元来、テリア犬は、キツネやねずみなどを捕獲する狩猟犬です。

テリアは、地面・大地という意味で、捕獲した小動物を穴倉に潜って仕留めていたことから、名付けられました。

「日本テリア」は、スムースフォックステリアと、日本犬の掛け合わせにより誕生した、テリア種です。

その小さなボディは、抱き犬として神戸で大変人気になり、昭和初期には「神戸テリア」とも呼ばれていました。

当時は、盛んに繁殖されましたが、太平洋戦争により、その数は減少してしまいました。

絶滅は逃れたものの、現在では大変希少な犬種となってしまいました。

そんな、数少ない「日本テリア」の魅力をご紹介します。

日本テリアの外見

日本テリアの特徴は、何といってもその毛色でしょう。

頭部は黒く、目の周りには茶色のタンがあります。

ボディは白で、ブラックもしくはタンのマーキングが入った、短毛種です。

毛の長さは、2mm程度で密集しており、その手触りは、まるでビロードの様です。

四肢は細く筋肉質ですが、一見ひ弱な感じに見えます。

体長と体高がほぼ同じくらいで、30cm程の小型犬です。

目はアーモンド型で愛らしく、耳は大きく、上に上がり途中から手前に垂れて折れているのも特徴です。

体重は、オス・メス共に4~5k程度です。

日本テリアの性格

一見、スマートな体格の「日本テリア」は、か弱いイメージに見えますが、とても活発な犬種です。

飼い主にはとても従順で、一方知らない人に対しては、かなり人見知りの傾向がありますが、大変賢い犬です。

人間には従順なのですが、他の動物には攻撃的な一面を見せます。

これは、狩猟犬の独特な特徴でしょう。

飼い主の求めていることを察知する能力には大変優れており、しっかりとしつけをすることで、犬との良好な関係を築くことが出来ます。

遊び好きで、子供のいる家庭にも向いている犬種といえるでしょう。

無駄吠えは少ないのですが、テリアは本来警戒心がとても強いので、良く吠えてしまいます。

そのため番犬には大変向いています。

これは、縄張り意識が大変強い証拠です。

小さい時にしっかりしつける事が、犬の為にも重要な事です。

トイレは覚えさせ易いですが、清潔好きなので、一度汚したシートではトイレをしたがりません。

シートの交換はこまめにしてあげましょう。

一人遊びも大好きで、ボール遊びに夢中になるような、愛玩犬らしいヤンチャな面も持ち合わせています。

テリアほどの頑固さは少ないですが、感覚が鋭く、とても活発な気質なので、飼い主さんには少し我儘に感じる部分もあります。

日本テリアの飼い方・寿命

散歩は30分、一日2回程度が理想です。

夏場は涼しく、冬は暖かい時間帯に行くようにします。

小さい頃からしっかり運動をさせて、筋肉を鍛える事が必要です。

散歩に行けない場合は、家の中でボール遊びなど、体を動かしてあげましょう。

その際、フローリングなどで関節を痛めないように、マットをひくなど、充分気を付けてあげる事が必要です。

こまめなブラッシングは必要ないですが、3日に一回程度はマッサージを兼ねてブラッシングします。

外出が多い場合は、定期的にシャンプーが必要ですが、大体2週間に一回程度で良いでしょう。

短毛種なので、寒さにはかなり弱いです。

秋・冬は室内の温度管理に注意して、外出も気をつける必要があります。

散歩の際は、洋服を着せるなどの工夫が必要です。

「日本テリア」の平均寿命は、約12~14年です。

純血種には、近親交配などによる遺伝性疾患がないとは言えません。

これは、個体種の少ない犬種すべてに当てはまる事ですが、純血種を守る上で避けては通れない問題です。

「日本テリア」特有の病気は個体数が少なく、いまだ詳しい事は分かっていませんが、小型犬特有の関節の病気・目の病気など日頃からの健康管理に、気を付けてあげる必要があります。

高いところからのジャンプは、細い四肢に負担がかかります。

その他、定期的な検査で、犬の健康を守ってあげましょう。

日本テリアの値段

太平洋戦争後、希少な犬種になってしまった「日本テリア」は、現在も年間40頭ほどしか登録されていないのが、現状です。

その為、ブリーダーによりその価格は違います。

大体、20~60万程度とかなり高額です。

ペットショップでお目にかかる事はなかなかありませんので、直接ブリーダーから購入するのが良いでしょう。

特に国外で人気の日本テリア

17世紀頃、日本に入ってきたテリアと、日本犬の交配で出来た「日本テリア」。

テリア種の中でも、唯一日本で改良され、誕生した日本発祥の犬種です。

戦争により、その数は大変少なくなり、愛好家たちの努力によって血統が守られてきました。

一方、日本では洋犬ブームが起こり、「日本テリア」は、益々珍しい犬種になってしまいました。

皮肉なことに、最近では、ヨーロッパで大変人気でてきています。

沢山の方が、この犬の愛らしい魅力を知る事で、末永く「日本テリア」の姿を見る事が出来ると良いですね。