日本でよく見かけるコーギーといえば、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(以下、ペンブローク)です。
でも実は、コーギーには2種類の犬種があり、その一方がウェルシュ・コーギー・カーディガン(以下、カーディガン)です。
どのような犬種なのか、具体的に見ていきましょう。
カーディガンの歴史
カーディガンもペンブロークも、もともとはイギリスのウェールズ地方で牧畜犬として活躍していました。
「ウェルシュ」は「ウェールズの」、「コーギー」はウェールズ語で「小人犬」の意味で、カーディガンシャー地方でよく飼われていました。
起源ははっきりとはわかっていませんが、その歴史はペンブロークよりも古いと言われています。
紀元前1200年ごろに中央アジアのケルト人がヨーロッパを経由してイギリスに持ち込んだという説が有力です。
同じウェールズ地方出身のペンブロークとカーディガンですが、実際は別々の由来を持つ全く違う犬種です。
カーディガンの特徴とペンブロークとの違い
体高が低いので小型犬に分類されることもありますが、体重からいうと中型犬になります。
体格はがっしりとして筋肉質で、胴が長く足が短く、体長は体高の約2倍です。
体高は30cmが理想とされており、25〜30cmのペンブロークに比べると若干大きく感じます。
同じ胴長の犬種であるダックスフントと祖先が近同じという説もあります。
ペンブロークと違って断尾する習慣がなく、フサフサとした尻尾が特徴です。
もっとも、近年ではなるべく断尾をしないという傾向があるため、ペンブロークでも長い尻尾を持っていることもあります。
また、全体のバランスを見ると顔も耳もペンブロークよりも大きい傾向があります。
毛色には様々なバリエーションがあります。
白と茶色の2色しかないペンブロークに比べ、カーディガンは様々な毛色が楽しめます。
カーディガンの性格
もともと牧畜犬だったこともあり、とても活発で、明るく社交的な賢い犬種です。
運動量も多く体も丈夫で、スポーツドッグとして活躍するコーギーも多くいます。
そのため、毎日の十分な散歩が欠かせません。
警戒心が強い一面があり、大きな声で吠えることもあります。
他の犬に対して攻撃的になることもあり、多頭飼いにはあまり向いていません。
ただし、ペンブロークに比べると落ち着いた性格の子が多い傾向があります。
賢いがゆえに、しつけはしっかりとする必要があります。
中途半端な態度を取ると言うことを聞いてくれず、主従関係が崩れてしまいます。
毅然とした態度で、しっかりとしたルールを教えることが重要です。
賢い犬種ですので、しっかりとしつけや訓練をすればとても良いパートナー犬になれます。
カーディガンの寿命とかかりやすい病気
カーディガンの寿命は12〜14歳くらいと言われています。
胴長の犬種に多い病気として椎間板ヘルニアがあります。
コーギーにとっても注意が必要な病気です。
また、食べ物への執着が強く肥満にもなりやすい傾向があります。
肥満により骨に負担がかかることも、椎間板ヘルニアの原因の一つですので、食べ過ぎにも注意が必要です。
そのほかに遺伝性の進行性網膜萎縮症や股関節形成不全、それから尿路結石症にもなりやすいとされています。
10歳くらいからは、変性性脊髄症にかかる場合があります。
原因がわかっておらず治療法もない病気で、発症すると3年以内に亡くなってしまうと言われています。
最初は後ろ足を地面にこすりつけるように歩き、階段の段差を踏み外すなどの症状がみられます。
進行すると前足も同様に動かなくなり、最終的には呼吸ができなくなります。
歩き方の異変に気付いたら早めの受診が必要です。
カーディガンの値段や購入方法は?
カーディガンの値段は、だいたい10〜20万円くらいで売られていることが多くなります。
ただし、カーディガンは日本では人気犬種ではなく、登録件数も100頭に満たない状況です。
そのためペットショップではまず取り扱っていません。
購入する場合は主にブリーダーから直接購入することになりますので、ブリーダーによって値段が変わってきます。
子犬もすぐに売れてしまうことが多く、購入するのはなかなか難しいです。
ブリーダーの数自体も少ないため、近くにブリーダーがいないことも多いです。
何度か会って気に入ってから子犬を購入したいとなると、大変な労力が必要になることもあります。
また、遺伝性の疾患などもあるので、きちんとした繁殖をしているブリーダーさんかどうか、事前に確かめることも必要です。
少ない数の中で繁殖をしていると、どうしても問題が起きやすいです。
病気が多くなったり、犬種のスタンダードから離れていくことも避けられません。
カーディガンを飼うことの第一歩は、信頼できるブリーダーさんを探すことだと言えます。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの特徴を知ろう
胴長の見た目が愛らしいウェルシュ・コーギー・カーディガンですが、日本ではなかなかお目にかかることができません。
しかし、丈夫な体と賢い性格で、きちんとしつけをすれば素晴らしいパートナーになれる犬種です。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの子犬に出会うこと自体が難しいですが、もしも出会えたら貴重な出会いです。
最後まで責任を持ってお世話してあげましょう。