大きな耳と厚い毛皮が特徴的なフェネック。

可愛らしい見た目でとても人気があります。

サン=テグジュベリの小説「星の王子様」にも登場することでも有名です。

そんなフェネックとは、どのような動物なのでしょうか。

フェネックの性格、価格、寿命、特徴をご紹介します。

臆病な性格

フェネックは、アフリカの砂漠地帯に生息しているキツネの仲間です。

過酷な環境で生活している上に天敵がとても多いため、基本的に臆病な性格をしています。

また、飼育されている個体も人間に慣れにくいです。

天敵として、ガゼル、フクロウ、ヘビ、ワシ、ハイエナ、ジャッカル、サソリなどがいます。

そして、フェネックは、体が大きくありません。

また、ミーアキャットのように小さな体でも武器を持ち、捕食動物と戦える動物がいる一方で、フェネックは武器になる鋭い牙や爪を持っておらず、たくさんの天敵に対して戦うすべを持ちません。

そのため、野生のフェネックは天敵に捕食されて、数が減っています。

フェネックの価格は60万円から100万円くらい

フェネックはワシントン条約で保護されている動物であるため、簡単には飼育や購入がが出来ません。

ペットショップに入荷されることはほぼなく、ブリーダーからの購入が主な入手経路であると言えます。

ペットショップによっては予約販売をしているところもあり、問い合わせてみると良いでしょう。

フェネックは非常に高額で、60万円から100万円くらいで取引されています。

値段は販売しているブリーダーやペットショップ、幼獣か成獣、オスかメスかによって異なりますが、成獣より幼獣、オスよりメスの方が値段が高くなる傾向があります。

フェネックの寿命は10年くらい

フェネックの平均的な寿命は、10年くらいであると言われています。

ですが、野生では天敵が多く襲われても戦う術を持たないため、寿命を全うすることなく死んでしまうフェネックも多いです。

しかし、ペットとして飼育されているフェネックは、天敵に襲われる心配もエサが取れなくなる心配もありません。

そのため、平均的な寿命よりも長生きすることもあります。

少しでも長生きしてもらうためにも、バランスの良い食事を与えたり、適度な運動をさせたりするように心掛けましょう。

そして、フェネックは、病院を受診しても断られることが多いです。

フェネックの健康を守るためにも、フェネックの怪我や病気を診察してくれる病院を飼う前に探しておきましょう。

フェネックはキツネの仲間

フェネックは、アカギツネやホッキョクギツネなどと同じく、ネコ目イヌ科のキツネの仲間です。

また、イヌ科の動物では最も小さいです。

他のキツネの仲間と同じく、ピンと立った立ち耳が特徴です。

この耳の長さは15cmにもなります。

これはイヌ科の仲間では最も大きくなります。

フェネックは、他のキツネの仲間と同じく、昆虫、鳥、ネズミ、うさぎを食べますが、大きな耳をしているので非常に聴力が良く、獲物の動きを耳で察知しています。

また、大きな耳から体の熱を放出して体温を下げることが出来るため、体温調節として重要な役割を果たしています。

フェネックは夜行性

フェネックは、夜行性の動物です。

夜の間に狩りを行い、昆虫、鳥、ネズミなどを食べます。

昼間は灼熱の砂漠の暑さを避けるために地面に掘った巣穴で休み、夕方涼しくなってから活動します。

夜間の砂漠は寒さが厳しくなるため、また巣穴に戻ります。

昼間でも日光浴をするために外に出ていることもあります。

巣穴の入り口は複数あり、植物の根元にあることが多いです。

巣穴の奥行きは10mにもなり、他の群れの巣穴と繋がって一緒に生活することもあります。

また、巣穴の中では子育ても行われていますが、産室には植物の葉が敷き詰められています。

そして、フェネックは年1回繁殖を行い、2匹から6匹の子どもを産みます。

オスも食物を運んだりと、子育てに参加するのが特徴です。

フェネックの足の裏は厚い毛で覆われている

フェネックの足の裏は、厚い毛で覆われています。

フェネックの生息しているアフリカ北部の砂漠地帯は昼間の気温が非常に高く、灼熱の砂漠の上を歩くのは大変危険です。

そこで役に立つのが、足の裏の厚い毛です。

この毛があることにより、灼熱の砂漠の上を歩いても火傷をする心配がなく、足の裏の皮膚を守ってくれています。

また、フェネックの厚く柔らかい毛皮は、太陽などの熱を通しにくく、逃がしにくい特徴があるため、夜の砂漠の凍てつく寒さにも耐えることが出来ます。

なお、フェネックは、この厚く柔らかい毛皮やペットとして取引することを目当てに人間に狩られてしまい、数が減っています。

飼育が難しいフェネック

フェネックは可愛らしい見た目でとても人気がある反面、ペットとして飼育するにはハードルが高い動物です。

まず、フェネック自体がとても高額で扱っているペットショップも非常に少ないです。

また、見た目に反し野性味が強い動物のため、トイレのしつけを行うのはほぼ不可能です。

鳴き声も大きいため、近所迷惑になる可能性もあります。

飼育を希望している場合は、よく考えて決めるのが飼い主にもフェネックにも必要なことであると言えます。