飼育可能な大型の熱帯魚で有名なものといえばアロワナです。

古今東西、長い体を優雅にくねらせて大型水槽を悠々と泳ぐ姿は、多くの人々を魅了してきました。

このアロワナによく似た、ノーザンバラムンディという魚はあまり知られていないかもしれません。

今回はそのノーザンバラムンディについての基本情報、価格、飼育方法をご紹介します。

ノーザンバラムンディの基本情報

ノーザンバラムンディという魚は、前述の通りアロワナによく似た姿をしています。

学術的にも「アロワナ科スクレロパゲス属」という分類であり、やはりアロワナの仲間の一つです。

野生のノーザンバラムンディは、主にオーストラリアやパプアニューギニアなどの河川に生息しています。

体長は自然下では50~70cmにも成長し、飼育下ではそれよりもやや小ぶりな40~50cmに収まることが多いとされています。

いずれにせよ飼育可能な淡水魚としては大型の部類に入ります。

体色は成魚になると薄い緑色がかったり、黒っぽくなったりといった変化を見せます。

一枚一枚の鱗がとても大きく、メタリックな光沢があり、ピンク色の斑点が入ります。

寿命は個体差や飼育環境に大きく左右されるため一概にいうことはできませんが、健康であれば15年を超えて数十年生きることが可能です。

ノーザンバラムンディの生体価格と購入先

ノーザンバラムンディは流通量の多さから、アロワナ類の中では求めやすい価格である場合が多いです。

ショップによって大きくばらつきはありますが一般的に、1万円以内で購入可能と考えてよいです(ただし、プラチナカラーなどの珍しい体色をした個体は、数十万円もの値が付くこともあります)。

大き目の熱帯魚ショップで取り扱われているほか、昨今ではネットショップでもよく目にすることができるようになりました。

ノーザンバラムンディの水槽の選び方

ノーザンバラムンディは少なくとも40cm以上に成長する大型魚ですから、幼魚である時期は60㎝程の水槽でも対応できますが、将来的には120㎝以上のサイズの水槽が必要になります。

水槽が狭いと、ノーザンバラムンディは分厚く曲げにくい硬い体を持つため、水槽内でターンをうまく行えず、骨格がいびつに変形してしまうなどの障害が起こるためです。

ターンをスムーズに行えるように、水槽は奥行が45㎝以上のものを用意するのがベストです。

水槽には飛び出し防止の処置も必要です。

強度のあるガラスや木などの板で、水槽の上に蓋をしましょう。

こうした対策をとることで思わぬ飛び出し事故を防げます。

ノーザンバラムンディはエサは何を食べるの?

ノーザンバラムンディは肉食性ですが、ミルワームや赤虫などの虫系のエサよりも小魚を好み、魚食性が強いと言われています。

よって、幼魚期はメダカやアカヒレなどの安価な生きた小魚、成長に伴いエサもサイズアップさせ金魚などを与えます。

しかし、生きエサは管理に手間がかかりコストも高くつくため、大型肉食魚用の人工エサに慣らすと飼育が楽になります。

しかし、人工エサを食べない個体もいますので、その時はあきらめも必要かもしれません。

ノーザンバラムンディと混泳できる魚について

ノーザンバラムンディは肉食性のため、口に入るサイズの魚なら食べてしまいます。

そのため小さなサイズの魚とは混泳することはまず不可能といえます。

また、大き目のサイズの魚や同種であっても、ノーザンバラムンディは攻撃的で排他的な性格が多いため、争いが起こることは避け難いです。

そのため、混泳は考えず単独飼育することが推奨されます。

ただし例外もありノーザンバラムンディの性格が大人しい場合には、大きなサイズの魚種であれば混泳がうまくいく可能性もあります。

その場合でも、水槽スペースにゆとりを確保し過密状態にならないよう気を付けましょう。

ノーザンバラムンディの水温管理について

熱帯魚の飼育においては温度管理が重要となりますが、ノーザンバラムンディの適正水温は25~27℃とされています。

夏は水槽を放っておくと高水温になるため、水槽は日向に置かず、水槽用クーラーを稼動させましょう。

冬は逆に、水温が低くなりすぎないよう水槽用ヒーターを使って、常に適正水温内に留めるよう気を付けましょう。

ヒーターを使う際は故障がないか普段からよくチェックし、毎年交換することで、過剰な発熱や機能停止などの思わぬ事故を予防することができます。

水質管理について

水質は硬水~中硬水が良いとされています。

住まいの地域にもよりますが日本の水道水は軟水が多いため、少量の死んだ珊瑚や石灰石を水槽内に設置したり、珊瑚砂を入れたりするなどの方法をとって硬水を作ることをオススメします。

逆に、あまりにも硬水でありすぎるのも魚の健康を害する恐れがあります。

その時はピートモス(水苔が炭化したもの)を水槽へ投入することによって、水質の硬度を下げることができます。

水質が硬水・軟水の程度を調べるには、専用の水質検査試薬を用います。

これは多くの熱帯魚ショップやネット通販で販売されていますので、入手して水質管理に活用しましょう。

また、pHは6.5~7.5pHが適正ですので、pH測定器や試験紙を用いて計測をし、適正数値に留めるよう管理しましょう。

ノーザンバラムンディの水槽の掃除方法

ノーザンバラムンディは大型肉食魚のため、食べる量が多く糞が大きいです。

そのため水槽は食べ残しや糞で汚れやすく水質が悪化しやすいため、定期的な掃除が必須となります。

基本的には2週間に一度は水槽の水の3分の1を新しい水に取り換えましょう。

日常的には給仕した後に残ったエサの食べかす、糞などの汚れを、見つけ次第ネットで取り除きましょう。

日頃のコツコツとした掃除の積み重ねが、魚にとっての快適な環境を作り出すコツになります。

掃除の利便性を考えると、水槽に底砂や砂利を敷くのは邪魔になりますし、汚れが蓄積しやすくなるので控えることが望ましいです。

ノーザンバラムンディの特徴を知ろう

ノーザンバラムンディは成魚になってしまえば非常に丈夫な魚で、多少の水質変化には負けないタフな魚です。

飼育者はその強靭さに甘えることなく、日々の管理をまめに行いましょう。

また大変長生きする魚のため、飼育するにあたってご自身のライフプランに照らし合わせた長期的な視野で吟味し、責任を持って飼育できるか検討が必要です。