アフガンハウンドは見事なフサフサの長い毛並みとスラッとした大きな体。

サイトハウンドらしく長いマズルとクリクリの目で世界的に愛されている犬種。

今回はそんなアフガンハウンドをクローズアップし、徹底解剖してみますね。

アフガニスタン出身の暑がりさん

アフガンハウンドは、その名の通りアフガニスタン生まれ。

北部の約4,000年前に使われていた洞窟の中に、アフガンハウンドらしき犬の姿が刻まれた壁画が残されているのだそうです。

アフガニスタンは乾燥した内陸国、しかも山岳地帯で高度があるためかなり寒い土地柄。

そんな環境に適応するためにアフガンハウンドはあの特徴的な長毛を蓄えました。

そんな背景から、アフガンハウンドはとっても暑がり。

日本の温暖湿潤な気候とは相性が悪く、ちょっとツラそうです。

したがって、アフガンハウンドを飼うのであれば、室内飼いをして温度調整に気を遣ってあげましょう。

夏場はアフガンハウンドのいる部屋のクーラーを一日中つけていてあげる必要があります。

お散歩や運動などの後はタイル張りの床や冷却マットなどでクールダウンさせてあげましょう。

アフガンハウンドは自我が強く服従させるのが難しい

アフガンハウンドは一般的にしつけが難しく、なかなか人間に服従しない犬種であると言われています。

あまりに聞かん坊なことから、研究者による犬の知能テストで目も当てられない結果叩き出しました。

「最も知能の低い犬」という不名誉な称号を得たなんていう逸話も。

しかし、アフガンハウンドはけっしておバカな犬ではないんですよ。

元々は狩猟犬であるアフガンハウンドは、その飛びぬけた身体能力から、猟師の指揮下から離れて狩りをすることもよくありました。

そのため、主の命令を待つばかりではなく、自分で判断して行動できるように、交配の中で整えられていったのだと言われています。

そのような背景があるからこそアフガンハウンドは自立心が強く、自分の意に沿わない命令は絶対に聞きません。

元々外飼いの犬だったことから、トイレなどを教えてもなかなか覚えないのだそう。

それゆえにプロの調教師でもしつけが難しいという手ごわい犬種です。

アフガンハウンドはお散歩・運動はたっぷりと

アフガンハウンドはお散歩や運動の時間を長くとる必要があります。

サイトハウンドの一種であるため、その視野は270°もの数字を誇り、1km先で動いているものすら判別できるという驚異の視力と距離感を持っています。

狩猟犬であったことから敏捷性や持久力にも大変優れており、それほど運動に恵まれた身体を持て余すのではアフガンハウンドにとって大変なストレスです。

目安としては朝晩各1,2時間のお散歩、それにプラスして30分程度思いっきり走らせてあげることが必要です。

頻繁にドッグランなどの犬が思いっきり走れる環境へ連れて行ってあげることができればベストですね。

ただし、小型犬などを見ると狩猟本能が目覚めてしまう危険性があるため、リードを外す場所選びはくれぐれも慎重に。

アフガンハウンドは繊細そうでいて、意外と長寿犬

アフガンハウンドの平均寿命は大体12年から14年であると言われています。

大型犬は平均10年前後が寿命であると言われている中で、これはなかなか優秀な数字。

もちろん、これは飼い主による日頃の健康管理があってこそ。

大型犬が体格の割に短命である一番の要因は、老化しやすい性質にあります。

心臓や肺が体格に対して十分な強さではなく、酸素や栄養を全身にたっぷり行きわたらせることができないため、細胞が衰えて老化を早めます。

また、それが様々な疾病の原因にもなりやすいのです。

したがって、アフガンハウンドを飼う際も、できるだけ長く一緒にいるために健康チェックや食事、運動のコントロールは入念にしてあげてください。

アフガンハウンドは長毛の丁寧なお手入れが肝心

アフガンハウンドは、その容姿の美しさから20世紀よりイギリスに持ち込まれて以来、ヨーロッパで人気沸騰。

本来は狩猟犬だったのですが、ここで観賞用として仕立てられ、現在よく知られる姿となりました。

そんなアフガンハウンドの長毛は頻繁なお手入れが必要です。

あまりサボっていているとせっかくのキレイな毛が絡まってしまいます。

毛が伸び揃ってからだと2,3日に1回、15分程度の丁寧なブラッシングをすればいいのですが、それまでは頻繁にお手入れをしてあげましょう。

また、長毛ゆえに皮膚が蒸れやすいため、月に最低1回はスキンケアシャンプーを施して皮膚の健康を保つこと、毛のツヤやサラサラ感を維持させてあげることも重要です。

アフガンハウンドは個性が強いからこそ魅力的なパートナー

このように、アフガンハウンドはけっして初心者向きの犬ではありませんし、時間にゆとりがなければ十分なお世話をしてあげることも難しいです。

しかし、強く惹かれる容姿にクセのある性格を併せ持っているからこそ、一度接したら夢中になってしまうこと間違いナシの魅力を秘めているというわけですね。