爬虫類を飼う人はわりとよく見かけますが、案外ペットとして忘れられがちなのが両生類です。
とりわけカエルなどは私達にもなじみ深い生き物です。
今回はそんな中でもちょっと珍しいツノガエルの飼い方についてご紹介します。
ツノガエルの生態・種類
ツノガエルはユビナガカエル科とツノガエル科に分かれる両生類です。
海外ではホーンドフロッグ、日本ではその習性と見た目からパックマンフロッグなどとも呼ばれます。
野生下では主に南米などに多く分布しています。
ツノガエルの種類によって生息環境は異なりますが、地中などに潜り、昆虫や小動物などが通りかかると捕獲して食べるといった生活を共通して行います。
幼生であるオタマジャクシも肉食性です。
ペットショップにおいては様々なツノガエルがいますが代表的な種類は主に3種です。
1種類目のベルツノガエルは体長10cm~12cmで、体がずんぐりしていて丸みがあるのが特徴です。
ツノガエルの代名詞である目の上の突起はあまり目立ちません。
色は緑、緑褐色、黒褐色、赤色斑紋などです。
ツノガエルの中ではポピュラーな種類です。
他のツノガエルとの雑種もいます。
二つ目の種類はクラウェルツノガエルです。
こちらはツノガエルらしい突起もそれほど目立ちませんが確認することができます。
体長は7cm~12cmです。
色は緑、明褐色、灰褐色、黒斑紋などです。
最後はアマゾンツノガエルです。
他の2種類に比べて珍しいツノガエルで、他のツノガエルに比べて値段も少々高めです。
しかし目の上の突起もとても目立つなどツノガエルらしいルックスで愛好家も多くいる人気の種類です。
体長は7cm~15cm、色は褐色に斑紋があります。
ペットショップでは他にもツノガエルを見ることができますが、これら以外の種類はかなり珍しい部類に入るようです。
雑種個体はそれぞれの個体の特徴を受け継いでいたりして個性的なので、ファンタジーツノガエルなどとも呼ばれます。
ツノガエルを飼育する際の注意点
ツノガエルは上記したように獲物を待ち伏せする習性を持つ動物なので動かないでじっとしていることが多い生き物です。
アクティブに動くペットが好きという人にはあまり向かないかもしれません。
両生類なので人になつくことはまずなく、あくまで鑑賞用と考えた方がいいでしょう。
ツノガエルの捕食はとてもワイルドなのでそのような生態に興味があり観察したいという人向きでしょう。
飼育上の注意点としてはまず基本は一匹飼いにした方がよいでしょう。
共食いをしてしまう恐れがあるからです。
また、気をつけたいことは気温、湿度管理です。
気温は25度が適温です。
20℃を前後になるとエサを消化できなくなってしまいます。
冬はヒーターマットなどは必須です。
湿度も必要なので床材は適度に湿らしておく必要があります。
何でも飲み込んでしまう習性があるので、ケージ内に誤飲の恐れのあるもの、有害な植物、床材などは設置しないようにしましょう。
エサの与え過ぎによる栄養過多にも注意が必要です。
寿命は10年程度と言われています。
ツノガエルの飼い方、ケージ、エサ、飼育方法など
ツノガエルの飼育にはプラスチック容器がよく用いられるようです。
あまりジャンプ力のある方ではありませんが、念のためきちんとフタをしておいた方がよいでしょう。
容器の中には湿り気のある床材を敷かなければなりません。
これらには土であればヤシガラ、赤玉土、黒土、腐葉土、水ゴケなどが用いられます。
水を浅く張る場合は水深は1cm以下になるようにします。
ウールマットなどを水に浸して敷くという方法もあります。
しかしあまりにも濡らしすぎるのはよくありませんので注意しましょう。
エサはピンクマウスや人工飼料、コオロギなどを与えます。
動く物を食べる習性があるためピンセットなどで動かせば生エサでなくても大丈夫ようです。
魚も食べるようで冷凍稚魚やワカサギ、エサ用のメダカ、金魚などを好みます。
エサの回数は週1~2回でよいでしょう。
掃除はわりとまめに行う必要があります。
床材によっても異なりますが、ツノガエルは糞も多く、尿もよくするからです。
水が汚れた場合にはそのつど掃除する必要があります。
手間や飼育のしやすさなどの考慮して床材を選ぶとよいでしょう。
水槽内には観葉植物などを置いて野性に近い生育環境を作ってもよいでしょう。
日光浴も頻繁にではありませんがする生き物なのでライトもあった方がよいかもしれません。
ツノガエルを飼おう
カエルは意外によく見てみると愛嬌があり可愛らしい生物です。
特にツノガエルにはいろいろなカラーバリエーションや個性があり、お気に入りの個体をショップなどで探してみるのもまた楽しいでしょう。
また、忘れがちですがツノガエルは外来生物です。
飼育できないと思っても絶対に川などに放すのはやめましょう。