元気でよく動き回ってよく食べていた猫が、年齢を重ねていったり、病気をしたりして弱って衰えていくことは、猫を飼っていると避けて通れないことです。

今回は、猫が衰えてしまった時に見せる行動や仕草についてご紹介します。

ずっと寝ている

健康な若い猫の睡眠時間は、1日に平均14時間ほどで、1日の半分以上は寝て過ごしています。

しかし、これほどの時間を寝て過ごす猫ですが、基本的に眠りは浅く、寝ていても物音がしたり、危険を感じたりすると、すぐに起きてしまうことが多いです。

熟睡している時間は短いですが、熟睡していると触ったり揺らしたり何をしても起きないこともあります。

猫は年を取っていくごとに睡眠時間はどんどん増えていき、10歳以上の高齢となると1日の大半を寝て過ごすようになります。

体力の衰えから、動くのもしんどくなり、寝ていても敏感に反応していたものにも鈍くなり、ずっと寝ているようになります。

もちろん、しんどくてずっと寝ている場合は何らかの病気の兆候の可能性もありますので、食べないなど他にも変化があれば病院で診てもらいましょう。

高齢になると筋肉や脂肪が減り、痩せてきますので、暖かくてふかふかの寝床を作ってあげるなど気持ちよく寝られる環境を作って、リラックスできるようにしてあげましょう。

グルーミングの回数が減ってくる

猫はグルーミング(毛づくろい)が大好きで、暇があればグルーミングをしている子が多いです。

グルーミングには色々な役割があり、猫の行動には欠かせません。

グルーミングの役割は、毛玉が出来ないように毛をとかしたり、フケや抜け毛を取り除いたりすることで皮膚の健康を維持しています。

また、リラックス効果もあり、イライラしたり、不安を感じていたり、疲れたりしている時にもグルーミングをします。

他にも、体温調節の役割や、日光浴をしたあとにグルーミングをすることによって、ビタミンDを摂取したりもしています。

しかし、高齢になるにつれて、グルーミングの回数も減ってきます。

そうすると、体が臭くなって来たり、フケや毛玉が出来たり、汚れが目立つようになりますので、不潔にならないようにコームで毛をといたり、濡らしたタオルで体を拭いてあげたりしましょう。

必要最低限の動きしかしない

猫はとても遊び好きです。

動く獲物を捕らえようとする狩りの本能から、おもちゃで遊んであげると俊敏な動きで反応します。

また、急に全速力で走り出したり、高い所が好きなので、上ったり下りたりして、猫は、運動神経がとても良いでしょう。

しかし、高齢になると若い頃みたいな動きをする猫は少なくなってきます。

筋肉が衰え、足腰に力が入りづらくなり疲れやすくなったり、瞬発力や、視力や聴力などの感覚器の反応も鈍くなってしまい、必要最低限の動きしかしなくなります。

ただし、遊ぶことが嫌いになったわけではないので、たまにおもちゃでその子のペースに合わせて遊んであげると、気分転換になります。

食べ方が変わる

猫は色々な食べ方の癖を持っています。

与えられたフードをガツガツと一気に食べてしまう子や、時間をかけて少しずつマイペースに食べる子や、食べたい時に何回かに分けて食べるというような食べ方をします。

しかし、高齢になり衰えてくると、歯やアゴ、また噛む力も弱くなったり、内臓の機能も低下したりして、食べ方や食べる量が変わります。

今までは、ガツガツと残さず食べていた猫も時間をかけて食べる様になったり、何回かに分けて少しずつ食べたりしていた猫も、次のごはんの時間までに食べきれず、残していたりします。

高齢になってもフードは美味しく食べられるように、年齢に見合ったフードに変えたり、食べにくそうにしていたら食べやすいようにふやかしたり、缶詰に変えたりと気を使ってあげましょう。

口を気にする

猫が年を取り、衰えてくる原因の1つに腎臓の機能が弱まってくることがあります。

そのため、猫が腎不全になってしまい、亡くなるということは決して稀な事ではありません。

この腎不全になってしまうと、本来体の外へ出さないといけない老廃物が排出されず、体内に溜まってしまうので、気分が悪くなり、吐き気も出てきてしまい、吐いてしまったり、口をやたら気にしたり、口をくちゃくちゃしたりします。

他には、年を取れば歯も悪くなり、歯石が溜まったり、歯槽膿漏になっていたりすると、歯が抜けそうになったり痛みがあったりしてよだれの量も多くなり、口を気にするようになります。

特に腎不全は、死につながる病気ですので、あまりにも口を気にする仕草が多ければ、放っておかず、病院で診てもらいましょう。

トイレの回数が増えたり減ったりする

若く健康な頃に比べて、衰えてしまうと、トイレへ行く回数が増えたり減ったりするようになります。

消化機能も衰えてしまうので、今までスムーズに出ていた便も、便秘になってしまったり、下痢になってしまったりします。

また、腎臓の機能も低下してしまうので、水をたくさん飲み、おしっこの量や回数も増えたりします。

何日も便秘になってしまうと、気張るときに出血したり、自力で便をだせなくなったりもします。

普段のトイレの様子をよく観察して、トイレに行く回数や時間、便やおしっこの様子なども確認しておくことが大事です。

猫の衰え具合を把握しておこう

飼い猫の動きが鈍くなったり、生活に変化があったりするのは、ただ年をとったせいなのか、または、病気の兆候なのかをしっかり見極める事ができたら、少しでも長生きしてもらえると思います。

ちょっとでも様子がおかしく感じたり、病気か年のせいなのか見極める事が難しかったりする場合は、動物病院で診てもらいましょう。