猫の顔はよく見る部分ですから、些細な変化でもすぐに目につきます。
例えば鼻に何か付いていることに気付いた場合、どう対処するべきなのか悩みますね。
原因が分かれば、変化に気付いたときの対処も変わってきます。
今回は、猫の鼻に黒い点ができたときに考えられる理由についてご紹介します。
汚れ
本当に単純に、ただ鼻に汚れがついているという場合があります。
水で濡らしたティッシュなどで拭くと汚れが取れたりするので、すぐに見分けがつくでしょう。
ただ、すぐには落ちない汚れの場合もあります。
そうした場合でも、毎日丁寧に拭いてあげれば、そのうち黒い点が薄くなっていくことがあります。
もし猫の鼻に黒い点ができた場合、汚れかもしれないことは最初に検証してみても良いでしょう。
それに猫の鼻くそは黒いものなので、もしかしたら鼻くそが鼻の頭についてしまったのかもしれません。
鼻くそのできやすさは個体差があるので、よく鼻くそができる猫なら小まめに鼻掃除をしてあげると良いでしょう。
丁寧に拭いていってもそうした汚れとして落ちないなら、以下の可能性が考えられます。
シミ
猫も人間と同様に、加齢によって皮膚にシミができます。
シミの色も、黒だけでなく茶色いものもあります。
目や口周りなどの粘膜や、お腹などに出やすい傾向があります。
赤く腫れあがっていたり、痒がったりする様子が見られないならそうした加齢に伴う変化ですので、気にする必要はありません。
また、病気やケガの痕などが黒いシミになって残る場合もあります。
茶トラ系の猫などでは、色素沈着として鼻に黒いシミができることが多く、この場合は若いうちからでもシミとして見つかります。
ただ、この黒いシミが明らかに周りの皮膚と違って固かったり盛り上がっている場合は病気の可能性もあります。
ニキビ
これも人間と同様に、猫にも吹き出物ができます。
シミと違って、黒い点がぽろりと落ちることがあるものです。
通常は顎の下にできることが多く、基本的にはそれほど深刻なものではありません。
けれど、時にマラセチア菌という菌が繁殖し、膿皮症という病気に発展する場合があります。
こうした炎症を伴うニキビを、猫挫創と言います。
これは、違和感が気になって引っ掻いているうちに、傷になって化膿することで発症する病気です。
もし気にしている様子なら一度病院で相談したほうが良いでしょう。
また、ニキビができる原因を少なくすることで予防することもできます。
エサや水のお皿をあまり洗わない、不衛生な状態だと菌が繁殖しやすくなり、ニキビもできやすくなります。
清潔な環境を心がけましょう。
ノミの糞
ノミの糞が鼻についていた、という場合も鼻に黒い点ができたように見えます。
この場合は鼻だけでなく、尻尾の付け根や腰の周辺に似たような黒い粒を見つけることができます。
ノミは皮膚炎の原因となるので、見つけた段階でできるだけ早い対処をしましょう。
ノミの糞は水に浸すと赤く滲むので、ノミの糞かどうか確認できます。
自分でノミ退治をする自身がなければ、無理せず獣医に相談しましょう。
ホームセンター等で市販されている薬よりは、動物病院で扱う薬のほうが遥かに安全で確実です。
とくに絶対にやってはいけないのが、ノミを見つけたからと言って猫の体の上でノミを潰すことです。
もしそのノミがメスだった場合、卵が猫の体に飛び散ってしまい、潰した異常に多くのノミが宿ることに繋がります。
皮膚ガン
シミでも汚れでも、ノミでもなさそうな場合に考えられるのがやはりこれです。
触ってみたときにコリコリした感触がすれば、可能性は高いです。
本当にガンだろうか、と確かめるつもりでしつこく触るとガン細胞を広げてしまうかもしれないので、少しでも疑った場合はすぐに病院へ相談しましょう。
鼻にできるものは扁平上皮ガンと言って、扁平上皮がガン化したもののことです。
最初はかさぶたのようなものから始まり、徐々に膿んだようになってくるのが特徴です。
このガンの原因は、まだはっきりとしたものは分かっていません。
ただ、色素が薄い猫の毛の薄い部分に発症しやすいことから、紫外線に原因の一端があるのではと考えられています。
ガンの治療は人間と同様に、猫に強い負担を与えます。
早期発見できれば完治することもできるので、少しでも怪しいと感じたら早めの相談をオススメします。
鼻の黒い点は汚れがほとんど
猫の鼻に黒い点ができたときに考えられる理由としてご紹介してきましたが、最も多いのは最初にあげたような汚れである場合です。
ただ、時にはガンのような恐ろしい病気が見つかることもあります。
なので普段から猫の様子を観察し、普段と違う変化が見られた場合は早めの相談を心がけましょう。
とくにガンは、早期発見が治療の要になります。
普段からスキンシップやマッサージをすることで、ガンのしこりを見つけるのに役立ちます。