猫は平均14~16時間睡眠というデータがあり、睡眠時間が長いだけで他に目立った症状が無い場合は特に心配は要りません。

しかし、睡眠時間や寝方に加え何か異変があった場合には、それは病気のサインかもしれないので注意が必要です。

では、病気の可能性がある状態はどのような場合かご紹介します。

睡眠時間が長い

睡眠時間が長い場合には、水頭症の可能性があります。

猫では比較的発症率の少ない病気ですが、寝てばかりいるのに加えて、歩いているときにふらふらしているという症状が見られたら水頭症が疑えます。

水頭症は、脳脊髄液によって脳が圧迫されてしまい、様々な症状を引き起こす病気です。

ふらつく程度の症状では判断しにくく、気付くのに時間がかかることもありますが、その他、回転しながら歩いていたり、攻撃的になる、食欲の変化、頭部が球体に膨らむなど、いくつか症状もあるので、あてはまる症状があれば、変化の起きた時期を覚えておき、獣医に相談することをオススメします。

日中寝ることが増えて夜中に大声でなく

高齢の猫で、日中の睡眠時間が増え、夜間に徘徊、大声で鳴き、鳴き止まないなどの異常行動が増えた場合には認知症の可能性があります。

加齢に伴い、脳の神経細胞が減少することで発症し、思い通りの行動ができなくなることが原因です。

症状の現れ方は緩やかですが、日増しに症状が悪くなるので注意が必要です。

初期に出る症状としてトイレが上手くできなくなるということが挙げられ、平均で10歳を超えたあたりから認知症が増えてくると言われています。

退屈な生活を送っていると認知症になりやすくなるため、予防には、脳の活性化が大切です。

日頃から多めにコミュニケーションをとり、運動をさせるように意識して生活することが必要となります。

不眠・なかなか寝ない

あまり眠らなくなったのに加え、鳴き声が大きくなる、動きが活発になる、食欲増加などの症状が出た場合は甲状腺機能亢進症の可能性があります。

甲状腺機能亢進症喉は、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、ごく稀に甲状腺がんから症状を発症していることがあるので注意が必要です。

比較的高年齢の猫に発症することが多く、認知症と判断を迷うこともありますが、睡眠が少ないのに元気に動き回るようであれば甲状腺機能亢進症の可能性が高いです。

その他、ストレスが原因で人前では眠っている姿を見せないこともありますが、その場合は誰も見ていないときに眠っているので心配要りません。

いつもよりもうずくまって寝ている

外傷や、膀胱炎、発熱、回虫などのに感染しているときにうずくまって寝ることがあります。

うずくまってじっとしている場合は、外傷を負っていないか(触って嫌がる箇所がないか)確認し、尿の量が減ったり、腰やお腹の辺りを触ると痛がる素振りがあれば膀胱炎、ハアハアと呼吸が浅く、平熱の38~39度を一度でも上るときには発熱、下痢や嘔吐・体重減少があれば回虫の可能性が高いので、病院で診てもらうことをオススメします。

エサを食べずに寝ている時間が増えた

肥満気味の猫の食欲がなく、寝る時間が多くなった場合には、肝リピドーシス(脂肪肝)になっている可能性があります。

肝リピドーシスは、細胞が脂肪に置き換わってしまい機能しなくなる病気です。

肥満が原因となるため、一番の予防方法は、食事管理となります。

重症化してくると嘔吐、下痢、意識障害などの症状が現れ、放っておくと命に関わるので、疑いがある場合は早めに病院にかかることをオススメします。

いびきが大きくなった、呼吸に雑音がまじる

時々いびきをかく程度ならば心配要りませんが、急に大きめのいびきをかくようになった時や、普段の呼吸に雑音が入るようになった場合にも注意が必要です。

ウイルス感染やダニなどの寄生虫による鼻炎、軟口蓋が気管の入り口を塞いでしまう軟口蓋過長症、肥満やアレルギーなどの他、鼻腔内腫瘍、白血病、心筋症など重篤な状態を引き起こすものまで、いくつかの原因が考えられす。

腫瘍の場合は鼻水が片側だけ出るようになるので合わせて判断したいところです。

いびきが大きくなった程度では、重大なことと判断しにくいですが、たかがいびきと放置せずに、早めに病院で相談することをオススメします。

猫の寝方から病気を早期発見

いくつか重複する症状もあり判断に悩んでしまいますが、今までの状況も踏まえることで猫の異常に気付くことができます。

この他にも、いつもと違う場所で隠れるように眠っている場合には病気で体調が悪いのを悟られないように隠れているということもあるので、少しでもおかしいと感じた場合には、大丈夫と自己判断せずに早めに病院に連れていき、獣医に相談するようにしましょう。