ハクビシンがどんな動物かご存知でしょうか。

名前は聞いたことがあっても、実際に見たり触ったりしたことのある人はそれほど多くはないでしょう。

以前までは、人目につくことはほとんどありませんでした。

しかし、最近では、畑の野菜や果物を荒らしてしまう動物として、山間部などで目撃されることが多くなっています。

あまりペットとしてのイメージのない動物ですが、実際にペットとして飼うことはできるのでしょうか。

今回はハクビシンを飼うときに大変なことをまとめて紹介します。

1.ハクビシンを飼うためには許可が必要

あまりペットとして飼われる動物として、ハクビシンというのは一般的ではないでしょう。

身の回りを探してもいないと思いますし、ペットショップで見かけることもないと思います。

しかし、自宅でハクビシンを飼育することはできないわけではありません。

最近では、ハクビシンが人前に姿を見せて話題となることがあります。

こうしたハクビシンを捕まえて、飼育するということはまったくできないわけではありません。

しかし、野生のハクビシンを飼うためには、鳥獣保護法により行政への申し出が必要です。

ハクビシンは、最近数を減らしてきている動物でもあります。

地域によっては、怪我や病気などの理由がない限りは許可されない場合もあります。

まず、飼うためのこうした手続きなどが煩雑であることを知っておきましょう。

2.ハクビシンは人間に懐かない

ハクビシンは外来種とされていますが、日本でも古くから人との関わりがあります。

しかし、ペットとして飼われている例は少なく、一般的な存在ではありません。

そのため、犬や猫などと異なり、人との共生にはあまり向いていない性格と言えます。

そもそも、野生に近い動物なので、人間に懐くことはほとんどないでしょう。

しつけやトレーニングなどは基本的にはできないと思っていた方が良いと言えます。

そのため、家でハクビシンを飼育しても、苦労することは想像に難くないでしょう。

人間と動物がいっしょに生活するためには、最低限のしつけが必要です。

そういったことが求められるような動物ではないのは、あらかじめ性格や大変さを理解してく必要があります。

3.ハクビシンは飼育スペースが必要

ハクビシンはジャコウネコ科の動物です。

日本ではジャコウネコ科の動物はハクビシンのみで、あまり馴染みがある動物ではありません。

そのため、成長すると意外に体のサイズが大きくなり、驚くこともあるでしょう。

野生のハクビシンは、果物などの食料を探すためにとても活発に動きます。

室内で飼育するときにも、じゅうぶんな運動量の確保できるスペースが必要です。

動物にとってストレスは、攻撃的な性格が出やすくなる原因になるので、最低限気をつけておくべきポイントと言えます。

ハクビシンは人に懐かず、散歩や運動ができない以上、広い飼育ケージは必須と言えるでしょう。

なかなかこうした設備を設えるのも、飼うのが大変だと言われる大きな理由のひとつです。

4.ハクビシンはいたずらや攻撃性がある

野生動物を人のもとで飼育するというのは、とても大変であるのはわかるでしょう。

人になかなか懐かないというのもひとつですが、もうひとつはその攻撃性にあります。

いきなり捕獲されて、知らないケージに閉じ込められたら、当然人間を敵対視するでしょう。

そうした容赦ない攻撃性が飼い主には向けられるものだと思っておきましょう。

また、飼育スペースの衛生環境などは、ハクビシンが知る由もありません。

ハクビシンは、普段から木に登り、高い所からフンなどをする習性があります。

そのため、家の中で飼うときには、糞尿などに汚される覚悟も必要です。

こうした野生動物は、懐かないわりには、とても手間がかかると言えます。

5.ハクビシンは夜行性

もうひとつ、ペットとして飼うのが大変なことは、ハクビシンが夜行性だということです。

夜行性の動物自体が珍しいというわけではありません。

しかし、夜に部屋でガサゴソ動くものというのは、飼う人にとって大きなストレスになります。

ハクビシンの場合には、夜中でもお構いなく暴れたりすることも想像されます。

こうした騒音は、自分自身だけでなく、ケージを外に置く場合にはご近所にも迷惑がかかることもあるでしょう。

飼うためには、いろいろと気苦労が絶えない動物だと言えます。

よっぽどの物好きでない限り、こうした動物と長い間付き合っていくのは大変でしょう。

家族のいる人には、飼うときに同意や協力を得る必要があるかもしれませんね。

6.ハクビシンは多産、発情期の気性

ハクビシンは、ここまで紹介したように、一匹でも飼うのが大変な動物です。

そして、さらに複数のハクビシンを飼うときには、さらなる苦労も加わります。

まず、春から夏にかけて発情期になると非常に気性が荒くなる傾向があります。

野生動物に近い動物は、発情期や子育て期には、とても警戒心が強くなります。

この時期にはさらに攻撃性も高まるので、飼うときには一層の苦労がかかることでしょう。

また、ハクビシンは非常に子どもをたくさん産む動物です。

母親を中心にした家族で群れを作り生活、その数は20頭くらいにもなったりします。

子どもの頃から飼育すれば多少人になれる可能性もありますが、繁殖にも苦労が伴うことを覚えておきましょう。

ハクビシンをペットとして飼うのは大変

ハクビシンを家庭で飼育することは不可能ではません。

しかし、野生の動物を飼うというのは、やはりそれなりに大変なことです。

最近では害獣としての悪評も目立つのですが、よくよく見れば可愛らしい顔つきにも見えるでしょう。

しかし、人に懐かず、人の言うことを聞くような動物ではないことはありません。

また、届出が必要というのも、なかなか気軽に飼育できない理由と言えます。

飼いたいと検討している場合には、こうしたことをしっかりと考えて置く必要があるでしょう。