名犬ラッシーの世界的ヒットによって、その知名度が上がったラフコリー。

スムースコリーと合わせてスコッチコリーとも呼ばれ、複数存在するコリーと名の付く犬種の中でも、特に人気のある犬種です。

元々は牧羊犬や水難救助犬として活躍をしていました。1860年代以降は、貴族にも愛される犬種となりました。

現在も非常に人気があり、その人気は安定している状態です。

そんなラフコリーは、どのような犬種なのかご紹介します。

明るく賢い中にも繊細さを持つ性格

ラフコリーは、基本的には明るく穏やかな性格をしています。

飼い主に対して忠実で、とても賢くフレンドリーです。

そのため、攻撃的では全く無く、力任せにリードを引くなどの行動も見られないため、子供やお年寄りも安心して関わることができます。

その反面、繊細な部分も持ち合わせており、周囲の状況にはとても敏感な一面もあります。

そのため、少しでも飼い主がいつもと違う様子、例えば、怒っていたり不安なことがあったりすると、いち早く感じとってくれることが出来ます。

しかし代わりに、自分が必要以上に怒られたりすると、ストレスを感じやすいので注意が必要です。

また、時折ガサツな仕草を見せることもあり、様々な一面を見ることが出来ます。

ラフコリーの特徴

ラフコリーの体重は20kg〜34kgで、体高は56cm〜61cmとなっており、分類としては大型犬となります。

ただし、一般家庭でも繁殖が行われていることもあり、その大きさは本当に様々で、平均よりも大きな個体もいます。

耳は先が折れ曲がった半立ち耳となっています。

首や尾は長すぎず、全体的にバランスのとれた体型となっています。

毛色は主に3種類あり、ブルーマール、セーブル&ホワイト、トライカラーの個体が多いです。

この毛色は、あくまで一般的なものであり、中には全体が白く一部だけ毛色が異なる個体などもいます。

しかし、ドッグショーなどでは、上記の3種類以外は公認されないことが多いです。

先に記したように、元々牧羊犬や水難救助犬だったためか、スポーツは万能です。

寿命とかかりやすい病気

ラフコリーの寿命は、14歳〜16歳とされています。

かかりやすい病気としては、コリー眼異常というものがあります。

コリー・アイとも呼ばれるこの病気は、ラフコリー独特の遺伝性眼科疾患です。

眼の中にある血管や組織の異常が、成長に伴って進行していくもので、重症化すると、失明することもあります。

この病気の厄介なところは、治療法がないことです。

遺伝性のものなので、そもそもコリー眼異常の要因を持たせないようにするしか解決方法がありません。

また、脳の病気である小脳失調症も、かかりやすい病気の1つです。

小脳失調症とは、主に運動機能を司る小脳に異常が起きることです。

この病気になると、体のバランスや感覚が崩れてしまうなどの症状が起こります。

歩く時にフラフラしたり、よろけたりするような様子があった場合は、すぐに受診をしましょう。

ラフコリーをしつける際のポイント

元々牧羊犬だったラフコリーは、その性質から、リーダーと認識した人の命令には忠実に従います。

そのため、まずは飼い主との上下関係を確立させる必要があります。

子犬の頃から、飼い主がリーダーだと覚えさせましょう。

ただし、先に記したように、ラフコリーは繊細な性格も持っているため、ストレスを感じやすい犬種です。

ストレスは、しつけをする上で、あまり良いものとは言えません。

そのため、ストレスが溜まらないような環境作りも、まずは行ってあげることも大切です。

それを気を付けてあげれば、ラフコリーは基本的には、しつけをしやすい犬種です。

飼育する際の注意点

ラフコリーは、何度か記したように、ストレスを感じやすい犬種です。

なるべくストレスを溜めないようにしてあげる必要があります。

そのためには、まず室内で家族と過ごす飼い方が望ましいです。

屋外で飼うと寂しがり、それがストレスとなります。

またラフコリーは、元々牧羊犬だった事から、体を動かすことは大好きです。

散歩を沢山してあげることはもちろん、庭などで活発に遊ばせてあげることも大切です。

運動量が少ないと、それもストレスの原因となります。

また、ラフコリーはフサフサなダブルコートを持つ犬種です。

季節の変わり目には、抜け毛が多く見られることもあります。

普段から、週3回程度のブラッシングを心がけましょう。

ラフコリーを飼おう

比較的安心して飼いやすい犬種であるラフコリー。

しかし、名犬ラッシーのイメージが強く、何もしなくても賢いと勘違いをして、しつけを怠る人がいることも事実です。

例え賢く飼いやすいとはいえ、必要最低限のしつけはするように心がけましょう。

とは言え、やはり子供やお年寄りと過ごすにも安心な犬種であることも、また事実なため、ラフコリーの特徴をよく理解した上で飼うようにしましょう。

そうすることで、素敵な家族の一員となるかと思います。