名前にもあるように、フィンランドのカレリア地方原産であるカレリアンベアドッグ。

元々は、こちらも名前の通り、熊を中心とした狩猟犬として使われ、現在でも活躍している個体もいます。

ペットやショードッグとしても飼育されており、過去に日本にも輸入されていました。

そんなカレリアンベアドッグとは、どのような犬なのでしょうか。

忠実で勇敢な性格

飼い主やその家族に対しては非常に忠実で愛情深いです。

また、飼い主やその家族には人懐っこい様子を見せます。

これは、元々の猟犬としての本能であると言えます。

ただし、プライドが高い一面もあるため、自身が本当に主人・リーダーだと認識した人にのみ服従をします。

見知らぬ人や他の犬などに対しては警戒心が強く、時には攻撃的な様子を見せることもあります。

これは、やはり猟犬としての本能で、家族を守ろうとする意思の現れでもあります。

狩猟では熊を相手にしていたこともあり、多少大柄な相手でも、怯むことなく立ち向かっていきます。

カレリアンベアドッグの体重・体高

カレリアンベアドッグは体重が17kg〜28kg、体高が52cm〜60cmで分類としては大型犬となります。

体格は、全体的に筋肉質で引き締まっています。

猟犬だったこともあり、足腰にもしっかりと筋肉がついており、噛む力が100kgにもなります。

耳は立ち耳、尾は巻き尾で背中に向かってクルリと巻いていることが特徴です。

顔立ちとしては、口角が少し上がっていることで、まるで笑っているかのような表情をしています。

被毛はショートコートで、寒い地方で使われていたこともあって、防寒性や防水性に優れた厚みを持っています。

毛色はブラック&ホワイトで、一般的にブラックとホワイトの割合が7対3が理想だと言われています。

カレリアンベアドッグの寿命とかかりやすい病気

カレリアンベアドッグの寿命は、11年〜13年とされています。

かかりやすい病気としては、股関節形成不全などがあります。

股関節形成不全とは、骨が変形してしまったことにより、寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれる骨盤部分と、大腿骨頭(だいたいこっとう)と呼ばれる部分がかみ合わないために起こる病気です。

関節内で炎症が起こり痛みが現れます。

この病気になると、歩く際に腰が左右に振られてしまったり、スキップのような歩き方になってしまったり、走るのを嫌がるようになったりというような症状が見られます。

原因としては、遺伝によるものが大半を占めていますが、中には肥満や過度な運動なども原因となっています。

事前に予防ができることは予防し気を付けると共に、少しでも気になることがあったら早急に受診することをお薦めします。

カレリアンベアドッグのしつけ方

先に記したようにカレリアンベアドッグは、主人・リーダーと認めた相手の言うことしか聞きません。

そのため、何よりもまずは服従訓練を徹底させることが大切です。

そもそもカレリアンベアドッグに限らず、犬というものは、自分より立場が下だと認識した相手の言うことは全く聞かない動物です。

必要以上に誉めたりして甘やかしてしまうと、犬は自分の立場の方が上だと勘違いをしてしまいます。

特にカレリアンベアドッグは、猟犬種として力が強いため、きちんとした服従訓練をしてしつけないと、思わぬ事故に繋がりかねません。

誉める時は誉め、厳しくするところは厳しく叱るというメリハリをつけながらしつけをしましょう。

そして、最低限「待て」が出来るようにしておくことが望ましいです。

カレリアンベアドッグを飼う際の注意点

元々が猟犬なこともあり、非常に活発で、運動量も多く必要です。

1日2回、1時間程度の散歩をすることが望ましいです。

散歩以外にも、ドッグランや広い庭などで走り回らせてあげるなどの運動も行えると良いです。

ただし、ドッグランなどで遊ばせる時には、他の犬などへの攻撃的な行動には注意が必要です。

カレリアンベアドッグは、例えなついている相手でも、飼い主であろうが吠えることがあります。

これは、自分の気持ちを伝えようとしての行為です。

無理に止めさせようとするとストレスとなってしまうので、気持ちを受け止めてあげるように努めましょう。

被毛のお手入れは、週に1度程度のブラッシングで十分です。

カレリアンベアドッグの価格と入手方法

カレリアンベアドッグの平均価格は50万円前後となります。

ペットショップは比較的どこにでも存在しており、身近に感じやすく足も運びやすいです。

しかしペットショップには、自分の求める犬種がいるとは限りません。

一方でブリーダーは、その犬種を育てている場所を見つければ、確実に求める犬種を手にいれることが出来ます。

しかし、カレリアンベアドッグは、そもそも日本での繁殖や輸入があまりされていないため、ブリーダーを見つけるのも困難です。

そのため、やや価格は高くなりますが、海外からの輸入が一番確実です。

更に、里親制度というものもあります。

里親制度とは、様々な理由で家のない犬を引き取るというものです。

残念ながらカレリアンベアドッグは、その飼育の困難さから、捨てられてしまう子も多くいます。

そのため、里親制度でも出会える可能性は十分に有り得るのです。

カレリアンベアドッグのことを知ろう

主人と認識した相手には忠実でなついてくれるカレリアンベアドッグ。

しかし、その活発で攻撃的な性格から、先に記したように、手におえずに捨てられてしまうことも多いです。

軽い気持ちで飼わずに、特性をきちんと理解した上で迎え入れるようにしましょう。