避妊、去勢手術や怪我、病気の手術の後は、猫が傷口を舐めてしまわないようにしばらくエリザベスカラーをつけることになります。
すぐに慣れてしまう猫もいますが、中にはパニックを起こすほど嫌がって暴れてしまう猫もいます。
ここでは、猫がエリザベスカラーを嫌がるときの対処法をご紹介します。
エリザベスカラーの締め付けを弱くしてみる
普段首輪をつけずに生活している猫には、エリザベスカラーの首を絞めつける感覚を不快に感じ、嫌がってしまうケースが多くあります。
首周りを執拗にかいたり、首元を舐めようとする仕草は、首を絞めつける初めての感覚に少し息苦しさを感じているのかもしれません。
猫が首を振ったり、多少暴れても外れない程度にエリザベスカラーの締め付けを弱くしてみましょう。
しばらくはエリザベスカラーを気にする仕草が続きますが、数日後にはまったく気にしなくなるでしょう。
締め付けを弱めることでエリザベスカラーが不安定になるため、かえって嫌がるようになる猫もいます。
エリザベスカラーの締め付けを弱くしたら、しばらく猫の様子を観察してください。
猫がエリザベスカラーを外してしまったり、余計に嫌がって暴れてしまったときは、すぐに元の状態に戻してください。
エリザベスカラーに慣れるまで待つ
手術後に病院でつけてもらうエリザベスカラーには、がっちりと固定されていてサイズを変更したり外せないようになっているものがあります。
この場合は、そのままの状態で猫がエリザベスカラーに慣れるまで待ちましょう。
獣医さんの許可を得ずに自己判断で勝手にエリザベスカラーを外すことは絶対にやめてください。
猫が暴れても怪我をしないように、しばらくの間はケージで生活をさせましょう。
ケージの中にブランケットや毛布を敷き詰めるように敷けば、猫がケージにぶつかってしまっても安全です。
エリザベスカラーをつけたばかりの猫は気が立っているため、無暗に手を出すことは危険です。
猫が落ち着くまで、飼い主はそっと見守りましょう。
猫は変化に敏感ですが、それと同時に順応性がとても高い生き物でもあります。
はじめはエリザベスカラーを嫌がっていた猫でも、早ければ半日ほどで慣れてしまうこともあります。
エリザベスカラーをつけてから2~3日は様子をみましょう。
暴れて怪我をしたり、数日たっても嫌がるなら獣医さんに相談して他の方法を試してください。
エリザベスカラーを変える
現在は、一般的なプラスチック製のエリザベスカラー以外にも素材や形が工夫された多様なエリザベスカラーがあります。
あらかじめ猫の好みに合ったエリザベスカラーを用意しておけば、術後の猫のストレスを減らすことができます。
猫のエリザベスカラーは人にとっては小さく軽いものに感じますが、猫にとっては意外と重みがあります。
軽い素材でできたものを選べば、首への負担が減らせます。
色付きのエリザベスカラーは、前後の視界が遮られてしまうため、猫がふらついてしまう原因になります。
視界を遮らない透明なエリザベスカラーをつけると良いでしょう。
プラスチック製のエリザベスカラーは固いため、部屋の家具や壁にぶつかってしまうと不快感があります。
顔に当たっても不快感のない布製の柔らかい素材のものもオススメです。
市販のエリザベスカラーを使うときは、簡単に外れないか、猫が傷口を舐めないようにガードできているか、事前に確認してください。
猫にあったエリザベスカラーを作る
猫にあったエリザベスカラーを手作りすれば、不快感が減らせます。
猫の首のサイズにあった長方形のクッションを作り、両端にリボンをつけて猫の首にぐるっと回して固定すれば、軽量でぶつかっても痛くないエリザベスカラーが簡単に手作りできます。
手作りのエリザベスカラーは、飼い猫にピッタリのサイズなので安定し、不快感を減らすことができます。
エリザベスカラーを手作りするときは、不快感を減らすためにサイズを小さくし過ぎないように気を付けましょう。
エリザベスカラーの幅は、首の長さの半分程度は必要です。
猫は体が柔らかいためある程度幅がないと簡単に傷口が舐められてしまいます。
傷口を覆う
どうしても猫がエリザベスカラーを嫌がるなら、代わりに術後服や腹巻きを利用するのも方法の1つです。
避妊手術や体の怪我なら、猫用の腹巻きで傷を覆うことで傷口を舐めさせないようにできます。
手足の怪我の場合は、ガーゼのような通気性の良いもので猫用の靴下を作っても良いでしょう。
ただし、術後服や腹巻きは皮膚病や手足の怪我には使えません。
傷口が蒸れてしまうと問題のあるケースは多々あります。
そのため術後服や腹巻きを利用するときは、獣医さんに利用しても良いか相談してから使ってください。
エリザベスカラーを嫌がっていても基本的には勝手に外さない
猫が嫌がるからと獣医さんの許可なしにエリザベスカラーを外してはいけません。
傷口を舐めてしまうと、傷が悪化して治りが遅くなることもあります。
傷口に塗った薬品によっては、猫の口に入ると害になるものもあります。
獣医さんの許可なく勝手にエリザベスカラーを外してしまうことはやめましょう。