ペットとの暮らしは毎日の生活に潤いと癒しを与えてくれます。
中でも犬は家族の一員として迎えられ、最近では小型犬だけでなく大型犬でも室内で飼われることも多いようです。
そんな時、飼い主を悩ませることの一つは、犬の抜け毛ではないでしょうか。
犬を迎えるにあたって、お気に入りの犬種がいても、その犬の抜け毛が心配だという人もいるかと思います。
一般的に、オーバーコート(上毛)の下にアンダーコート(下毛)のある、ダブルコートの犬種は抜け毛が多く、アンダーコートのないシングルコートの犬種は抜け毛も少ないと言われています。
ここでは抜け毛の多い犬種をご紹介します。
シベリアンハスキー
シベリアンハスキーはシベリアなどの寒い地方でそりを引いて荷物を運んだりする作業犬で、長い距離を走ることができ、寒さに強く友好的な性格の犬です。
その被毛は粗く多量で、長さは中位です。
春から夏や秋の換毛期には大量に毛が抜けて、その量は抜け毛でクッションを作れるほどという人もいるほどです。
毛はそれほど長くないのでお手入れは簡単で、普段はスキンシップしながら一週間に一回程度のブラッシング、換毛期には毎日ブラッシングをして抜け毛を取り除いてやります。
生え変わった抜け毛をそのままにしておくと皮膚病になることもありますので、換毛期には特に丁寧にお手入してあげると良いでしょう。
ゴールデンリトリーバー
ゴールデンリトリーバーはイギリス・スコットランド地方原産の犬で、温和で賢く、人懐っこい性格の犬です。
抜け毛は春から夏にかけてが特に多く、ごっそりと抜けますし、換毛期以外でも抜け毛は多めです。
体重が30~40㎏ほどある大型犬ですので、その抜け毛も大量になります。
この季節に抜けたアンダーコートの毛をブラッシングしてしっかりと取り除いてあげないと、夏場に体を涼しく保つことができず熱中症になってしまう心配もありますので、換毛期には毎日しっかりとブラッシングしてお手入してあげることが欠かせません。
ボーダーコリー
ボーダーコリーはイギリス原産の牧羊犬で、賢く注意深い性格で、訓練しやすい犬種です。
牧場で羊を追う姿からもわかるように、運動量がとても多くよく走り回ります。
その毛は長くふさふさとしている上にダブルコートですので、汚れた毛が抜け毛とからまってしまうとお手入れが大変です。
またその毛がからまって毛玉が増えると皮膚病になる心配もあり皮膚によくありませんので、換毛期には特にこまめにブラッシングして抜け毛を取り除いたり、毛がからまるのを防いであげることが大切です。
シェトランドシープドック
シェルティーの名で呼ばれることも多いこの犬は、イギリスのシェトランド島で牧羊犬として品種改良されて誕生した犬種です。
感受性が強く、明るい性格で、牧羊犬という性格上、運動量がとても多いのが特徴です。
その毛は長くてふさふさしていてとても優雅ですが、ダブルコートになっている毛のアンダーコート部分の毛の量は多いので抜け毛も多く、抜けたアンダーコートが長いトップコートとからまってしまうと手入れが難しくなってしまいますので、毎日こまめにブラッシングしてあげる事が大切です。
この犬種は皮膚が弱いので、特に毛玉になりやすい部分は気を付けてブラッシングして抜け毛を取ってあげることで寄生虫や皮膚病の予防にもなります。
柴犬
忠誠心が強く、主人に忠実なこの犬種は日本古来の狩猟犬です。
賢く飼いやすい性格から、最近ではアメリカをはじめとして海外でも人気があり、素朴で凛々しい外見から、日本でも根強い人気があります。
被毛はそれほど長くはありませんが、そのアンダーコートは立派で、冬場にはもこっとした毛並みになり、毛が生え変わった夏場と冬場では見た目や顔つきまで違って見えることがあるほどです。
春から夏にかけての換毛期には抜けたアンダーコートの綿毛が浮き出て見えるほどごっそり抜けます。
そしてその抜け毛をしっかりと取ってあげないと体に熱がこもって熱中症になったり、新陳代謝が妨げられて皮膚病になったりすることもあります。
換毛期の抜け毛の多い時期にはコームやスリッカーブラシを使って抜け毛をしっかり取り除いてあげることが大切です。
ウェルシュコーギ―ペンブローク
この犬はイギリスのウェールズ地方で牛などの誘導に使われていた牧畜犬で、体力があり、その性格は明るく活発で気が強く、時には頑固なこともあると言われる犬種です。
この犬の被毛もダブルコートで、毛の長さはそれほど長くはなくむしろ短毛ですが、アンダーコートが厚く、一年中毛が良く抜けると言われています。
シャンプーやブラッシングをこまめにして、お手入れを念入りにし、毛の間の通気を良くしてあげて、皮膚炎を防いであげるなどの注意が必要です。
ビーグル
イギリス原産のビーグルはスヌーピーのモデルとしても有名で愛らしく、散歩やスポーツが好きな明るく活発な性格の狩猟犬です。
その被毛は短毛で密度が濃く、抜け毛も多いのが特徴です。
毛が短いと抜け毛もあまり気にならないのではというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、ビーグルの毛の様に短い抜け毛は衣服やカーペットなどの布に刺さって取りにくく、掃除に手間がかかるといったこともあるようです。
また、ビーグルは体臭も比較的きつめと言われるので、こまめにシャンプーしたり拭いたりしてお手入してあげたり、ラバーブラシなどを使ってブラッシングしてあげると良いようです。
フレンチブルドック
フレンチブルドックはフランス原産の活発で利口な性格の犬種で、その耳はコウモリの羽のような形をしていて、鼻先が短く愛嬌のある顔つきをしているのが特徴的です。
フレンチブルドックの被毛は短く、お手入れは比較的簡単ですが、抜け毛は多く、換毛期にはそっと撫でただけでも抜け毛がパラパラと落ちたり手に付いたりすることもあるようです。
お手入れとしては、ラバーブラシなどを使って毎日ブラッシングをして汚れを落としてあげると、血行も良くなり健康維持にも効果的です。
抜け毛が多い犬種の場合お手入れしてあげることが大切
ここまで抜け毛の多い犬種についていくつか挙げてまとめましたが、これらの犬種と反対に、抜け毛の少ないものにはトイプードルやシー・ズー、マルチーズなどが挙げられます。
これらの犬はシングルコートで抜け毛が少ない一方で、その毛が伸びて長くなり、毛がからんだり毛玉ができやすいといった特徴があり、毎月のトリミングが必要で手入れは比較的大変な面もあります。
また同じ犬種の犬でも飼われている環境によって抜け毛の量も違ってきます。
抜け毛の多い少ないにかかわらす、どんな犬でもきちんと適切なお手入れをして清潔を保ち、いつまでも家族の大切な一員として健康に長生きできるようにしましょう。