夕方や夜になると、道端で猫が集まっていることがあります。
巷では猫の集会と言われていて、研究を重ねた人もいます。
集会と言っても、会議のようにしゃべっている訳でもなく、ある程度距離を保ちながら、特定の範囲に座り込んでいるだけです。
全国的、世界的にもある猫の集会ですが、一体どんな理由で集まってくるのでしょうか。
猫同士の顔合わせ
本来猫は、自身の縄張りに敏感な生き物です。
自分だけの衣食住の縄張りを大事に守る生き物ですが、野良猫が多い場合、そうはいきません。
猫の世界にも上下関係があり、弱い固体は追い出されてしまいます。
しかし不思議なことに、同じ縄張りで共存することを許す場合もあります。
その結果、衣食住を共にし生き延びる事ができる猫が増えていきました。
互いにケンカして衣食住を失うよりは、共存することの方が良いと思ったのでしょうか。
そうすると自然に、同じ縄張りで生きる猫同士の顔合わせが必要になってくるのです。
お互いの存在を許しあう集会といったところでしょうか。
基本的に、同じ縄張りで生きている猫のメンバーは変わらないといった予測があります。
ちなみに、このような場所に人間が騒いで入っていくと、一斉に鳴きだしたという声もありました。
許されていない存在に邪魔はされたくないのかもしれません。
猫同士の情報交換
飼い猫も集会に参加するようですが、集会を開いている猫の多くが野良猫です。
野良猫にとって、生きるためにはエサが必要です。
エサを独り占めしたい気持ちがありそうに思えますが、実は野良猫同士は各々の活動範囲の環境を報告しあっている、なんて事も考えられます。
また、散らばって活動するより、ご近所同士で情報を共有したほうが猫にとっても危険がリスクを減らせるのです。
野良猫の死因は交通事故が多いといったデータがあります。
情報を知らないまま一人で活動範囲を広げるよりも、仲間と情報交換をしたほうが、様々なリスクを回避することが出来るかもしれません。
また、衣食住の情報に限らず、1日の出来事を報告しあっているかもしれません。
出会いを探している
メス猫は、季節に起因して繁殖期が訪れます。
オス猫はというと、メス猫の繁殖期に合わせて発生すると言われています。
そのため、繁殖期を迎えたメス猫がいると同時に、オス猫も出会いを求め始めるのです。
メス猫もオス猫の出会いたいわけですから、必然と出会いの場として同じところに猫が集まってくるのかもしれません。
広範囲を練り歩くよりは、固まっていたほうが楽なのでしょうか。
繁殖期を迎えた場合、一晩中猫の鳴き声が聞こえる場合があります。
夜中に外から猫の鳴き声が聞こえたことはないでしょうか。
よくよく思い出してみると、もしかしたらいつもと同じ場所で鳴き声がしているかもしれません。
エサ待ち
実は集会なんてしておらず、単純にエサを待っているだけかもしれません。
地域のよって野良猫の保護活動をしている団体がいる場合、決まった時間・場所にエサを置くことがあります。
また、ご近所の方がエサを置いている場合もあります。
情報交換の結果、エサの場所を複数の猫が把握しているかもしれません。
猫の集会を人間自身が作れるかもしれませんが、野良猫へのエサやりは問題視されている点もありますので、必ず役所などで相談しましょう。
女子会
なんとメス猫のみが集まる場合もあるそうです。
集まりには子持ちのメス猫が多く、子猫同士で遊ばせたり、ベビーシッター役の独身メス猫もいるようです。
このような現象は、野良猫独特といった声があります。
地域によってはケンカの強いオス猫が主導権を握っている集会場もあり、メス猫単体では参加しずらいのではといった意見もあります。
そこでメス猫は、メスのみのグループを確立させたのです。
1対1では勝てないが、複数のメス猫を連れていることによって、権力のあるグループに認めてもらえることもあるようです。
特に理由はない
暖かい日差しがあるから、エサがもらえるから、仲間がいるから、なんとなくそこにいる。
特に理由はないけれど、気付いたら猫がたくさん集まっていたなんて事もあるかもしれません。
猫の集会といっても、お互い一定距離を保ち、ボーっとしている事が多いです。
案外一人ぼっちが寂しいのかもしれません。
猫が集まる場所はある程度広い場所だといわれているので、駐車場での目撃が多く、また、神社や住宅の庭にも集まることもあります。
意外に場所はどこでも良く、日当たりや環境がよければ好んで集まってくるのかもしれません。
猫のみぞ知る集会の理由
様々な研究が世界でなされていますが、猫の声を直接聞くことはできないので、あくまで観察から来る推測でしかありません。
本来の猫の集会には、まったくちがう意味があるのかもしれません。
猫と会話が出来るなら聞いてみたいところですが、教えてくれるとは限りませんね。
猫の集会を目撃しても、邪魔しないであげましょう。