インコのくちばしに、何らかの異常が見られることがあります。

中でもくちばしが変形してしまうこともあります。

ではインコのくちばしが変形している時に考えられる原因は、どのようなことでしょうか。

1.物と接触したり、いたずらなどでケガをしたため

インコはくちばしをケガすることがあります。

ケージにいる時や放鳥している際、インコが物と接触して、くちばしが破損することがあります。

複数飼いをしている場合、他のインコとケンカをして、ケガをする時もあります。

金網を何度も突っついたり、かじったりするような、いたずらが原因の場合もあります。

インコがくちばしをケガすると、変形することもあります。

くちばしは再生することもありますが、変形が直らないケースもあります。

そのためインコがくちばしをケガした場合は、早めに動物病院で治療を受けるようにしましょう。

また普段からインコのケガを、防止していくことも重要です。

ケージ内でインコにとって危険になるような物は、取り除くようにしましょう。

複数飼いでケンカが絶えない時は、ケージを分けてあげることも大切です。

2.栄養性くちばし形成不全の可能性

インコの栄養状態が悪いと、くちばしにも影響が出ます。

インコに栄養障害があると、栄養性くちばし形成不全という病気になる可能性があります。

この病気になると、インコの羽根にストレスラインが現れることがあります。

さらにくちばしが脆くなることもあるので、注意が必要です。

特に上嘴と言って、上のくちばしが長くなり、変形が見られることもあります。

このような症状が見られたら、動物病院に受診した方が良いでしょう。

獣医師に病気の診断をしてもらい、しっかりと治療を行うことが大切です。

栄養障害が改善されても、くちばしが元の状態に戻らないこともあります。

このような場合も、早めに獣医師に相談した方が良いでしょう。

また病気の予防のため、普段からインコの栄養バランスを保つことが大切です。

3.肝臓疾患にかかっている

インコのくちばしの異常は、肝臓が悪い時にも見られます。

肝臓が悪くなると人間と同様、出血傾向による内出血を引き起こしやすくなります。

この場合インコのくちばしが、一部黒っぽく見えて発見されることがあります。

さらにくちばしが異常に伸びてしまったり、一部欠けてしまうようなこともあります。

そのためくちばしが変形した状態になります。

肝臓疾患にかかっている場合は、早めの治療が必要になります。

いずれにしてもくちばしに異常が見られた段階で、自己判断せず動物病院に受診しましょう。

肝臓疾患は前述した栄養障害の他に、感染症などが原因になることがあります。

普段からインコの栄養バランスを考えて、抵抗力をつけるようにしましょう。

またケージ内の清潔を保持して、感染の予防に努めましょう。

4.疥癬症にかかっている

インコは疥癬症という病気にかかることがあります。

インコによく見られる病気なので、注意が必要です。

トリヒゼンダニが原因となり、激しいかゆみを伴うのが特徴です。

またインコのくちばしや脚などに、トリヒゼンダニが小さな穴を開けて寄生します。

そのためくちばしがもろくなったり、変形が見られるようになります。

トリヒゼンダニが寄生すると、白っぽく盛り上がった物が付着しているように見えます。

疥癬症と診断されたら、殺ダニ剤などによる治療が必要になります。

重症化する前に、早めに治療を行った方が良いです。

気になる症状が見られたら、動物病院に受診するようにしましょう。

5.PBFDを発症している可能性

鳥の難病の一つに、PBFDという病気があります。

これはオウム類くちばし羽毛病という、ウイルス性の疾患です。

白色オウムやヨウムなどの他に、セキセイインコにもよく見られる病気です。

サーコウイルスというウイルスが原因となり、免疫不全となる病気です。

PBFDを発症すると羽根が抜けたり、下痢を引き起こすことがあります。

食欲が落ちたり、体重が減少することもあります。

さらにくちばしの過長や、変形などが見られるようになります。

PBFDは現在、治療法が確立していません。

栄養バランスのとれた食事の摂取、ストレスの排除などを積極的に行っていきます。

インコの様子を見ながら、低下した免疫力を高めていくようにします。

早期にこのような治療を行うことで、何年も生きるケースもあります。

そのため鳥に少しでも異常が見られたら、早めに動物病院に受診するようにしましょう。

くちばしの変形が見られたら、早めに動物病院に受診しよう

インコのくちばしはケガをしたり、病気になると変形することがあります。

普段からしっかりと観察を行うことが大切です。

くちばしの変形などの異常が見られたら、早めに動物病院に受診しましょう。

またインコの病気やケガを、予防をすることも重要です。

栄養のバランスを考えたり、ケージ内の清潔を保持していくように努めましょう。