子猫の可愛さは無限大です。

人間の心を癒し、見ているだけでなんともいえない幸せな気持ちにしてくれます。

しかし、誰かが手を差し伸べなければ生きてはいけない可愛い子猫達も、大人になるのはあっという間です。

そんな子猫達の成長過程をご紹介します。

新生児期(1週~2週齢)

生まれたばかりの子猫は、環境の変化に対する能力が未発達だと言われています。

体温はおよそ34度です。

生後1~2週齢の間に体温も上昇して外界の温度に対応できるようになります。

低体温、低血糖、脱水の3点には、十分気をつけてください。

子猫の時に鳴いているのは、寒いかお腹が空いているか、どちらかです。

また、この時期は、哺乳の時以外はほとんど眠って一日を過ごします。

生後7日くらいで、痛みに対する反射が発達します。

生後7~14日齢で這い歩きが始まります。

体重は生後10~12日齢で、生まれたときの2倍になります。

生後10~14日齢で眼が開きます。

正常な視力に発達するのは生後3~4週齢です。

生後12~14日齢で耳道が開通します。

そして、乳歯が生え始めます。

第一次社会化期(3週齢~3ヶ月齢)

生後3週齢くらいから音に反応するようになり、子猫同士じゃれ合うようになります。

生後4週齢になったら、母乳以外の食事を与え少しずつ離乳していきます。

離乳食は、子猫用フードを子猫用ミルクと混ぜ、水分を多くしたものを与えます。

始めは指ですくってあげます。

食器から直接口にするようになったら、少しずつ水分を減らし固形フードにしていきます。

生後6週齢までには完全に離乳させましょう。

生後3~7週齢にどのように過ごしたかが、猫の性格の半分を決めるとても重要な時期です。

色々な人と接する機会を増やしたり、猫以外の動物と触れ合ったりさせ、様々なものに対する適応能力を身につけさせると良いとされています。

将来的な問題行動の予防にもなります。

そして、生後2ヶ月齢くらいから、ハンティングの学習を始めます。

ゴロゴロと喉を鳴らす感情表現や、セルフグルーミング(自分で自分の毛づくろいをすること)をし始めます。

またこの時期は、ブラッシングや爪きりに慣れさせる、爪とぎの場所を教えるなどのしつけを始めるのに適しています。

初めてのワクチン接種をしましょう。

子猫は生まれてからしばらくは、母親から譲り受けた免疫で感染症から守られていますが、その免疫は長続きしません。

ワクチンを接種することで免疫をつけ、病原体から身を守ることができます。

第二次社会化期(3ヶ月~6ヶ月)

乳歯が抜けて永久歯が生え揃います。

猫の永久歯は30本です。

また、被毛が生え変わり始めます。

そして、雄猫のスプレー行動が始まります。

雄雌ともに、早い子は6ヶ月齢位に最初の発情期を迎えます。

短毛種の猫の方が長毛種の猫より早く訪れると言われていますが、固体差があります。

繁殖の予定がないのであれば、避妊・去勢手術を考えましょう。

避妊・去勢手術のメリットは、発情期の問題行動を抑え、性ホルモンの影響による病気を防ぐことです。

デメリットは、ホルモンバランスの変化から肥満になりやすくなることです。

肥満になると糖尿病や尿路結石症などの病気のリスクが高まります。

青年期(6ヶ月~1年)

生まれて1年で、ほぼ大人の体になります。

標準的な体重は3.5kg~5.5kg程度です。

避妊・去勢済みの猫は太りやすくなる傾向にあるので、食事は、子猫用フードから避妊・去勢済み猫用フードあるいは、体重管理用フードに替えましょう。

できれば、下部尿路の健康維持にも配慮してあるフードが望ましいとされています。

脂肪の蓄積を防ぐには、食事の量をきちんと計り2回~3回に分けて与えることが大切です。

フードの切り替えは一週間ぐらいかけて行いましょう。

急に変えてしまうと食べなくなったり、下痢や嘔吐を起こしてしまうことがあります。

また、この時期までに猫との信頼関係をしっかりと築いておきましょう。

信頼関係を築くためには猫の気持ちを正しく理解することが大切です。

そして、混合ワクチンの追加接種を受けさせるようにしましょう。

子猫のときのワクチン接種で一生病原体から守られるわけではありません。

定期的な追加接種が必要です。

子猫の成長を温かく見守ろう

2013年にペットフード協会が発表した猫の平均寿命は、15.01歳です。

獣医学の進歩や食生活の進歩、ペットオーナーの意識の向上などにより、年々上昇傾向にあると言われています。

中には20年以上生きる猫達もいる一方、家の外に出る猫か、家の中だけにいる猫なのかで平均寿命に3年ほどの差があるとも言われています。

せっかく出会い、家族やパートナーの一員になったのですから、健康で長生きしてほしいですね。

室内飼いでたっぷり温かい愛情を注ぎ、猫にとって大切な成長過程の中で、しっかりと社会化をして社交性のある愛される猫に育てましょう。