないと食べたものを消化することができません。
カナヘビが元気に生きられるかどうかは飼い主にかかっていることを忘れないようにしましょう。