元々犬は皮膚病にかかりやすい動物と言われていて、人間の34倍も皮膚病にかかりやすいと言われています。

中でも、皮膚疾患の中でも出来やすいとされている、通称イボと呼ばれる「皮膚乳頭腫」には、色や形で、放置しておいて良いものや緊急を要するものまで多種に渡ります。

今回は犬のイボの色別の種類と症状をご紹介します。

カリフラワー状でピンク色のイボは乳頭腫

イボがカリフラワー状でピンク色のイボならばそれは「乳頭腫」です。

皮膚上に出来、乳頭のような形をしているため、こう呼ばれます。

犬に発症する事が多く、良性のものが多いのでそれほど緊急で受診をしなければならないということはなく、数週間や1ヶ月前後で自然に治ることもあります。

この皮膚疾患の原因は、パピローマウィルスを元々保持している犬との接触での感染か、不衛生な環境での飼育で起きることがあります。

また、散歩の最中のおしっこや唾液からも感染することがあります。

普通に飼育していたら、散歩などは必ずすることになりますので、感染の危険は常にあります。

そしてこれは人にも感染することがありますので注意しましょう。

楕円形で弾力のあるイボは脂肪腫

腹部、胸部、内股、脇の下の皮下組織に、楕円形の弾力あるイボなら「脂肪腫」です。

これは、名前通り脂肪の塊で数年かけて大きくなっただけなので良性腫瘍になります。

ですので、放置しておいても大丈夫ですが、もしも脂肪腫が筋肉の間に出来た場合は、歩き方に異変が出るのできちんと病院を受診しましょう。

脂肪腫は、ウィルスによる感染ではないということはわかっていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

しかし老犬に多く見られることが特徴で、全身の皮下組織に多く発症しています。

黒いイボはメラノーマの可能性がある

色が他のイボよりも黒く、色がまだらになっていたり、盛り上がっていたり、境目がはっきりしなかったりする場合はメラノーマと言われる「悪性黒色腫」、いわゆる皮膚癌です。

もちろん、ほくろのように良性腫瘍もありますが、ほくろの場合は大きさは小さく、境目もきっちりとわかりますので、比較的見分けはつきやすいです。

メラノーマは、外界と接する皮膚に多く発症します。

特に、口腔内や足先がほとんどで内蔵から発生することはあまりなく、肺から見つかった場合はほぼ転移です。

外界と触れる皮膚に多いのは、外部からの刺激が原因とされています。

口の中ならば、硬いドッグフードや、骨のガム、噛むおもちゃの慢性的な刺激が挙げられ、足先なら足裏への刺激が多い散歩コース、砂利道や真夏の焼けたアスファルトといった、路面から受ける刺激が強いとメラノーマになりやすいです。

もちろんこのような外的な要因もありますが、1番は体力の低下、免疫力の低下が挙げられます。

免疫力が下がってしまうと、メラノーマの発生や成長を食い止めておけず、どんどん増殖してしまい、メラノーマ特有の進行スピードに速さで、あちこちに転移してしまう可能性があります。

黒いイボを見かけたらすぐに病院に行くようにしましょう。

黄色い顆粒状のイボは毛包腫瘍

皮膚に硬いコブのようになっていて、黄色くチーズの様な顆粒状の小さなイボの集まりを「毛包腫瘍」と言います。

これは良性、悪性どちらにも転ぶ可能性がある腫瘍で、大きさも親指程度から拳くらいの大きさまで様々で、放置していると徐々に大きくなります。

毛包腫瘍は、犬が発症する腫瘍の5%を占めていて、ほぼ良性腫瘍ですが、極稀に肺やリンパへ速いスピードで転移する悪性腫瘍になる場合があるので注意が必要です。

毛包腫瘍の発祥の原因はわかっていません。

人間と同じメカニズムで発症している可能性もありますが、未だに詳しくは解明されていません。

脱毛しているイボは基底部腫瘍

犬の皮膚表面にできるイボで、柔らかかったり硬かったり様々ですが、基底部と言われる皮膚の表面に凝り固まった腫瘍ができて、脱毛するようなイボを「基底部腫瘍」と言います。

こちらも大半は良性腫瘍と言われているので、心配は要りませんが、稀に悪性の場合があります。

悪性の場合は患部がドーム状に膨れ上がるので、見分けは簡単につけられます。

猫の場合は遺伝子要因が考えられるのですが、犬の場合は未だ原因はわかっておらず、猫は全身で見られますが、犬は頭頸部、肩などが羅患することが多いです。

表面にできるイボで、日頃からよく触れ合い一緒にしていると気が付きやすいので、毎日気をつけて見てあげることが大切です。

どんなイボも気になるならば動物病院へ

このように、イボと言っても様々な種類があります。

放置しておいても大丈夫なものや、緊急性を要するものがあるので、気になったら早めに病院を受診するようにしましょう。

ほとんどは良性腫瘍ですが、悪性の場合がありますので素人の自己判断はしない方が良いでしょう。

また、日頃からしっかりと様子を確認し、注意をして撫でてあげることが大切です。