水槽の底に張り付くようにしていることの多いセルフィンプレコ。
なんだかその姿には、原生生物を思わせるようなミステリアスなイメージがあります。
ぎょろっとした目や、その体の模様からも、色鮮やかな熱帯魚とはまた違った魅力のある魚です。
今回はそんなセルフィンプレコの特徴についてご紹介します。
セルフィンプレコとは
セルフィンプレコは、プレコと呼ばれるナマズの仲間の一種です。
プレコと言っても、その中には200以上の種類が知られています。
その大きなグループの中の一つで、特徴的な大きなヒレを持っています。
胸びれ、背びれ、尾びれとも普通のプレコよりもかなり大きく、水槽の中で泳ぐ姿がとても優雅です。
もともとの野生のセルフィンプレコは、アマゾン川などに生息しています。
ナマズの仲間に共通する特徴として、お腹にはそこの砂利などにくっつくための吸盤があります。
ですので、水槽の中では、底や側面にぴたっとくっついたりすることもあります。
水槽のコケなどを食べてくれるので、掃除屋としてメンテナンスのために入れる人も多くいます。
セルフィンプレコの体の特徴
セルフィンプレコの中にも、実はさまざまな種類が存在しています。
よく熱帯魚ショップなどで見かける一般的なセルフィンプレコは、茶褐色の体に黒い斑点模様がびっしりとあります。
小さな頃は、全体的に黒い斑点のほうが目立ちます。
しかし、成長するにしたがって地肌が目立つようになると、相対的に黒っぽい部分が減るので外見の印象が変わってきます。
よく販売されているセルフィンプレコは、だいたい5、6cmくらいのものが主流です。
しかし、1年ほどで20cmくらいにまで立派に成長します。
セルフィンプレコは、プレコの中でも大型種として位置付けられています。
50cmほどに成長するものも珍しくないと言われています。
セルフィンプレコを飼育する環境
セルフィンプレコを飼育する時には、水質や水温はあまり神経質になる必要はありません。
水質への適応力もあるので、混泳させる他の熱帯魚に合わせることができます。
目安となるpHは6~8と幅広く、弱アルカリ性から弱酸性の水質まで順応することができます。
いちばん理想とされる水温は26度前後とされています。
しかし、水温に関しても、20~28度くらいまでは問題なく飼育することができます。
食性は雑食性で、食べ物に好き嫌いはほとんどありません。
水槽の中でもコケや他の魚の食べ残しなどをキレイに食べてくれます。
流木や水草を入れておくと、それを食べることもあります。
セルフィンプレコの寿命
セルフィンプレコは、体も大きく成長するのでとても長生きな魚として知られています。
雑食性、かつ水への適応能力も高いため、体はとても丈夫です。
平均的には20年くらい生きる魚ですが、35年生きたセルフィンプレコもいるそうです。
セルフィンプレコがかかりやすい病気
病気にはかかりにくい種類ですが、飼育したばかりのときには白点病に注意しましょう。
せっかくの大きく美しいヒレに白点が入ってしまうのはもったいないですよね。
環境が変わることのストレスで発症したりすることがあるので、市販薬を使って早めにケアしましょう。
また、長生きするプレコは拒食や栄養失調になるものがいます。
栄養失調に陥ってしまうと、動きが鈍くなったり、元気がなく見えます。
そうした症状が見られた時には、意図的に赤虫や茹でたホウレンソウなど与えてみましょう。
普段とは違うエサや、嗜好性の高い食べ物を与えて食いつきを観察します。
長引くとすぐに死に至ってしまうため、日頃からこまめに観察してあげるようにしましょう。
セルフィンプレコの性格
セルフィンプレコは、小さな頃は比較的穏やかで、おとなしい魚です。
縄張り意識があるので、同種のプレコがいる場合にはちょっとした小競り合いを起こしたりすることがあります。
ですが、他の魚とケンカをしたりするようなことはありません。
しかし、成長して体が大きくなるにしたがって、少し荒い性格になります。
気も大きくなってくるのか、大きな尾ひれを使って他の魚にちょっかいを出したりすることもあります。
セルフィンプレコとの混泳は中型以上の魚で
水槽の中では生きている他の魚を襲うことはあまりないので、混泳が難しい魚ではありません。
ただし、体のサイズが大きくなってくると、あまりにも小さな小型種は捕食されてしまう可能性があります。
稚魚のときは問題なくても、長期で飼育することを考えると、20cm以上になる中型の魚との混泳がよいでしょう。
混泳する魚は水質や食性というよりは、サイズによって選ぶということになります。
セルフィンプレコは大きく成長する
先にも触れていますが、セルフィンプレコは体が丈夫で長生きしやすい熱帯魚です。
購入時にこうした知識がないと、小さな稚魚で購入してもすぐに大きく成長してびっくりするでしょう。
思ったより大きくなってしまったということで、手に余ってしまったり、取り扱いに困ってしまう人も多くいます。
飼育する前には、まず10年単位で生きることや、30cm以上になることは覚悟しておく必要があります。
ですので、飼育する前から比較的大きな水槽を用意しておいたほうが良いでしょう。
こうした準備をすることなく、安易にメンテナンス魚として購入することはオススメできません。
セルフィンプレコの特徴を知ろう
セルフィンプレコには立派なヒレと、独特の風貌があり、昔から根強いファンがいる魚です。
他の熱帯魚のように華やかな色や柄はありませんが、その生態も含めて古代の生物を思わせる渋い熱帯魚と言えるでしょう。
もの静かですが丈夫で長生きするというのも、飼育しているうちにいぶし銀のような魅力に変わるでしょう。
飼育には特別な知識や世話が必要な魚ではありませんが、その長寿っぷりと立派な大きさに成長するということは忘れないようにしましょう。