猫のヒゲは距離感を測るためについている、と聞いたことはありますか?
頬から出ている長い毛が特徴的ですが、実は猫のヒゲは頬だけではなく、目の上、口の上、アゴの下にもあるのです。
顔中ヒゲだらけと思ってしまいますが、そのヒゲには重要な役割があります。
今回は猫のヒゲが持つ意味についてまとめました。
距離感を測る
猫のヒゲは、体毛に比べ2倍ほど太く、また3倍近く深くから生えています。
ヒゲの根元には感覚の変化を察知するセンサーが多く存在しています。
特に根元には血液が溜まっている器官があり、ヒゲが受けた振動をより大きく感知する働きがあります。
狭い場所を通るときは、ヒゲを大きく広げて、周りの状況を確認します。
ヒゲが広がる広さならば通れると判断するのです。
平衡感覚を保つ役割もあるので、邪魔そうだと思っても決して切ってはいけません。
また、空気の流れも感じ取ることができます。
そのため、暗闇でも何かにぶつかることなく歩くことができます。
空気に流れてきた獲物のにおいを感じ取り、どちらの方向からどれくらいの距離にいるかなども推測することができます。
単純に今いる空間の距離感だけではなく、空気から方向、距離も計算できるのです。
目を守っている
よく観察すると、目の上にも長いヒゲが生えています。
目の上のヒゲはまぶたの神経と繋がっています。
目の上のヒゲで異物を感じ取ると、目を守るために瞬時に目をつむります。
より早く身を守るために、ヒゲは長く生えています。
少し触れただけでも猫にとっては大きな感覚で、生きるためにとても大事な器官です。
目だけではなく、体全体を守る機能も備えています。
ヒゲは顔の上下左右にあり、顔を囲うように丸く生えているのが特徴です。
これは目、鼻、口といった顔を守るように生えています。
なんとなく生えていると思っていても、生えている位置にもちゃんと意味があるのです。
空気を感じ取る
距離感を測る際、空気の流れも感じ取ると言いましたが、人間には感じることのできない振動・音波も感じることができます。
湿度なども感じ取ることができると言われていて、猫が顔をあらうと雨が降ると言われている由来になります。
ただし科学的な証明はされていないので、実際のところは不明です。
その他猫は、獲物のにおいを感じるだけでなく、獲物の動きも感じ取ることができます。
獲物を捕らえるときは、ヒゲが大きく広がります。
ヒゲの感度を広げることで、確実に獲物を仕留めるためです。
猫に目隠しをしても、ヒゲがあれば狩りができるといった実験報告もあり、生きるために必要な器官と言えます。
猫の感情を読み取ることもできる
猫の感情を読み取るにはしっぽの動きを想像しますが、実はヒゲにも感情が表れます。
眠っているときやボーッとしている時など、リラックスしている場合は下に垂れます。
まれに体調不良の時も垂れるようなので、様子がおかしい場合は専門家に診てもらいましょう。
鼻より前に突き出ている場合、警戒していたり機嫌が悪かったりします。
そっとしておいてあげましょう。
顔に沿ってピンと立っている場合は、嬉しかったり機嫌が良い時です。
ヒゲを広げて周囲を見渡しているときは、周りの様子を伺っていいます。
ヒゲだけでも猫の感情がわかるのでおもしろいですね。
猫のヒゲが抜けてしまった場合
猫のヒゲは一定期間で生えかわります。
抜けたヒゲを見て驚いてしまう飼い主も多いようですが、抜けたヒゲを捨てずにとっておく飼い主もいるようです。
自然に抜けてしまった場合はきちんと新しく生えかわるので心配ありません。
しかし、抜けてから生えてこない場合や、病気で抜けてしまった場合は注意が必要です。
病気で抜けてしまう場合、ダニやストレスが原因になることが多いです。
猫の顔の毛に生息するダニが皮膚炎を起こし、ヒゲが抜けてしまうことがあります。
ダニ予防の薬やシャンプーが市販されているので、疑わしい場合は利用しましょう。
また、ヒゲは非常にストレスを感じやすいので、狭すぎるところで飼育したり、必要以上にヒゲに触れるのは控えましょう。
エサ入れが小さく、エサを食べる時にヒゲが当たってしまい、その刺激でストレスを受ける子もいます。
そんなときは大きめのエサ皿に変えるだけで改善できるので、試してみてください。
ヒゲがないと感覚がつけまず、更にストレスを溜めてしまうことになります。
故意にヒゲを抜くのは絶対にやめましょう。
猫のヒゲには重大な意味がある
猫のヒゲには、距離感覚や自衛のためのセンサー、また感情を表すことができる能力があります。
顔全体で5、60本と言われていて、どれだけ重要な器官かが伺えます。
中には見た目が悪いからという理由で切ってしまう人もいるようですが、猫にとっては迷惑な話です。
猫の性質、ヒゲの重要性を学んで、これからも元気に暮らしていけると良いですね。