可愛らしい犬との生活はコミュニケーションをとる楽しみや癒しなど様々なメリットがあり、憧れる方も多いのではないでしょうか。
しかしトラブルもつきものです。
特によく言われるのが「マーキング」です。
マーキングとはオス特有の、縄張りであることを示すために足を上げてするおしっこのことです。
そこで、室内飼いの場合でのマーキングを止めさせる方法をご紹介します。
去勢手術をする
まず一番問題に直結した対策が、去勢手術をするということです。
前述の通り、マーキングは男の子特有の性ホルモンが脳に働きかけて起こる行為です。
そのため、去勢手術は非常に有効な手段となります。
しかし、ひとつ気を付けなければならないことがあります。
それは去勢手術を行なうタイミングです。
だいたいどの犬も初めてのマーキングは早い子で生後3か月くらい、遅くとも生後半年くらいまでには行なうことが一般的です。
初めてのマーキングまでに手術をしていないと、中には手術後もマーキングが続いてしまう子もいて、100%防げるということができなくなることもあります。
ご自身の犬のお子さんを残したいなどの理由がない場合であれば、去勢手術はその他の生殖器系の病気の予防にもつながるので非常にメリットのある対策なのかなとも思います。
マーキングが起こる背景を分析する
マーキングは自分の縄張りであることを示すために行なう行動です。
ご自身の犬がマーキングをするとき、何か縄張りであることを示したくなるようなことが精神的な面であったり環境的な面であったりしませんか?
まずはどんな場所で、どんな時に、他の人や犬誰かといるときにすることが多いのか、よく観察してみましょう。
例えば、よくあるケースとして、引っ越しをしたばかりでなんとなくそわそわしているときや、お客様や新しい犬などをお家に招き入れたとき、(逆にお家を出て他のお家などにいったときということもあります)などが挙げられるでしょう。
こういった分析をしていると対策も取りやすくなってきます。
縄張りを示したい、すなわち自分の居場所が確立されていないと不安に思っているということなので、何か安心して居られる要素を加え、不安要素は除去してあげれば良いのです。
例えば前者の場合、新しい空間に自分の居場所がないことが不安要素になっていると考えられます。
そのため犬の生活スペースに今まで使ってきた家具などを置いて安心できるようにしてあげることが、対策としては良いでしょう。
後者の場合であれば、ご家族外の犬や人に対して、自分の居場所がなくて不安になっている可能性が高くなります。
そのため新しい犬を迎える場合であればスペースごとに住み分けをしてあげましょう。
お客様やお友達の犬の場合、安心して居られるクッションやキャリーケースなど、どんなに狭くても自分のにおいのついていて安心できる場所を提供してあげることはとても効果的です。
お出かけの際も同じです。
お荷物にはなりますが、キャリーケースやクッションのハウスなど落ち着ける場所があるだけでも、だいぶ不安感は拭い去ることができます。
マーキングしやすい環境を作らない
マーキングとは足を上げてするおしっこのことであり、しやすい場所として、高さのある床からの立ち上がり部分が挙げられます。
例えば、机やいすの脚、かべ、長いカーテンのすそ部分、ときには床に積み上げられたちょっとしたバッグなどの荷物にもマーキングをされてしまうことがあります。
されないためにもまず、標的となりやすいものを置かない、やむ得ないものにはあらかじめおしっこシーツをつけるなどして対策をとる必要が出てきます。
逆に、ひとつマーキングの標的となるもの(例えばマーキング用の立ち上がり部分のついたトイレトレー)を置くなどして、そこにマーキングを集中させ、されてはまずい家具などへのマーキング欲をそらすという方法もあります。
もう一つ大切なのが、においを残さないことです。
おしっこのにおいに誘発され、2度目以降のマーキングを招いてしまうこともあります。
ふき取るのはどのご家庭でもされるかと思いますが、その後しっかり消臭するということが大切です。
マナーベルトを使う
様々な防止策がありますが、性格や対策出来る環境に限りがあったり、完全になくすのが難しいケースもあるかと思います。
その際は、市販のマナーベルトと呼ばれるマーキング対策のおむつを使用することや、確実にするタイミングが把握できているのであれば、その前にしっかりトイレを促して、膀胱を空にしてマーキングを防ぐという方法もあります。
犬の室内でのマーキングを防ごう
大切なのはマーキングをさせないかどうかということよりも、無理をせずご自身のライフスタイルに合わせて、マーキングがストレスの要素にならないようにするということなのではないでしょうか。
前述の方法だけが全てではありませんので、様々な方法を試してみて、ご自身のライフスタイルに最適な方法を選べたら良いですね。