歩く姿はのっそり、どしん。

たくさん食べて時にはやんちゃに動き回るのが魅力のケヅメリクガメ。

成体は子供が乗れてしまうくらい大きくなり、カメ好きには憧れの存在です。

そんな彼らにはどのような特徴があるのでしょうか。

ケヅメリクガメの見た目

ケヅメリクガメはゾウガメの次に大きいリクガメで、ペットとしては最大級です。

大人になると甲長は60~70cmほど、体重は20~30kgほどで、大きい個体ですと甲長80cm超、体重も70kgまで成長することもあります。

体の色は茶色〜ベージュで背甲の甲板の継ぎ目がこげ茶色ですが、配色の割合には個体差があり、成長過程で変化することもあるそうです。

非常に発達した前足には大きな爪のような鱗がいくつもついていています。

ただ、ケヅメリクガメの名前の由来となったケヅメはこの前足の鱗ではなく、後ろ足の付け根辺りにある突起のことです。

ケヅメリクガメの生態

ケヅメリクガメはアフリカ大陸に生息しています。

サバンナや砂漠周辺の暑く乾燥した気候に住んでいますが、活動している時間帯は比較的過ごしやすい早朝と夕方。

気温の高い昼間と気温の下がる夜間は巣穴で休んでいます。

巣穴は発達した前足を使い自分で穴を掘って作りますが、他の動物が作ったものを使用することもあります。

野生では野草、サボテンなどの多肉植物、果物などを好んで食べる完全な草食性です。

寿命は約30年、飼育下では人にもよく慣れ手からエサを食べてくれるようにもなります。

ただし、気性が荒く突進してくるような個体もいるため油断しないように接してください。

ケヅメリクガメの飼育環境

原産国は日本の環境とかなり違うため、飼育には少し手間がかかります。

気温の目安はベビーで30℃、成体では28℃〜32℃で、一般的なリクガメよりも高めです。

バスキングライトによるホットスポットも必要で、目安は38℃です。

紫外線もたっぷりと必要なため紫外線ライトも用意しましょう。

乾燥を好みますが乾燥しすぎもよくありません。

大体50%を目安にし、それを切るようならば加湿をしてください。

特に冬場は油断するとすぐに湿度が下がってしまいます。

床材も乾燥しやすいものを使用します。

赤玉土、ヤシガラ、すのこ、砂、新聞紙などが適しています。

カメが食べてしまっても問題がないものを選んでください。

ケヅメリクガメの成長速度

ケヅメリクガメは成長速度がとても速く、生まれたてのベビーは1年ごとに倍の大きさになることもあります。

それに伴い彼らは大量のエサを欲します。

成体になるとキャベツなら1個くらいペロリと平らげてしまうようです。

栄養豊富なリクガメ用フードやタンパク質が多いものを与えるとさらに良く成長するようです。

しかし、与えすぎると甲羅の形成に悪影響が出たり内臓疾患につながるため注意が必要です。

また飼育施設にも広さが必要になります。

室内飼いならば一部屋を明渡すくらいのスペースが要りますし、壁などを破壊されないように対策を立てないといけません。

相当の覚悟を持ってから迎えてください。

ケヅメリクガメの主食のエサ

草食性のケヅメリクガメのエサの基本は高カルシウム・高食物繊維、低シュウ酸・低タンパク質です。

ケヅメリクガメはその大きな甲羅の成長と維持のために大量のカルシウムを必要とします。

シュウ酸はカルシウムの吸収を阻害するため、ホウレンソウなどのシュウ酸を多く含む野菜の摂取はさせないでください。

また草食性の生き物のため動物性のタンパク質は必要ありません。

食物繊維が不足すると下痢の原因となります。

これらを踏まえて選びましょう。

主食に適しているのは色の濃い緑の葉野菜で、小松菜、モロヘイヤ、カブや大根の葉、サニーレタス等を好んで食べます。

ケヅメリクガメの副食のエサ

ケヅメリクガメは野草と果物も大好きですが、これらはあげすぎないようにしましょう。

野草は除草剤や農薬の影響が心配なため主食として与えない方が無難です。

しかし食物繊維が豊富に含まれていますし、何より野生下ではメインで食べているものなので、少しずつあげてください。

オオバコ、カラスノエンドウ、クローバー、アザミなどかなりの種類を食べることができます。

毒がないかをよく確認し、軽く水洗いをしてから与えます。

また果物の果糖は摂取しすぎると肥満の原因になるだけでなく、シュウ酸と同じくカルシウムの吸収を阻害していまいます。

よく食べるからといって主食にすることは避けてください。

ケヅメリクガメの価格と入手方法

ケヅメリクガメはベビーで売られていることが多く、一万円代後半から2万円代が相場のようです。

変わった色や成体になると高額になり、中には20万円を超えてくるものもいます。

入手方法は爬虫類専門店やペットショップの店頭で実際に見てから購入する他にネット通販があります。

店頭で購入する場合、店員さんやブリーダーさんに飼育のコツを教えてもらえるかもしれないというメリットがあります。

しかし、必ずしもケヅメリクガメに詳しいとは限らないことを念頭に入れておきましょう。

またネット通販は遠方でも購入できるというメリットはありますが、相手がどの程度信頼できるか、カメの健康状態は実際のところどうなのかを確かめることができません。

そうした理由で、あまりオススメではありません。

覚悟と責任を持ってケヅメリクガメを飼いましょう

ケヅメリクガメを飼うことは簡単ではありません。

場所も必要ならばエサ代や電気代も高額になり、長生きするためそれがずっと続くでしょう。

それでも最後まで手放さず責任を持って飼い続けられるという覚悟ができた時には家族として迎え入れてください。

ケヅメリクガメ自体は丈夫な生き物ですので、長く楽しく思い出を作ることができるはずです。