飼い猫の体重が減っていくと、「病気になっている?」と不安になってしまいます。
ただ、食欲があるのに痩せるという場合、問題はあるのでしょうか?
食べているのにも関わらず、体重が減っていく原因をご紹介します。
猫が食欲あるのに痩せている
運動量が増えた
食べても体重が減ってしまうという場合、運動量が増えたという可能性があります。
人間もダイエットの時、運動をして体重を落としますが、猫も摂取カロリーよりも消費カロリーが上回れば当然、体重は減っていくのです。
この場合、病気など体に異常があるのではなく、運動で体重が減っているだけなので特に問題はありません。
成猫の場合、3kgから5kg以内であれば、正常な体重と言われています。
運動量が増え、適正な体重よりも痩せてしまった場合は、食事の量を増やしたり、少し高カロリーな食事にするなどして対処しましょう。
年齢や体質に合っていないフード
食べているのにも関わらず、痩せてしまうという場合、年齢や体質に合っていないフードを与えている可能性があります。
例えば、若い猫に高齢猫用のフードを与え続けると、摂取カロリーが足りず痩せてしまうケースがあります。
高齢猫は運動量が減るので、フードのカロリーを少なくしている商品も少なくありません。
まだまだ元気に遊ぶ若い猫に、高齢猫用のフードはカロリー不足となってしまいます。
また、ダイエットの必要の無い適正体重の猫に、ダイエット用のフードを与えても、やはりカロリーが不足し食べても痩せる事があります。
肥満は色々な病気を引き起こすので予防するべきです。
しかし、年齢・体質に合っていないフードで無理に痩せさせるのも、猫の健康を害してしまう恐れがあるので注意しましょう。
胃腸の働きが落ちている
猫も年齢を重ねる事により、体の機能が徐々に低下していきます。
胃や腸の働きが落ちると、食べても痩せていく事があります。
胃腸がしっかり働いていないと消化不良を起こしたり、栄養素の吸収が落ちて十分なカロリーを補えず痩せてしまいます。
消化不良を起こすと下痢になりやすく、さらに栄養素の吸収が阻害され体重が落ちやすくなります。
特に高齢猫の場合は、猫にとって必須の栄養素である脂質やタンパク質の消化、吸収が低下しやすいと言われています。
高齢猫というだけでなく、何らかの病気やストレスで胃腸の働きが落ちても、食べているのに痩せやすくなるので注意しましょう。
慢性腎不全
猫は腎臓病を起こしやすい動物と言われています。
腎臓病の中でも慢性腎不全という病気を発症した場合、食事の量が減っていないのに、痩せて行く事があります。
慢性腎不全は徐々に、腎臓の機能が低下していく病気です。
症状が悪化すると食欲不振に陥りますが、初期の場合は食事の量も減らず元気でいる事が多いと言われています。
慢性腎不全の初期だと、食べていても痩せる事があるので注意が必要です。
慢性腎不全に陥ると、水をたくさん飲むようになります。
水を飲む量や回数が増え、なおかつ体重が落ちるような事がある場合、慢性腎不全を疑い早めに動物病院を受診する事をオススメします。
糖尿病
生活習慣病として知られる糖尿病ですが、実は猫も糖尿病を発症する事があります。
糖尿病はインスリンというホルモンの分泌量が減ったり、働きが悪くなる病気です。
この糖尿病を発症すると、しっかり食べているのに痩せてしまうので注意しましょう。
糖尿病になってしまうと、エネルギー源である糖を細胞に取り込む作用が低下してしまう為、エネルギー不足となり食欲はあるのに痩せてしまいます。
人間同様、糖尿病は治療をしないと症状が悪化してしまう病気です。
発症すると食欲が増えているのに痩せる、水を飲む量が増える、水分摂取が増加する事で尿の量・回数も増えます。
このような症状がある場合は、やはり動物病院を受診する事が大切です。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症という病気を発症した場合も、食欲があるのに体重が落ちて行くと言われています。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンというホルモンの分泌が過剰になる事で起こる病気です。
この病気を発症すると今までより、かなり食欲が増えます。
そして食欲が増加しているのにも関わらず、体重は減少していきます。
このような症状の他に、甲状腺機能亢進症になると行動が活発になったり、急に攻撃的になる、水をたくさん飲むなどの症状も現れるようです。
特に8歳以上の中高年から、高齢の猫に発症しやすいと言われています。
回虫などの寄生虫による感染症
猫に起こる感染症の種類は数多くあります。
中でも寄生虫に感染してしまうと、食べているのにも関わらず体重は減って行ってしまいます。
回虫やうりざね条虫といった寄生虫が腸に住み着くと、食事をしても寄生虫が栄養素を吸収してしまいます。
結果、しっかり食事の量を摂っているのに、栄養素・カロリー不足となり痩せてしまいます。
回虫などの寄生虫に感染すると、体重減少の他に下痢も起こしやすいようです。
特に回虫は外出が自由な猫の場合、高確率で感染しています。
あまりにも回虫が腸の中で増えてしまうと、腸閉塞を起こしてしまう危険性もあるので、薬剤で駆除しましょう。
猫が食べても痩せる時は注意しよう
食欲があるのに痩せるという場合、運動量が増えたなど問題の無いケースもあります。
ですが、何かしら病気を発症し体重が減っていく事も多いので、食べているのに痩せる時は、早めに動物病院を受診しましょう。
日頃から体重をチェックしたり、マッサージなどでスキンシップを取っていると、体重の違いに気が付きやすいと思います。