猫はとてもキレイ好きな生き物です。

人間のように毎日お風呂に入らなくても、その体は不思議なほどに暖かく優しい香りがします。

猫は毎日暇さえあれば毛繕いをしています。

これが人間のお風呂の代わりになっているのです。

そんな猫の体臭がおしっこ臭くなった場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

もしかしたらそれは、病気のシグナルかもしれません。

トイレに失敗しておしっこが体にかかっている

猫はトイレ砂を掘って浅めの穴を作り、そこにおしっこをします。

この時、穴を深く掘りすぎてトイレの床が露出してしまうことがあります。

するとおしっこが砂に吸収されず猫の手足に付着してしまい、それが原因で猫の体がおしっこ臭くなってしまいます。

トイレの砂の量が少なくなっていませんか?

猫の性格によってたくさん掘る子、全く掘らない子がいますので、猫がトイレをしている様子をよく見て、トイレの砂の量を考えてあげてください。

トイレを覗く時は、猫がびっくりしないようにそっと覗いてあげてくださいね。

おしっこを漏らしている

これは特に年をとった猫におきやすい現象です。

老猫になると関節炎や筋力の低下により、トイレ以外の場所でおしっこをしてしまったり、気付かないうちにおしっこを少量ずつ漏らしてしまったりしてしまいます。

この場合は、お風呂に入れたとしてもまた臭いがしてくる可能性が高いです。

動物病院へ行き、獣医と相談して、猫用オムツなどを着用するかどうか決めてください。

また、まだ若い猫なのにトイレ以外でおしっこをする、何度もトイレに行く、おしっこの時に必要以上に体に力が入っている、血尿が出ている、などの症状がある場合は、膀胱炎や尿路結石の可能性が非常に高いです。

尿路結石は特にオスに多い病気です。

膀胱炎・尿路結石は猫の命に関わる病気なので、早急に動物病院へ連れて行きましょう。

スプレー(マーキング)が付着している

未去勢のオスの場合はどこかでスプレー(マーキング)をして、そのしぶきが体に付着していることが考えられます。

この場合は、ティッシュなどで拭いたあとにお風呂に入れれば臭いは取れますが、去勢をしない限りは根本的な解決にはならないでしょう。

去勢をすると将来的に様々な病気を予防する事にも繋がります。

スプレー(マーキング)は習慣化すると、去勢をしたとしても止めなくなってしまう可能性があります。

出来るだけ早いうちに、飼い猫の体調や動物病院と相談して去勢を検討してあげてください。

口内環境の悪化

口内炎や歯周病になってしまうと、猫の口からは悪臭がするようになります。

その口で体中を毛繕いするので、猫の体全体から悪臭が放たれるようになります。

猫の口を開けてみて、悪臭がする、歯が抜けている、歯茎が赤く腫れている、などの症状がある場合、口内炎や歯周病と考えられます。

この場合、毛繕いを止めさせることは出来ませんので、口内炎・歯周病を治さないと悪臭が消えることはありません。

口内炎・歯周病を治すためには動物病院へ行くことをオススメします。

歯石や歯垢が原因の口内炎・歯周病の場合は、歯石や歯垢を取り除いてもらえます。

また、猫エイズなどが原因で口内炎や歯周病を起こしている可能性もあります。

獣医から勧めがあれば、猫エイズ等の検査を受けてみましょう。

腎臓機能の低下

猫の腎臓機能が低下すると、吐く息からおしっこのような、いわゆるアンモニアのような臭いがすることがあります。

この場合体の内側から臭ってきているので、お風呂に入れてあげたとしても臭いが消えることはありません。

食欲が低下している、あまり運動をしない、元気がない、水を異常に飲む、おしっこの量が異常に多い、便秘、などの症状がある場合、腎臓病の可能性が高いので、早急に動物病院へ連れて行ってあげてください。

放っておくと尿毒症になり苦しんで死んでしまうので、一刻も早く動物病院で治療する必要があります。

猫は年をとると腎臓が弱りやすい生き物です。

そして、腎臓の組織はいったん壊れると治療をしても元には戻りません。

腎臓病の予防としては、猫が若いうちから腎臓ケアのフードを食べさせ続けること、人間のごはん(特に、塩気の多い物)はあげないことなどが大切です。

猫がおしっこ臭い時は十分注意して

猫がおしっこ臭い時、お風呂に入れてあげて臭いを洗い流すことも大切ですが、「何故、おしっこ臭いのか?」を考えてみましょう。

単純に、おしっこの勢いがよすぎて体にかかっただけかもしれません。

お風呂に入れてあげれば、もう臭わないかもしれません。

けれど、そのおしっこの臭いは猫からのSOSの可能性もあります。

猫は人間の言葉を話せません。

どんなに具合が悪くても、気に入らないことがあっても、それを伝える手段を持たないのです。

大切な家族である猫が苦しい思いをしないように、飼い主である私達が猫の様子に気を配ることが何よりも大切です。