ハンガリー原産の犬種であるクーバース。

元々は羊などの家畜を、狼や泥棒から守る護畜犬として活躍していました。

現在でも、護畜犬や番犬などで活躍している個体もいますが、ショードッグやペットとしても人気となっています。

そんなクーバースとは、どのような犬種なのでしょうか。

クーバースは番犬向きな性格

飼い主やその家族に対して忠実です。

頭がとても良く、飼い主やその家族に危険が迫ると、自分を犠牲にしても勇敢に立ち向かっていきます。

この性格は、元々が護畜犬だったからということもあります。

警戒心もとても強く、縄張り意識も強いため、見知らぬ人に対しては攻撃的な態度をとることもあります。

小さな物音でも、怪しいと感じれば吠えて威嚇します。

護畜犬として活躍していた時には、狼などの凶暴な者を相手にしていたこともあり、番犬としてはとても頼りになる犬種です。

しかし、友好的な面もあるため、心を開いた相手に対しては仲良くすることもできます。

クーバースの外見

クーバースは、体重が30kg〜52kg、体高が66cm〜75cmで分類としては大型犬となります。

体型としては、体長の方が体高よりもやや長く、がっしりとしたたくましい体つきをしています。

全体が白の被毛で覆われています。

この被毛は、二層構造となっており、厚い下毛と直毛かウェーブ状の粗い上毛で構成されています。

この厚い被毛は、護畜犬として、狼などの動物のキバから身を守るために発達したと言われています。

被毛の色は白のみですが、これは夜でも目立つことで、護畜犬と侵入者とを見極めるためだと言われています。

マズルは先に細く、耳はV字型の垂れ耳、尾は垂れ尾です。

寿命とかかりやすい病気

クーバースの寿命は、10年〜12年とされています。

かかりやすい病気としては、鼓腸(こちょう)症や離断性骨軟骨症などがあります。

鼓腸症とは、胃腸にガスが溜まり膨張してしまう病気です。

この病気になると、嘔吐や下痢、体重の減少なども起こります。

放っておくと、胃が腹部の静脈を圧迫してしまい、危険な状態になり得ます。

原因の多くは、消化不良です。

少しでもおかしいと感じたら、とにかくすぐに受診をすることをオススメします。

離断性骨軟骨症は、関節内に小さな骨の欠片が形成され、痛みを引き起こす病気です。

この病気になると、歩いたりするだけで痛みが現れ、日常生活にも支障が現れます。

遺伝的なもの、栄養的なもの、怪我によるものと原因は様々です。

早めに治療を行えば良くなるため、こちらも少しでも違和感を感じたら、早急に受診をオススメします。

クーバースのしつけ方

頭が良いため、しつけの飲み込みも早いです。

しかし元々が護畜犬だったため、きちんとしつけをしないと、家族を守ろうとする気持ちが、間違って不必要に他人に危害を加えることに繋がりかねません。

そのためにも、まずは服従訓練が必要です。

と言うのも、犬というものは、自分よりも立場が上だと認識した相手の言うことはきちんと聞くからです。

逆に、立場が下だと認識した相手の言うことは全く聞きません。

飼い主の方が立場が上だと認識させてあげることで、不必要な攻撃は制御できるようにしておく必要があります。

ただし、とても繊細で傷付きやすい一面があるため、あまり厳しくしすぎないよう注意しましょう。

クーバースを飼う際の注意点

クーバースは、大型犬ではありますが、運動量はそれほど必要としません。

むしろ、関節疾患にかかりやすい犬種なので、激しい運動は避けた方が良いです。

1日に1時間程度の散歩を2回ほど行うのが望ましいです。

暑さに弱いため、夏場の散歩は朝や夕方などの涼しい時間帯を選んだり、温度調節をしたりして、熱中症や脱水症状にならないよう注意をしてあげる必要があります。

そういったことを踏まえて、クーバースを飼う際は、室内飼いが基本です。

暑さに弱いだけではなく、屋外に長時間置かれることは、クーバースにとってはストレスとなります。

ストレスが溜まると、攻撃性が増すこともあるため注意が必要です。

被毛のお手入れは、1週間に1~2回のブラッシングをすれば十分です。

被毛には汚れを自然に落とす脂分が含まれているため、シャンプーなどのお手入れをしすぎるとその脂分が落ちてしまい、逆に汚れがつきやすくなってしまいます。

クーバースの入手方法

基本的には犬の入手方法としては、ペットショップでの購入か、ブリーダーからの直接購入が一般的です。

ペットショップは、比較的各所に存在しており、気軽に足を運ぶことができるため、馴染みがあると思います。

しかし、ペットショップだと、必ずしもクーバースがいるとは限りませんし、仲介などが入る分、やや価格は高めになります。

その点ブリーダーからの購入は、仲介などがない直接の購入となるため、やや価格は安くなります。

ただし、クーバースに関しては、そもそも国内にブリーダーが少なく、入手も困難です。

そうなると、海外からの輸入が確実な入手方法となります。

しかし、海外からの輸入となると、様々な仲介や手続きが入るため、更に価格は高くなります。

クーバースの特徴を知ろう

飼い主に忠実で、番犬としても頼りがいのあるクーバース。

しかし、体が大きく、しつけ次第では狂暴にもなりかねないため、初心者にはやや飼うことが難しい犬種かもしれません。

また入手方法も、やや手間がかかるかと思います。

特性や、メリット・デメリットをしっかり把握した上で、飼うかどうか検討するようにしましょう。