公園や街中でよく見かけるハトは、私たちにとってとても身近な鳥ですが、家畜としての歴史がとても古いというのをご存知でしょうか。

人間と長く生活を共にしているハトは品種改良を重ねられて、今では様々な種類が存在しています。

知っているようで知らないことの多いハトには、どのような特徴があるのでしょうか。

ハトの生態

ハト科の鳥は、北極圏や南極を除く全世界に分布し、現在は数100種類ほどが生息しているそうです。

森林、山の中、街中などいろいろなところに住んでいます。

草食性の強い雑食性か、主に穀物や種子、豆類などを好みます。

ハトが他の鳥と違う点は、水の飲み方です。

ハト以外の鳥は、くちばしで水をすくってから上を向き、喉に流し込むようにして飲みます。

それに対してハトは水にくちばしを入れてゴクゴクと直接吸い上げるように飲むことができます。

人間や他の哺乳類にとっては当たり前ですが、鳥類の中でこの飲み方ができるのはハトだけです。

ハトの繁殖・子育て

ハトは1度に2個の卵を産み、オスとメスは交互に暖めます。

卵は20日弱で孵化し、1ヶ月ほどで巣立ちます。

子育てに際し、ハトは喉のあたりにある素嚢(そのう)という場所で自ら雛に与えるエサを作り出します。

これはピジョンミルクや素嚢乳(そのうにゅう)と呼ばれ、高脂肪高タンパクです。

雛は親鳥の喉に頭をつっこむようにして素嚢乳を食べて育ちます。

またフラミンゴも素嚢乳を与えることが知られています。

ハトは年に5~7回ほど産卵します。

季節は1年中可能です。

その理由は、どの季節でも雛にピジョンミルクで十分な栄養を与えることができるからです。

ハトの見た目

どの種類も見た目はずんぐりむっくりな印象で、短いくちばしと足、小さめの頭、発達した胸が特徴です。

また、くちばしの上には鼻瘤と呼ばれるまるいコブのようなものが付いている種類もいます。

ハトというと街中で良く見かける灰色のドバトのイメージが強いですが、種類によって羽の色も形も様々です。

日本で見かける野生のハトの中には他に茶色や緑、海外には青、胸に赤い色が付いているものなどがいます。

また頭や首の周りに飾り羽がついていたり、足が長く背伸びをしているように見えるものなどもいるため、見ているだけでもとても楽しいものです。

ハトの種類

世界中に数100といるハトの仲間ですが、日本で見ることのできる野生種は10種類前後と言われています。

一番よくみかけるのドバト呼ばれるもので、元は外来種です。

レースなどの目的で飼われていたのが逃げ出し、今では日本中に大量発生してしまいました。

次によく見られるのが茶色のキジバトです。

鳴き声に特徴があり「デーデーポーッポー」と聞こえます。

それ以外にはアオバト、カラスバト、ズアカアオバト、シラコバトなどが挙げられます。

観賞用の種類はとても多く、中には飛べるのか心配になるくらい体の形が変わった品種もいます。

素嚢が発達し足が長いポーター、首の周りに大きな襟のような羽があるジャコビン。

その他にもパーマをかけたようにカールした羽を持つもの、ニワトリのように反った体と尾羽を持っているもの等、芸術的とも言えるようなものもいるのです。

ハトの飼育方法

ハトは群れで生活します。

そのため複数飼いがオススメです。

最低でも2つがい飼育を考えてください。

飼育小屋の大きさの目安は、1㎥に2羽が最低ラインと考えてください。

また羽や糞などの影響を考えると、室内外には向かないと言えます。

屋外に飼育小屋を設置する際には、日当たりも風通しも良いところがオススメです。

飼育小屋自体は、自作かあるいは注文して作ってもらうと良いでしょう。

その際は脚を高くして地面から離し、湿気がこもるのを防ぎます。

また3面を木の板で覆い、1面は網などを張って空気と光を取り込みます。

小屋の中には巣箱と水、エサ入れを用意しましょう。

エサにはハト用の配合飼料が市販されています。

レース用の飼育を考えている場合には、小屋に専用のハト出入り口を作る必要があります。

この出入り口はトラップと呼ばれ、外からは入れますが中からは出られない仕組みになっています。

ハトの入手方法と価格

ハトは一般的なペットショップでは滅多に買うことはできません。

レース用のハトだと、オークションが良いでしょう。

情報はインターネットで集めることができ、オークションサイトもいくつか存在します。

観賞用のハトもインターネットで販売情報を得ることができますが、基本的に生体は対面でないと購入することができません。

そのことを十分に考慮に入れ、信頼できるルートで入手するようにしてください。

価格は品種によって差がありますが、安いもので4、5千円、高いものだと4~5万円ほどです。

血統が良いものや珍しい品種だと10万円単位になることもあります。

ハトは手間がかかるけれどとても楽しい

入手がそれほど簡単ではないだけでなく、飼育設備にも工夫しなければならないハトですが、レースやショーに挑戦したり、人間にならすことができたりととても楽しい生き物です。

頭のいいハトたちは、一生懸命に育ててくれる飼い主に応えてくれるはずです。

ハトを飼うチャンスが訪れたら、是非挑戦してみてくださいね。