猫の病気の中でも特に多いのが皮膚の病気です。
そしていつも皮膚のトラブルを繰り返す猫がいるものです。
皮膚が弱い猫に飼い主ができることは、どんなことがあるでしょうか?
猫の皮膚の異常をチェックする
猫の皮膚病に対してできることの一番目は、飼い主がいつも猫を注意深く観察して皮膚の異常を発見し、悪化させないうちに素早く解決策を取ることです。
良くある症状は、発疹、かさぶた、皮膚の荒れ、皮膚の肥厚、脱毛、ふけ、毛づやが悪くなる、痒がる、異常な体臭、粘膜の炎症、肉球の炎症などです。
猫をいつも注意深く観察して、たとえ小さなことでも皮膚に異常が起きていないか十分にチェックしましょう。
毛が長い猫は見つけにくいこともありますので、毎日ブラッシングをして、毛をかき分けて奥の皮膚までよく見るようにしましょう。
動物病院で検査をして原因に合った治療をする
猫の皮膚のトラブルの原因は様々です。
寄生虫、細菌、真菌の感染、アレルギー、免疫力の低下、外傷、ストレス、食生活、紫外線などです。
そしてこれらの複数が合わさってトラブルを起こすこともあります。
例えば、猫がノミに噛まれると、アレルギー反応を起こして「ノミアレルギー性皮膚炎」を起こします。
どれが原因かは獣医師でなければ正確な判断はできませんが、飼い主が知識を持っておくことは必要です。
皮膚のトラブルを発見したら、悪化させないうちに速やかに獣医師に連れて行きましょう。
猫の皮膚病は、症状が皮膚に現れていても、その原因が内臓から来ている場合もあります。
他の病気があると免疫力が下がって、普通は感染しないような皮膚の病気を起こすこともあります。
表面からはわからないこともあるので、必ず獣医師に連れて行って、それぞれの原因に合った治療をしましょう。
アレルギーかどうかの判断をする
いつも皮膚のトラブルを繰り返す猫は、アレルギーの可能性があります。
アレルギーの原因になる物質(アレルゲン)は、食べ物、ノミ、ダニ、花粉、ほこり、金属、プラスチックなどです。
カーペットや壁紙などに反応を起こすこともあります。
猫のアレルゲンは、人間と違って特定するのは難しいですが、獣医科である程度はわかります。
また生活上で思い当たることがあったら、できるだけ排除するようにしましょう。
猫の生活環境を清潔にする
猫の皮膚病の多くはノミ、ダニ、などの虫から起こります。
猫の住みかを清潔にして、こうしたものをできるだけ駆除しましょう。
ノミやダニの駆除剤がありますので、もし必要なら使いましょう。
ただ殺虫剤は猫に有害なものや猫のストレスを増長させるものもあるので、使う時には十分気を付けましょう。
また猫の排泄物からうつる細菌もあり、内臓の病気になると免疫力が落ちて皮膚病にもかかりやすくなるので、猫のトイレの掃除はきちんとしましょう。
猫の食生活の改善
猫のアレルゲンが食品にある場合、キャットフードを変えると皮膚病の症状が改善することがあります。
低アレルギーのキャットフードがありますので、様子を見て変えてみるのも良いでしょう。
また栄養状態が悪いと免疫力が下がって皮膚病になるので、食生活全体を見直して、改善すべきところがあったら改善しましょう。
猫の毛と皮膚のケア
できるだけ毎日ブラッシングをして、抜け毛や汚れを取って、猫の肌と毛の清潔を保ちましょう。
ブラッシングは皮膚の血行や新陳代謝を良くして、皮膚病を防ぐ効果があります。
またブラッシングをしながら皮膚の異常を見つけることができるという点も重要です。
シャンプーをしすぎると皮脂が落ちて皮膚に良くないので、シャンプーの使用は年に2-3回くらいにしましょう。
猫の耳は特に感染症になりやすい場所なので、綿棒に猫耳ローションをつけて一か月に一回くらい耳掃除をしましょう。
なるべく外に出さず室内で飼う
猫を外飼いにすると、他の猫と接触して皮膚病の病原菌や寄生虫をもらってくることがあります。
例えば外でほかの猫と接触してヒゼンダニをもらってきて疥癬症になるケースがよくあります。
ネズミや鳥を捕まえて、その肉から感染することもあります。
また白猫や毛の色が薄い猫は、紫外線で皮膚に炎症を起こすことがあります。
皮膚が弱い猫は外飼いにせず、できるだけ室内で飼いましょう。
猫のストレスをためないようにする
ストレスによる皮膚のトラブル、「ストレス性猫皮膚炎」は2種類あります。
一つはストレスにより免疫力が下がって皮膚の感染症になったり、皮膚の血行が悪くなって脱毛するといった、神経内科系の問題です。
もう一つはストレスによって、毛が抜け落ちるまでグルーミングをしてしまう、そして時には自分で肌を搔きむしってしまうという、猫のノイローゼとも言える異常行動です。
猫は様々な原因でストレスを感じてそれが心身に現れます。
愛情不足、引っ越し、猫嫌いの人が近くにいる、複数の猫間の関係の問題、気に入っていたものが使えなくなる、猫が怖がるものがある、運動が十分にできないなど。
何かストレスの原因になるものに思い当たったら、その原因を排除しましょう。
皮膚が弱い猫にケアをしてあげよう
猫の皮膚病の種類は様々で、その治療法も多様です。
しかし皮膚病は内臓の病気と違って症状が目に見えやすく、対策もしやすいものです。
皮膚が弱い猫に対して飼い主ができることはたくさんあります。
猫がいつも健康で、美しい毛並みと肌を保てるように、精一杯のことをしてあげましょう。