冬は夏に比べて、いろいろな病気にかかりやすい季節です。

わかってはいてもなかなか防ぎきれない冬の病気ですが、何に気をつければよいかおさえておくだけで対策になります。

今回は冬にかかりやすい猫の病気と、気をつけるべきことについてご紹介します。

ウイルスや感染症

冬はもともと空気が乾燥しやすい季節です。

それに加えて寒さを緩和するために暖房器具を使用しますが、この暖房器具がさらなる乾燥を引き起こします。

空気が乾燥してしまうと、鼻やのどの粘膜が弱ってしまい、ウイルスや感染症にかかりやすくなってしまいます。

軽い症状としてはいわゆる風邪と言われるもので、咳や発熱、鼻水、くしゃみ、下痢、嘔吐といった症状が中心となります。

このような症状が出た場合はまずは動物病院を受診することが大切です。

また風邪症状のようですが実は風邪ではない、冬に猫が気をつける病気が2つあります。

1つはウイルス性鼻気管支炎です。

症状はくしゃみや鼻水、食欲不振などのよくある風邪の症状と同じですが、とても強いウイルスが原因で発症しています。

症状が悪化してしまうと呼吸困難や気管支炎、肺炎などになってしまうことがあります。

特に体力のない子猫や老猫は命を落とすこともある病気なので気をつけましょう。

このウイルスは低温に強いので冬だけ発症する病気です。

もう1つはカリシウイルス感染症です。

舌炎や口内炎ができてしまい、それが原因で食欲がなくなる病気です。

症状が悪化すると肺炎や結膜炎、気管支炎などの症状を併発します。

感染症なので、1匹感染している猫がいると、他の猫との接触で病気を移してしまうので多頭飼いの場合は特に注意が必要です。

予防接種で回避することができる病気なので、予防接種で対策をとるのもよいでしょう。

泌尿器系の疾患

猫はもともとあまり水を飲まない動物です。

もともと猫は砂漠地帯で生活していた動物だと言われていて、乾きに慣れている(強い体質である)ため、夏であっても水は必要最小限しか飲まないのです。

これが寒い冬になってしまうと冷たい水をますます飲まなくなってしまいます。

しかしそれが原因でおしっこの濃度が濃くなってしまい、結石ができて尿道が詰まると、おしっこが出なくなってしまいます。

1日以内におしっこが出ていないことに気づけば膀胱炎で済みます。

しかし、2日~3日おしっこが出ない状態で処置を行わないと、溜まった尿から有毒な物質が発生し尿毒症になり、最悪の場合は命を落とします。

特に雄猫の場合は尿道がふさがりやすいので、おしっこの量と濃さを毎日必ずチェックしましょう。

出ていない時にはすぐに動物病院で処置をしてもらうようにしましょう。

尿石ができにくいキャットフードを与えたり、多めに水分を摂らせるように意識するなど、飼い主もエサや水分の与え方について工夫してあげることが必要となります。

また、寒さが嫌いな猫のためにトイレを温かい場所に置いてあげることも重要です。

火傷や脱水に注意

冬の暖房器具による火傷や脱水に注意が必要です。

特にファンヒーター、ハロゲンヒーター、石油ストーブなど直に触れられるもの、触れると高温になるものについては火傷の心配があります。

好奇心旺盛の子猫などは手で触ってみようと試みる場合があるので気をつけましょう。

こたつがある家は、猫が長時間こたつの中に入り込んでいないか定期的にチェックしてあげて下さい。

だいたいの猫は暑さを感じたら自分で出てきますが、うっかり寝てしまってそのままぐったりしてしまうこともあります。

それからお風呂の湯船のふたの上が好きな猫が意外と多いのですが、温かいふたの上で寝ていて湯船に落ちて低温やけどをする猫も多いです。

猫は寒さが苦手なので暖を求めて温かい場所へ集まることが多いので、火傷をしないように気をつけてあげましょう。

肥満による心疾患や循環器疾患

冬は寒いので、寒さが苦手な猫は食べては寝る生活を繰り返していることが多いです。

この場合、カロリーの高いエサをあげていると冬の間にどんどん猫は太っていきます。

結果、心臓系の病気や血管などの循環器の病気にかかったり、体重増加による関節系の疾患を発症してしまったりします。

肥満は猫の体のいろいろな部分に支障をきたるので、体重管理はきちんとおこなうようにして下さい。

また、温かい部屋で遊ぶ時間を積極的に設けてあげて、猫が好きな遊びを1日10分でもいいので毎日行うようにしましょう。

マッサージやブラッシングも血行がよくなるのでオススメです。

冬に気をつけるべき猫の病気はたくさんある

猫は寒さに弱いので、冬は1番気を遣ってあげなければならない季節です。

部屋の寒暖差がなるべくないように管理をしてあげて、寒さへの負担を軽減させるとともに、食事や水分量と排泄の状態も毎日確認してあげる必要があります。

それにプラスして安全対策をおこなってあげることも必要です。

これらをおこなうことで寒さが原因のウイルスを避けることもでき、様々な病気や事故を未然に防ぐことができます。

愛猫に長生きしてもらうためにも、最適な環境に整えてあげて下さい。