1万5千年以上前に東アジアで狼から分かれていったのが犬の始まりと言われています。
それから時が経ち、今日ペットとしても世界中で大人気の犬は、人間にとって最も身近な動物であると言えるでしょう。
犬を飼っている家の赤ちゃんは、犬を飼っていない家の赤ちゃんに比べて呼吸器疾患が半減する、というデータからも分かるように、犬は人間にたくさんの恩恵を与えてくれます。
日本だけでなく、世界中で犬は身近で人気のある動物です。
それは海外の犬にまつわることわざの多さからも知ることができます。
Love me, love my dog
直訳すると、私を愛しているなら、私の犬も愛して、という解釈もできます。
また、その人を愛するなら、その人の家族友人まで全て愛さなければならない、という解釈もできます。
実際の会話では「私を愛しているなら、あれもこれも許してよね」といった図々しいニュアンスで、使われています。
敢えて日本のことわざに当てはめると「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」でしょうか。
そのまま当てはまる日本語のことわざはありませんが、このことわざが一番しっくりきます。
犬を飼っている方々にとって犬は家族同然です。
犬を愛してくれない人が自分を愛すことなど不可能だ、と感じている人も多いかもしれません。
犬好きの人が結婚するときに「love me, love my dog」と言って相手の気持ちを確認するのは、ごく自然なことなのでしょう、
打人骂狗(ダーリェンマーゴウ)
中国語で犬は「狗」(ゴウ)と言います。
犬の前にある「骂」は罵るという意味の単語です。
つまり、人を叩いて(打人)、犬を罵る(骂狗)=全く温かみのない非道な心という表現になります。
中国にはペットの文化があまり根付いていない場合も多く、日本のように犬を可愛がる文化もあまりありませんでした。
しかし近年中国の富裕層の中では、室内犬を飼う人も増えており、犬に対する認識も少しずつ変わりつつあります。
the dog that trots about finds bone
こちらは「犬も歩けば棒に当たる」という英語のことわざです。
「trot」という言葉を辞書で引くと、馬のだく足、早歩き、と出てきます。
つまり、犬がてくてく歩けば、骨をみつけることができる、という感じです。
ちなみにこのtrotという単語は辞書にあるように、馬について使われることも多いです。
子供の遊びの中で「trot like a bourse!」(馬のようにパッカパッカしよう。)という台詞としても登場します。
关门打狗(グアンモンダーゴウ)
直訳は「关门(門を閉めて)打狗(犬を叩く)」ですが、ここでの犬は敵のことを言っています。
つまり、門を閉めて敵を攻撃する→敵を攻撃するときは、どこかに追い詰めてから攻撃をするのが良い、という表現になります。
こちらは日本語に該当することわざはありませんが、中国古来から言われている「兵法」の1つです。
let sleeping dogs lie
触らぬ神に祟りなし、を意味する英語のことわざです。
日本の犬の飼育率は全体の約20%で、その内70%が小型犬と言われています。
ところが、アメリカやオーストラリアでは飼育率が全体の約40%、そのほとんどが大型犬と言われています。
したがって英語圏では、犬は大きくたくましい、というイメージが強く、そのイメージが寝ている犬を起こしてはいけない、というこのことわざに繋がったのだと考えられます。
ちなみに犬の聴覚は人間の6倍、嗅覚は100万倍、知能は人間の2〜3歳児並みです。
特に記憶力に優れ、人の顔を認識することもできます。
このような素晴らしい能力のおかげで、ペットとしての役割だけでなく、警察犬としてのプロフェッショナルな役割まで、多岐にわたりこなすことができるのでしょう。
狗屁不通(ゴウピーブートン)
多くは文章について使われ、全く意味が通っていない、デタラメだ、という意味の表現になります。
そこから転じて「下らないことを言うな」という意味で使われることもあります。
中国語のことわざの中ではマイナスイメージとして使われることが多い犬ですが、実は中国には、世界一の値段がついた犬がいます。
それは「チベタンマスティフ」。
別名チベット犬と呼ばれる希少種で、チベット高原原産の犬です。
なんとこの犬には3億7,320万円の値が付いたそうです。
毛の長いがっしりとした大型犬です。
犬にまつわる海外のことわざを知ろう
今回は犬にまつわる海外のことわざをご紹介しました。
英語でも中国語でも、たくさんの表現が存在します。
今回は英語と中国語のものだけを紹介しましたが、世界中の言語では、さらにたくさんのことわざが見つかることでしょう。