成長すると鮮やかなピンク色になるレッドチェリーシュリンプ。
ごくごく小さなエビですが、サバイバル能力は高く、初心者でも簡単に繁殖できるエビとして有名です。
今回は観賞用としても、繁殖用としても役立つレッドチェリーシュリンプの繁殖方法と、気を付けたいことについてご紹介します。
レッドチェリーシュリンプとは
レッドチェリーシュリンプは台湾が原産の淡水で生活するエビです。
もともとは茶色や緑色だったのですが、観賞用に赤く変異したものが多く流通しています。
生まれたばかりの時はそれほど特徴的な色味ではありません。
稚エビが成長するにつれて、だんだんと背中が赤くなってきます。
体長は大きいものでも4cmくらいです。
多くのレッドチェリーシュリンプは、人差し指に乗るくらいのとても小さいエビです。
飼育や繁殖はごくごく普通にされているので、近くの熱帯魚ショップで購入できるでしょう。
レッドチェリーシュリンプ繁殖の難易度
アクアリウムのエビにもいくつかの種類はありますが、一般的にエビの繁殖は少し神経質と言われています。
しかし、レッドチェリーシュリンプは、比較的簡単に繁殖できるので、初心者でも可能です。
繁殖が易しい理由として、まず飼育するのに手間がかからないということがあります。
弱アルカリ性の水質が好みとされていますが、水質の適用能力は高いです。
水質による稚エビの成長や繁殖には、それほど影響がありません。
また、卵からの孵化する確率が高いというのも、繁殖が簡単と言われるポイントです。
レッドチェリーシュリンプ繁殖前の準備
レッドチェリーシュリンプの繁殖のために、何か特別なものを用意する必要ははありません。
強いて挙げるとすれば、水槽は広めのものを用意してあげましょう。
普段は水草や水槽の底でじっとしていることが多いです。
非常に小さい体なので、強い水流は苦手としています。
なるべく逃げ場を用意してあげるようにしましょう。
稚エビの隠れ家になる水草があると暮らしやすい環境といえます。
ウィローモスなどがごくごく一般的に使われることが多く、緊急時の食料にもなったりします。
水草はエビのストレス対策にも効果的なので、ぜひ入れてあげるようにしましょう。
稚エビ用のエサは不要です。
バクテリアがある程度繁殖できる環境であれば、何も与えなくても餓死するようなことはありません。
レッドチェリーシュリンプの産卵から孵化まで
繁殖のためには、まずオスメスを同じ水槽に入れてあげる必要があります。
レッドチェリーシュリンプは生後一か月くらいまでオスメスの見分けがつきません。
成長するにつれて、メスの背中に濁った部分が浮き出るので見分けがつくようになります。
水槽内でオスメスをいっしょに入れておけば、自然と繁殖してくれます。
特に難しいことはありませんが、冷たい水は苦手なので冬場はヒーターがあったほうがよいでしょう。
産卵は深夜から早朝にかけて行われます。
ほんの数分というスピーディーな産卵なので、あまり産卵の瞬間を目にすることはできません。
産まれたばかりの卵はクリーム色や琥珀色に見えます。
メスが体の下にしっかりと卵を抱えて孵化まで見守るので、気が付いたら卵を抱えていたという感じです。
メスのお腹の下で大切に保護された卵は、次第にグレイや黒っぽくなってきます。
これは稚エビの目などが透けて見えているためで、しっかりと成長している証です。
二週間から三週間ほどで孵化し、小さな稚エビが元気よく動くようになります。
レッドチェリーシュリンプの繁殖時には水質・水温の管理を慎重に
レッドチェリーシュリンプの繁殖の時に気を付けたいのは、水質の管理です。
まずは、レッドチェリーシュリンプ自体の生態に合わせた環境を整えます。
これ自体は難しいことではなく、弱アルカリ性の水質であればOKです。
先ほども紹介したように、冷たい水は苦手なので、日本の気候的にはヒーターは必要になるでしょう。
水温は22℃くらいがいちばん適していると言われています。
続いて、抱卵中には水換えをせずに、水質の急激な変化に気を付けるようにしましょう。
理由は、エビは飼育していると頻繁に脱皮をするところにあります。
水質の変化は脱皮を促してしまうので、抱卵中の卵が殻といっしょに脱げてしまいます。
レッドチェリーシュリンプは増えすぎに注意
いくつか気を付けたいポイントも書きましたが、基本的には繁殖するのに難しいことはありません。
初心者でも簡単に繁殖でいるというのが、レッドチェリーシュリンプのいちばんのポイントです。
こうした性質からレッドチェリーシュリンプを繁殖している人はとても多くいます。
自然交配で、卵からの孵化率も高いので、神経質になることはありません。
しかし、言い換えると、簡単に繁殖してしまうので、爆発的に数が増えてしまいます。
あっという間に水槽がいっぱいになるので、他の熱帯魚を飼育している人なら、そのエサとして利用します。
狭い水槽で数が増えすぎたりすると酸欠になってしまうので、繁殖の管理には気を付けましょう。
レッドチェリーシュリンプの繁殖方法を知ろう
水槽の底をちょこちょこと動くレッドチェリーシュリンプは、見ていてもとても楽しい生き物です。
観賞用としてももちろんですが、その繁殖の容易さも魅力の一つです。
稚エビを熱帯魚のエサとして利用している人も多く、アクアリウムファンにはおなじみのエビだったりします。
繁殖させるつもりがなくても、何もせずともどんどん数が増えてしまうということもあります。
繁殖させるときには、増えすぎたりしないようにしっかりと水槽の管理をするようにしましょう。