愛嬌のある顔つきに、快活な動き。
魅力いっぱいのオーストラリアン・シェパード。
牧羊犬として誕生し、現在も家庭犬だけでなくワーキングドッグとして活躍するオーストラリアン・シェパードの性格や特徴についてご紹介します。
オーストラリアン・シェパードの外見的特徴
オーストラリアン・シェパードは、筋肉質で体長がやや長めなスタイルを持つ中型犬~大型犬。
体高は雄が51から58cmくらい、雌が46から53cmくらいが標準です。
ただし、個体によってサイズは差が大きく、まちまちです。
被毛はラフ・コリーに似た印象のふわふわの長毛。
牧羊犬をルーツに持つワーキングドッグですので、あらゆる天候に耐えうるダブルコートになっています。
長めのオーバーコートはカールしていることも、直毛のこともあります。
コートカラーは、ブルー・マール、ブラック、レッド・マール、レッドが認められています。
また、これらのコートカラーにタンポイントが入ることも認められています。
白い斑も認められていますが、頭に優勢で入ることは評価されていません。
顔つきはマズルがやや短め。
目の色はブラウン、ブルー、アンバーの他に、左右の色が異なるオッドアイも見られます。
耳は途中から折れたような垂れ耳が可愛いのですが、ドッグショーでは横を向いた三角形の耳が評価されます。
尾は生まれつき短めのボブテイル。
長い場合は断尾します。
警察犬のシェパードとの違い
シェパードと聞くと、多くの人は警察犬のシェパードを思い浮かべるのではないでしょうか。
いわゆる、警察犬のシェパードは「ジャーマン・シェパード」と言うドイツ犬です。
オーストラリアン・シェパードは、バスク人が移住の際にオーストラリアに持ち込んだ牧羊犬がアメリカへ渡ったもの。
そもそも「シェパード」とは羊飼いの意味で、そこから牧羊犬のことを「シェパード」と呼ぶようになったのです。
ですから「オーストラリアから来た牧羊犬」ということで、アメリカで「オーストラリアン・シェパード」と名がつきました。
ということで、オーストラリアン・シェパードとジャーマン・シェパードは名前は似ていますが、別の性格と特徴を持った犬種です。
オーストラリアン・シェパードのルーツ
バスク人がオーストラリアへ持ち込んだというオーストラリアン・シェパード。
そのルーツはヨーロッパのバスク地方・ピレネー山脈にあります。
バスク地方で牧羊犬として飼われていた犬が、1800年代にバスク人の移住とともにオーストラリアへ移動。
さらに後年、今度はオーストラリアからアメリカ西部へも移動します。
オーストラリアやアメリカなどの開拓地では、これまでにない丈夫な犬が必要でした。
その条件に当てはまったのがオーストラリアン・シェパードだったのです。
アメリカに渡った初期はルックスのタイプも安定せず、呼び名も様々でした。
しかし、ロデオショーや牧羊犬としての活躍により、第二次世界大戦後は人気が広まっていきます。
こうした経緯を経て、1993年にアメリカンケネルクラブに公認されたのです。
現在、異論はあるものの、この犬種の原産地はアメリカということになっています。
しかも、オーストラリア本国ではオーストラリア原産の犬としては認められていません。
牧羊犬として活躍していた歴史を持ち、作業に必要な能力が高くて活動的という特徴・性格の犬種です。
保護欲と警戒心
オーストラリアン・シェパードは羊を害獣から守る牧羊犬がルーツ。
そのため、忠実で警戒心が高く、外敵から家族を守る意識が高いという特徴があります。
ケンカを好む性格ではありませんが、家族を守るためなら勇敢に立ち向かいます。
さらに献身的で愛情深いところもあり、保護欲の強さとなってその性格が発揮されています。
子供の面倒も良く見てくれる穏やかさ、根気強さも持ち合わせており、優れた家庭犬と言えるでしょう。
とってもお利口さん
状況判断能力や訓練性能が非常に高いのも、牧羊犬をルーツに持つ犬種らしい特徴です。
その賢さを生かして、オーストラリアン・シェパードは現在でもワーキングドッグとして多くの仕事をこなしています。
牧羊犬はもちろん、視覚障害者の目となる盲導犬、聴覚障害者に音を知らせる聴導犬、災害時に人命救助をする災害救助犬、違法薬物を見つける麻薬探知犬、生活のパートナーとなる介助犬など、幅広く活躍しています。
特徴を生かした活躍
活動的なオーストラリアン・シェパード。
もちろん、毎日のお散歩は欠かせませんが、大量で激しい単調な運動よりも、人間とコミュニケーションをとりながらの知的な運動をより好む犬種です。
1950年代のアメリカで、その高い訓練性能を生かしてロデオショーで人気となったオーストラリアン・シェパードですので、当然今でも、アジリティ競技やフリスビー競技でも活躍しています。
コミュニケーションを好むオーストラリアン・シェパード
飼い主に忠実なオーストラリアン・シェパードはコミュニケーションを必要とします。
ボールで一緒に遊んだり、ふれあったりすることで、心の通う良い伴侶犬になってくれるでしょう。