飼っている猫がスルメイカを食べたがったりするのはよくありますね。
猫はその他にも、パンやお米など色々なものを食べたがったりする子が居ます。
今回は、パンを食べたがっている子にあげる時の注意点をご紹介します。
猫はパンを消化しにくい
猫は肉食性であり、米や肉、野菜を食べる事が出来る人間とは異なります。
人間は雑食性と呼ばれ、様々な消化酵素を胃や腸で作ることが出来ますが、肉食動物は肉などのタンパク質や油の消化に特化した胃腸を持っており、パンなどの炭水化物を消化する酵素が少なくなっています。
そのため、肉以外の野菜や炭水化物を過剰に摂ってしまうと、消化せずに出てきたり、お腹の中で発酵してしまったりする事がよくあります。
炭水化物であるパンを絶対あげてはいけないという事はありませんが、基本的には体に良くないものという事をまずは念頭に置いておきましょう。
しかし、量を守ってしっかりと管理すれば、満足感を与える事も出来ますし、深夜に私達に隠れてパンやお菓子の袋を漁ってしまう事などを防ぐ事も出来ます。
パンの量を少なめに
パンをあげすぎた場合、腸内でパンの酵母が発酵してガスが溜まって便秘になったり、発酵しなくても消化しにくいために下痢を引き起こしてしまったりします。
そのため、あげる量というのは非常に重要です。
目安としては、ドライフードの2粒~3粒程度が良いでしょう。
また、毎日あげるのも良くありません。
多くとも1週間に1回以下に抑えるようにしましょう。
エサを食べないけどパンは食べるからといって、あげるのもいけません。
エサをあまり食べていない時は胃腸の消化能力が下がっている事が多く、そこに消化のしにくいパンを食べてしまうと、激しい下痢や便秘を招くことになりかねません。
あくまでおやつとしてあげるものという認識が重要です。
味のついていないパンをあげる
実は猫は甘みを感じる事が出来ません。
猫の感じる味覚は主に「酸味」「苦味」「塩味」の3つで、砂糖がいくら入っていようとも、ほとんど甘さを認識することはありません。
また肉食であるため、人間とは異なってそもそも糖分を必要としていません。
メロンパンや、蒸しパンを食べたがる猫は多いのですが、猫にとっては過剰な糖分を含んでおり、摂り過ぎは肥満の原因となって糖尿病などのリスクを増やしてしまいます。
塩分についても、感じはするもののドライフードやウェットフードに含まれている量で十分であるので、しょっぱいパンなどもあげないようにしましょう。
ですので、食べさせるのならば減塩・無塩の食パンや無添加のパンなどが好ましいです。
フカフカのパンをあげる
パンを食べさせる時に千切ったパンをコネてあげてしまったり、硬いパンをあげていたりはしませんか?
猫などの肉食動物の歯は、切歯は発達していますが臼歯が発達していないので、噛みちぎる事には特化していても、噛み砕く・咀嚼する事には向いていません。
そのため、口の中に入った食べ物はほとんど丸飲みしています。
コネて密度の高くなったパンは消化不良を助長する可能性があり、ラスクなどの硬いパンは破片が食道や胃腸に怪我を負わせてしまうかもしれません。
もしあげるのならば、出来るだけフカフカのパンを食べさせてあげるのが良いでしょう。
牛乳と一緒は絶対にNG
パンを食べる時に牛乳につけて食べる人も多いとは思いますが、実は成長した猫は牛乳を消化する事が出来ません。
これは牛乳に含まれる乳糖と呼ばれる糖が原因です。
哺乳期間中の猫は、乳糖を消化する酵素を持っているのですが、哺乳期間を終えると猫の腸はこの乳糖を消化する酵素をほとんど失ってしまいます。
結果、乳離れした猫は乳糖を消化する事が出来ずに下痢を起こしてしまう訳です。
下痢を起こしやすい牛乳とパンを一緒に食べさせることは、更に強い下痢を引き起こしてしまうので絶対にやってはいけません。
猫の食べたがる食べ物は戸棚に
猫には異食癖を持つ子が多いのです。
ビニール袋が大好きでいつも噛んでいたり、ヒモや布を飲み込んでしまう子もよく居ます。
これらは完全に消化出来ないもので、非常に危険な癖です。
ヒモや布が腸に溜まってしまい腸閉塞を起こる事もあり、絶対に飲み込まないように猫から遠ざけておくべきです。
もし大きなものを飲み込んでしまった場合は、即座に動物病院へ連れて行きましょう。
これと同様に、夜中私達が寝ている時間にお菓子やパンを盗食してしまう子も居ます。
お腹が空いていなくてもやってしまう子はやってしまうもので、未然に防ぐためには、食べたがるものは猫の開けられない戸棚に閉まっておく事が必要です。
猫にパンをあげないようにしよう
猫によってはパンや牛乳に対する消化酵素を持った子も存在します。
しかしそれは特別な子であって、大抵の猫の体にはあまり良いものではありません。
もし消化酵素を持っていても、栄養バランスの偏りが起こり、肥満などを引き起こしてしまうかもしれません。
やはり基本はあげてはいけないという事をしっかりと覚えておくことが重要です。
ご飯として食べさせるのは本来の食性から離れてしまう事で、おやつとしてあげるかどうかをしっかりと見極めていきたいですね。