丸い瞳、尖った耳、愛嬌ある豊かな表情。

きつねのような顔つきの真っ黒な犬、スキパーキをご存知ですか?

日本ではまだレア犬種と言われるスキパーキ。

いったいどんな犬なのか、特徴や性格、大きさ、値段を中心にご紹介します。

漆黒のコート

スキパーキの特徴はなんといっても漆黒の被毛。

中くらいの長毛のダブルコートで、肩からふさふさと長めの被毛で覆われ、四肢の被毛は短め。

そのため、まるでマントを羽織っているようだとたとえられることもあります。

スキパーキの大きな特徴が漆黒の被毛であるとおり、コートカラーはブラックのみが認められています。

ただし、オーバーコートに隠れてアンダーコートが全く見えない場合は、アンダーコートがグレーでも可としています。

クリーム色のスキパーキ?

漆黒のブラックコートのみが認められるスキパーキですが、まれにそれ以外の子犬も生まれます。

よく知られているのは、クリーム色、フォーンで、この二色はジャパンケネルクラブでも血統証明書の発行が認められます。

しかし、繁殖は注意が必要であるとされています。

フォーンとは、わずかに黒い毛が入り、金色を帯びた茶色のことで、パグなどに多く見られる毛色のことです。

海外では他にも、シルバー、チョコレート、ゴールドなどのコートを持つスキパーキがいます。

番犬向きな性格

スキパーキはとても警戒心が強く、簡単には初対面の人物を信用しません。

縄張り意識も高い犬種です。

一方で、家族への愛情は深いものがあります。

そのため、非常に番犬向きの性格をしていると言えるでしょう。

事実、その昔ベルギーでは船の番犬としてスキパーキが飼育されていて、それを由来としてフラマン語の「schip(スキップ)=船」から「schipperke(スキッパーキ)=船乗り」という名前がついたと言われています。

船以外でも、スキパーキはネズミやモグラなどの害獣をよくとることから害獣駆除犬や番犬として、特にブリュッセルの靴職人達に重宝されていました。

家庭犬にもぴったりな性格

番犬向きなスキパーキですが、愛情深い性格は家庭犬向きでもあります。

外飼いでも室内飼いでも飼育が可能ですが、特に室内飼いにおいてスキパーキは世界でも最高の室内犬のひとつであると評価されています。

警戒心の強い性格のスキパーキは、飼い主には忠実・従順で、家族にはよく甘えてきます。

可愛がってくれる相手には愛嬌をふりまくような、チャーミングなところさえあります。

愛情をたっぷり注いであげれば、それに素直に応えてくれる性格の犬種です。

お年寄の友

ジャパンケネルクラブの紹介によると、活発で、せわしなく、機敏とされているスキパーキ。

ですが、一方ベルギーでは、スキパーキの性格を温厚で注意深いとしています。

落ち着いた歩調でゆっくりと歩くことから、お年寄りのお散歩相手として人気で「老人の散歩の友」と言われています。

サイズはコンパクト

スキパーキは小型犬。

大きさの目安は、雄が体高28から33cmくらい、体重5から7kgくらい。

雌が体高25から30cmくらい、体重は雄と同じ5から7kgくらいです。

ジャパンケネルクラブによる理想的な体重は3kgから9kg、特に4kgから7kgの平均体重が理想的であるとされています。

イメージはとしては、腕に抱えられるくらい、大人の膝くらいの大きさの犬です。

体系は正方形のようなスタイルで、肩から腰へなだらかに傾斜しています。

小さくてもしっかりとした身体つきで、ややずんぐりめ。

しかし、四肢は細くすらりとしています。

尾は生まれつきないか、断尾します。

活発でありながらさほどの運動量を必要としないのは、小型犬ならでは。

とは言え、小さな体でかなりの高さまで垂直ジャンプをするような運動能力を持つ犬ですので、適度なお散歩は大切です。

スキパーキの来歴

スキパーキの祖先には諸説ありますが、有力なものはベルギーとオランダ間を航行していた船に乗っていた犬という説があります。

これは、前述のとおり、スキパーキの名の由来とも言われています。

また、十九世紀にフランダース地方で飼育されていた牧羊犬・シークルナールを起源とする説もあります。

スキパーキを愛したブリュッセルの靴職人達は己の技を誇示するため、美しい細工の首輪を作りスキパーキを飾り、コンテストを開いたと言います。

こうして労働者の犬であったスキパーキですが、十九世紀後半のドッグショーでベルギー王妃の目に留まり、一躍上流階級の犬となります。

やがてイギリスへ輸出されることとなりました。

スキパーキのスタンダードが制定されたのは1888年。

日本へは昭和40年代に輸入され始めました。

スキパーキのお値段は?

日本では珍しいスキパーキ。

ジャパンケネルクラブの登録数は毎年だいたい五十頭から六十頭前後となっています。

そのため、子犬の価格はやや高めで、二十五万円から三十五万円台が相場です。

頭数の少ない犬種のため、ペットショップよりもブリーダーからの入手の方が容易であると言われています。

愛らしく魅力的なスキパーキ

小型で元気いっぱいなスキパーキ。

優しい性格で、家庭犬としても魅力的な犬種です。

比較的長寿な犬種でもあるので、長いつきあいができるのも良いところですね。