猫が感染しやすい寄生虫とは。猫を寄生虫から守ろう

最終更新日:2016年2月21日

猫に感染する寄生虫には大きく分けて、体の中に寄生する「内部寄生虫」と、体の外に寄生する「外部寄生虫」があります。

寄生虫には様々な種類がありますが、この中でも特に感染しやすいもの、感染がよく見られるものをご紹介します。


1.コクシジウム

コクシジウムとは、内部寄生虫で単細胞生物(原虫類)の重要なグループの総称です。

これらは、小腸の粘膜の上皮細胞中に侵入して、細胞分裂し、最終的にはその細胞を破壊してしまいます。

子猫に多く、下痢や血便、ひどい時は貧血を起こしてしまいます。

代表的なものが、トキソプラズマ症といって、コクシジウムの一種であるトキソプラズマが原因で引き起こす疾患です。

トキソプラズマの虫体を持っている肉やネズミを捕食することで感染します。

また、人にも感染する恐れがあり、特に気をつけなければならないのは妊婦さんです。

妊婦さんが感染すると、流産や死産、奇形児が生まれる可能性があります。

猫の予防は、室内飼育をし、生の肉などを与えることを避けることで可能です。

飼い主が妊婦さんであれば、猫のトイレの処理(特に子猫の下痢便)をする場合は注意が必要です。


2.猫回虫

猫回虫とは、内部寄生虫で、細長く白いのが特徴の線虫類です。

成虫は、小腸に寄生し、猫が消化した食べ物を栄養源として生きています。

子猫に多くの成虫が寄生してしまうと、消化不良や栄養摂取に影響を及ぼし、放っておくと発育不良をもたらしてしまいます。

回虫卵は糞便中に排出されるので、それを食べたり、回虫に寄生されている母猫からの母乳を介したりして感染します。

人にも感染する恐れがありますので、気をつけましょう。

3.鉤虫

鉤虫とは、内部寄生虫で、猫回虫よりも短いですが、長細く白いのが特徴の線虫類です。

成虫は鋭い牙を持っており、小腸に咬着し、その傷からの出血した血を吸って生きています。

そのため、鉤虫に多数寄生されると血便したり、貧血を引き起こしたりします。

猫回虫と同じく、鉤虫卵に汚染された便を食べたり、母乳を介したりして感染します。


4.マンソン裂頭条虫

マンソン裂頭条虫とは、内部寄生虫で、小腸に寄生する体長1~2m前後の条虫類です。

条虫類は、多数の節が連なって一つの虫体を形成しています。

口や消化器官は無いですが、体表から猫が消化した食べ物の栄養分を吸収しています。

そして、片節に産卵口があり、それを開いて虫卵を糞便中に産出します。

寄生されても無症状のことが多いですが、消化障害や、下痢、腹痛を引き起こすこともあります。

虫卵が排出された便を食べたり、カエルや、カエルを捕食したヘビや鳥などの動物を捕食したりすることによって感染します。

5.瓜実条虫

瓜実条虫とは、内部寄生虫で、小腸に寄生する体長50~70cm程の小型の条虫類です。

頭部に吸盤や多数の鉤を持っていて、小腸内の粘膜を傷つけるので、出血性腸炎を引き起こす可能性があります。

栄養分は体表から吸収しています。

マンソン裂頭条虫のように、片節に産卵口はないので、糞便中に産出されませんが、その代わり、多数の虫卵が含まれる末端の片節を腸内で一つずつ切り離しますので、便とともに体外へ排出されます。

体外へ出た片節は、5~10mmの米粒みたいな形で、伸び縮みしながら動いている場合がありますので、これに気づいて病院へ行く事が多いです。

瓜実条虫に感染しているノミを誤って食べてしまうことによって感染します。

そのため、ノミが多数寄生していると瓜実条虫の感染も疑われます。

ノミの予防が瓜実条虫の予防にもつながります。


6.ノミ

ノミは、外部寄生虫で、5mmくらいの猫の体表に寄生する昆虫です。

ノミに寄生されると、一生離れずに吸血されることになります。

ノミの寿命は1ヶ月くらいですが、この一生の間にメスの成虫は猫の体に200~400個の卵を生むと言われています。

吸血されると、かゆみを引き起こしたり、アレルギー性皮膚炎を発症したりしてしまいます。

ノミによるアレルギー性皮膚炎の発症は、下半身に多い傾向にあります。

ノミを落とす方法として、スポットオン製剤や内服薬がありますが、代表的でよく使われているのがフロントラインプラスという製品です。

7.ショウセンコウヒゼンダニ

ショウセンコウヒゼンダニとは、外部寄生虫で、0.15~0.2mmの微小で丸い形のダニ類です。

皮膚に寄生し、その皮下にトンネルを作り生活し、産卵し、永久に寄生します。

寄生部位は、主に頭部で、耳や顔面にも広がっていきます。

強いかゆみを引き起こし、激しく掻いてしまうことによって、全身に広がったり細菌感染を起こしたりしてしまいます。

このように、重い皮膚症状を「疥癬(かいせん)」と言います。

猫同士の濃厚接触によって感染します。

感染ルートを元から断とう

内部寄生虫は、子猫の小腸に寄生する事が多く、下痢や血便などの消化器系の症状が出てくる場合がほとんどです。

外部寄生虫は、目に見えるノミやダニもいますが、目に見えないダニの種類もたくさんいます。

子猫やノラ猫を保護した場合は、まず、動物病院へ連れて行き便検査や健康診断をしてもらいましょう。

また、外で飼っている猫も定期的に健康診断に連れて行ったり、外部寄生虫の予防も定期的にしておいたりすることが大切です。

猫だけでなく、他のペットや、人にも感染する寄生虫もいますので、感染させないように気をつけましょう。

「猫が感染しやすい寄生虫とは。猫を寄生虫から守ろう」の関連記事

「猫が感染しやすい寄生虫とは。猫を寄生虫から守ろう」と合わせて読みたい