猫といえば長く真っ直ぐなしっぽが印象的ですが、中には短いしっぽを持つ猫やしっぽの先が曲がっているかぎしっぽな猫もいます。
かぎしっぽな猫は、どうしてかぎしっぽになるのでしょうか。
その理由をご紹介します。
両親のしっぽの長さが違うため
猫のしっぽは、真っ直ぐ長いしっぽや中空で折れているしっぽ、ジャパニーズ・ボブテイルなどのように短いしっぽやマンクスのようにしっぽがないなど、様々な長さや形のしっぽがあります。
かぎしっぽな猫が生まれる理由として、両親のしっぽの長さが違うことが挙げられています。
長いしっぽを持つ猫と短いしっぽを持つ猫が交尾し、子猫が生まれたとします。
長いしっぽになる遺伝子に短いしっぽになる遺伝子が合わさったときにしっぽの先が曲がり、いわゆるかぎしっぽな猫が生まれるとされています。
ただし、長いしっぽと短いしっぽの両親から必ずしもかぎしっぽな猫が生まれるとは限りません。
かぎしっぽな猫になるのはまさに偶然が生んだ産物と言えるでしょう。
出生後に踏まれて変形してしまった
両親のしっぽの長さが違うために先天的にかぎしっぽな猫がいる一方で、後天的にかぎしっぽになる猫もいます。
生まれたばかりの猫の骨はまだ柔らかく、当然しっぽの骨も柔らかいために変形しやすいと言われています。
この時期に母猫や兄弟猫に踏まれてしまい、骨が変形してそのまま固まり、結果としてかぎしっぽな猫になってしまった場合もあります。
なお、このように後天的にかぎしっぽになった猫の遺伝子は、もともとは真っ直ぐ長いしっぽになる遺伝子を持っています。
将来この猫が子どもを生んだとしてもかぎしっぽな猫が生まれる可能性は低く、真っ直ぐ長いしっぽを持つ猫が生まれる可能性が高いです。
かぎしっぽな猫が多い地域がある
長崎は、猫が多い地域として猫好きの人たちの間では有名です。
海と坂の街にたたずむ猫は、とても絵になりますね。
そして、長崎にいる猫はかぎしっぽな猫が多いのです。
かつて日本では、長く真っ直ぐなしっぽを持つ猫は年を取るとしっぽがふたつに裂け、「猫又」という妖怪になると信じられていました。
夜中に油を舐めに来たり、主人を襲いに来たりすると言われ、人々は猫が猫又になることを恐れていました。
そのため、長く真っ直ぐなしっぽを持つ猫より短いしっぽの猫が良いとされました。
特に長崎では人為的にしっぽが長くならないような交配が積極的に行われた時期があり、現在でもしっぽの短い猫やかぎしっぽな猫が多いのです。
ペットショップにかぎしっぽな猫がいないのは何故?
ペットショップに行くと、たくさんの種類の猫がいます。
アメリカン・ショートヘア、ロシアンブルー、シャム、スコティッシュフォールドなど人気の種類の猫がいます。
ところが、しっぽを見てみるとみんな長く真っ直ぐなしっぽをしており、かぎしっぽな猫は見受けられないですね。
そもそも、ペットショップで販売されている猫たちは、ほとんどが純血種です。
アメリカン・ショートヘアやロシアンブルーなどは長く真っ直ぐなしっぽになる遺伝子を持つ猫なので、それらの猫からかぎしっぽな猫が生まれる可能性は極めて低いと言えます。
どうしてもかぎしっぽな猫を飼いたいと思うのであれば、ペットショップに行くのではなく、動物愛護センターや猫の保護活動をしている団体のもとへ出向く方が出会える可能性が高くなると思われます。
かぎしっぽだと何か不都合はあるのか?
かぎしっぽな猫は、長く真っ直ぐなしっぽの猫と比べて何か不都合があるのでしょうか。
結論から言うと、特に不都合はなく、健康面でも特に問題はありません。
ただし、今まで真っ直ぐだったのに急にかぎしっぽになった猫の場合は話が違います。
大人になって急にかぎしっぽになる理由として、「ドアにしっぽをはさんでしまった」、「事故や落下などでしっぽを損傷した」などがあります。
猫のしっぽには神経が集まっているため、曲がってかぎしっぽになったことにより神経が傷付き、痛みが出たり歩行や排便に支障が出る恐れがあります。
最悪の場合、曲がって損傷した部分が壊死し、断尾しなければならないこともあるため、一刻も早く動物病院に連れて行き、獣医師の診察を受けさせましょう。
かぎしっぽになる理由を知ろう
かぎしっぽな猫がかぎしっぽになる理由をご紹介しました。
かぎしっぽになる理由として、両親の遺伝子のかけ合わせによる先天的なものと出生後に踏まれてしまってしっぽの骨が変形したことが原因の後天的なものがありました。
先が曲がっていますが、特に不都合はません。
また、海外ではかぎしっぽな猫が珍しいため、幸運を招くとして重宝されています。
幸運を招くと聞くと、かぎしっぽな猫たちを見る目が変わるかも知れませんね。